■京都のまもり
一ヶ月間にわたる祇園祭。この他、観光客が年間5000万にも達するという国際観光都市であり、同時に100万都市として京阪神経済圏の一翼を担う大都市でもある。
祇園祭宵山を訪れた観光客は、一日で36万人。しかもラッシュ時と重なる時間帯であり、山鉾巡行も朝のラッシュ時と重なる。こうした時間帯に京都市中心部に大規模な交通規制をひき、且つ都市機能を維持することは並ならぬ苦労を伴う。
写真は宵山。後ろの標識から、ここが四条通であることがわかる。警察官が誘導を行うのは堀川通、いよいよ宵山の交通規制が開始されるときである。京都府警には26の警察署と、約6000名の警察官が日々職務に就いているが、特に京都市は前述した特性から、より高い能力を責務が重なっている。
写真は二条城に待機する機動隊車輌。二条城から、宵山の交通規制区間までは車輌では五分と掛からない。2300時の交通規制解除時などに、必要に応じて応援に展開する。ここいがいにも幾つかの場所に車輌が待機している。
長刀鉾前に立つ。長刀鉾は、山鉾巡行の先頭をいくということもあり、知名度が高く、また月鉾に次いで高く、その勇壮な姿を見ようと多くの観光客が詰め掛ける。特に、月鉾など、山鉾の多くは、四条烏丸の西側にあるため分散するが、四条烏丸の東側にある数少ない山鉾である長刀鉾には、それだけ人が集中するのである。
阪急河原町駅のあたりから、四条烏丸を望む。ご覧のように車線ごとに上り線下り線が分けられている。ここを西へ前進すると長刀鉾に至る。寺町や新京極に面しており、何よりも京阪線や阪急河原町駅を利用する人が集まる。この写真撮影後、急病人が出たが、警察官の誘導ととともに救急隊員が駆けつけた。貧血で大事は無かったようである。
山鉾巡行当日。自動車が見えるが実は、四条通と交差する烏丸通は車輌通行が可能である。この為、信号と共に巨大な山鉾と自動車をさばかねばならない。絶対に事故が起きないという前提であり、課せられた期待と共に交通誘導に声を枯らす。
12㌧もの山鉾が置かれ、それが曳かれ動くとなると、狭い通りでは当然車輌通行禁止となる。山鉾よりも自動車の方が後から来た新参者であるので当然といえば当然だが、迷った自動車を的確に誘導する必要があり、警察官には複雑な通りの交通規制を把握しておくことが求められる。
山鉾巡行後の様子。山鉾の解体が始まり、同時に四条通の交通規制解除の時間が迫る。撮影位置は阪急烏丸駅の地上、向こうでは菊水鉾がみえる。
道を尋ねられた様子。国際観光都市ならではの光景であるが、英語以外に様々な言語で道を聞かれる場合がある。片言英語とジェスチャーで的確に答えねばならない。内容は、京都駅に行くにはどうしたらいいかという質問だったようだ。
神幸祭の様子。山鉾巡行と同じ日に行われる。写真には四条東大路の奥に八坂神社がみえる。神幸祭は、三つの神輿がそれぞれの町を通り、先日掲載した四条寺町の御旅所に向かう為、木目細かな誘導などが必要になる。また、自動車を利用しての遠方からの観光客は地理に疎く、わかりやすい説明が求められる。
100万都市京都では、祇園祭、葵祭、時代祭の他、様々な祭事があり、京都御所と迎賓館に訪れる国賓来京に際しての警備、そしてテロ対策、交通安全から防犯と多くの果たすべき役割が多く、24時間“頼りがいのある警察”(※)を目指し、職務にあたっている。
HARUNA
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