■特急雷鳥金沢行き
一時期は特急電車の代名詞といっても過言の無い485系。しかし老朽化は否めず、月刊鉄道ファン2007年8月号の特集記事“ラストスパート485・583系”を読み、改めて、もうそんな時期なのかという印象を強く持った。
肌色に赤いストライプの入った485系電車は、恐らく国鉄を知る世代からは馴染み深い車輌カラーリングではないかとおもう。しかしながら最近、浅学な小生からみても、旧国鉄塗装の485系特急電車は減ったように思う。こうした理由もあって、旧国鉄塗装を維持する特急雷鳥を撮影する為、京都駅に向かった。
京都駅0番ホームにて待つこと数分、特急雷鳥がホームに滑り込んでくる。停車時間は僅かであり、撮影機会は少ない、しかも流し撮りでは失敗のリスクがあり、少しでもブレを少なくするべくISO感度を800にまで上げて撮影する。ライトの反射が生み出す幻惑の光景、鉄道車両の夜景撮影ならではのものである。
1964年にデビューした485系は、北陸本線において“雷鳥”“しらさぎ”として運行され、長距離旅客特急として以外にも新幹線開業後は、新幹線の走らない区画との連絡などに活躍している。しかしながら、0系新幹線と同世代であり、後期製造車輌も老朽化は否めないが、新世代車輌に伍してJR西日本、JR東日本、JR九州で運行されている。
エンブレム。立山連峰に生息する天然記念物である“ライチョウ”から名づけられたとのことで、直線区間では130km/hの最高速度で運転を行う。ちなみに、九両編成のうち、大阪方面の一号車がグリーン車、そして自由席車3輌と指定席車5輌という編成を採用している。
蛇足ながら夜間撮影は運転席に対してフラッシュを焚くわけには行かず、苦労した。特急雷鳥は、大阪駅から、京都駅を経て湖西線に入り、敦賀駅を通り金沢駅に至る。同じく金沢に向かう特急サンダーバードとは利用路線は重なるものの停車駅は若干異なる。
発車してゆく“雷鳥”。485系は、車内設備などで見劣りは否めず、特に御手洗設備やシートの陳腐化、自動販売機の未載という点で不満はある。しかし、日本鉄道史に一時代を築いたのは確かであろう。そうした思いとは裏腹に、シャッターをきるカメラの前を、金沢へ向け京都を意気揚々と出発して行った。
HARUNA
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