北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

久居駐屯地創設55周年記念行事 駐屯地祭部隊整列指揮官巡閲編

2007-07-09 19:21:30 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■式典開始 部隊入場

 観閲行進待機車輌を撮影して後、0945時よりいよいよ部隊が入場を開始する。久居駐屯地とグラウンドは道路を隔てており、三重県警による交通規制の協力を得て行う。行政機関同士の日頃からのこうした連携はいざという時に円滑な連携を可能とする。

Img_9143  4月22日、まだ芝生は冬色であるが、なによりも曇った天候に憂慮があった。しかし、結果から述べれば天候ももち、涼しく観覧者にはよかったかもしれない。式典が行われた久居駐屯地のグラウンドは、写真のように広く、式典に参加する車輌の列と隊員の整列を受け入れてなお余裕がある。

Img_9139_1  部隊入場。音楽隊の演奏と共に歩調を合わせ、普通科隊員であることを示す赤いマフラーとともに89式小銃を携行した隊員が入場を開始する。高機動車が駐車しているすぐ隣が、久居駐屯地とグラウンドを分ける国道に繋がるフェンスである。

Img_9142_1  徒歩行進により、続々と部隊が入場する。第33普通科連隊は、本部管理中隊と、四個の普通科中隊、対戦車中隊と重迫撃砲中隊より成り、この他、師団より派遣される後方支援連隊隷下の普通科直接支援中隊や駐屯地業務隊から選抜された隊員が行事に参加する。

Img_9150_1  隊員が構える89式小銃は、SS-109規格の5.56㍉小銃弾を使用する小銃で、従来の64式小銃と比べて鋼板プレス加工を多用した量産性の高い点、単発連発の他三点射が可能な点、軽量な点などが特色として挙げられる。製造は豊和工業。

Img_9140_1  部隊整列。日本の普通科中隊は、特に師団編成下の普通科中隊について、人員や火力などで、各国の歩兵中隊よりも大型で強力なものがある反面、連隊と中隊の間に大隊を置かない編成をとっており、部隊数確保という観点から、米軍の五単位編成師団“ペントミック方式”の連隊編成の影響を受けているとされる。

Img_9163_1  第33普通科連隊は、1896年に名古屋城で編成され、1924年に大正軍縮により久居へ移駐した歩兵第33連隊と、同じ連隊番号であり、同じ駐屯地に駐屯する自衛隊唯一の連隊とされる。歩兵第33連隊は、1944年10月にフィリピンにおいて全滅したが、1962年の陸上自衛隊組織改編により久居駐屯地に第33普通科連隊が編成された。

Img_9175_1  1005時頃から、招待者を乗せたバスや車輌が続々と観閲台正面から入場、観閲台前で車輌から降車し招待者席へ向かう。

 写真は衆議院議員の坂口力代議士が入場する様子。この他、自治体関係者や代議士秘書といった面々が来場した。

Img_9186_1_1  指揮官部隊巡閲。連隊長の乗車した73式小型トラックが、整列した隊員の前を通り、指揮官が巡閲、部隊は隊員が敬礼し、中隊旗を掲げてこれに応える。

Img_9188_1  第22代連隊長、兼ねて久居駐屯地司令を務める甲斐芳樹1等陸佐。

 連隊長要望事項は、各級指揮官の強力なリーダーシップ発揮と自衛官としての使命を自覚し誇りを堅持。連隊長統率方針は、高い即応性を持ち国民に信頼された精強な部隊と個人の確立。

Img_9167_1  指揮官訓示、来賓祝辞、祝電紹介を不動にて臨む隊員。写真の隊員は、三月に入隊したばかりの教育中の新隊員。まだ入隊して一ヶ月を経るか、というくらいではあるが、気合はもう一人前の陸上自衛官である。背後に並ぶのは、重MAT搭載の73式小型トラック。

Img_9191_1  祝辞。特に前の週の日曜日には、駐屯地管区内を震度5強の地震が襲ったばかりであり、長い海岸線の臨海部に都市や漁港が点在する33連隊は、自己完結能力を持つ自衛隊ならではの即応性を以て、自治体と共に災害の被害拡大を阻止しなければならない。

Img_9198   1044時、指揮官訓示、来賓祝辞、祝電披露を経て、いよいよ観閲行進準備の号令がかかる。部隊は中隊毎に駆け足でグラウンドより退場、所定の装備品を準備し、車輌部隊の隊員は乗車位置へ整列し乗車、観閲行進の待機位置へ移動を開始する。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする