■横田基地日米友好祭役に立たないお役立ち情報
土曜日、日曜日は天気予報を注視している人が多いのではないか。そういったなかで、横田基地日米友好祭、首都圏の米軍基地の一般公開、これはどんな行事なの?という疑問に極力答えたい記事を掲載。
在日米軍の一大拠点として北東アジア地域の不安定要素に睨みを利かせるアメリカ空軍横田基地。米軍再編に伴う航空自衛隊府中基地の航空総隊司令部移転に伴い航空自衛隊横田基地が創設される予定でもあり、そのポテンシャルの大きさは考えられる将来にわたって不変であるといっても過言ではない。その横田基地の一般公開行事が、日米フレンドシップデイである。
日米関係を安全保障の面から再考するこの上ない機会に、という堅苦しいものではなく、アメリカ軍の基地って、どんなふうになってるんかなあ、というような素朴な疑問や、どんな御飯を食べてるのか、とか。もちろん、どんな装備品を運用しているのかというような疑問にも答えを探すことが出来る絶好の機会だ。
横田基地へは、東京駅から中央線快速青梅行きを利用した場合所要時間は乗り換えなしで1時間8分(東京駅0802時発の快速利用時)。新宿からはホリデー快速を利用すれば福生駅乗換えで53分(新宿駅0847時発のホリデー快速利用時)。時間を見てみると思いのほか近いという印象もある。
横田基地へは、JR青梅線牛浜駅より徒歩。シャトルバスの設定は無い。牛浜駅からゲートまで、昨年の経験では徒歩12分である。ゲートでは簡単な手荷物検査を行っている。大きめのカバンなどの携行は避けたほうが無難やもしれない。昨年は、このゲートがみえた写真を撮影して、基地に入るまで所要時間は8分であった。これくらい並んでいても8分で通過できたということだ。
横田基地は、航空機をみると基本的に輸送機部隊の基地である。しかし、輸送機部隊ということで、有事の際には後方の一大兵站拠点としての機能も有している。したがって、基地の面積は非常に広大であり、加えて米軍の組織力は、基地に所在する輸送機に加えて多くの航空機を地上展示ということで魅せてくれる。
航空機が多く展開してくるということで、気になるのは人口密度だが、近傍の人間基地航空祭、失礼、入間基地航空祭の物凄い人口密度と比較すれば、最も混雑している場所でも、この程度である。小牧基地航空祭と同程度の人口密度、という印象だろうか。その理由は、前述のように基地が広大であり、多くの観覧者を収容してなお、これだけの余裕があるわけである。
他方、日米友好祭は、文字通り友好祭であるので、飛行展示は少なめである。基地のVIP輸送機による飛行展示や、C-130H輸送機からの空挺降下、更にUH-1N多用途ヘリコプターによる降下展示などが行われている。機数や開催間隔をみると、規模としては決して多くない。
ただし、土曜日は別として日曜日には帰投フライトを見ることが出来る。昨年は、帰投のために離陸したRF-4偵察機が大胆な低空飛行を実施して海上を沸かせた。さらに撮影していないが(横須賀サマーフェスタと連日で、疲労困憊していた)、夜には花火も打ち上げられ、航空機と花火、という非常に稀有な情景をみせてくれる。こちらも注目である。
米軍と自衛隊は、細かい面をみても多々異なっているところがある。これは新鮮だ。日米友好祭では、米軍の装備する様々な装備品をみることができる。同じ軽トラックでも、農家で活躍している車両と、基地において軽輸送に用いられている車両とでは、かくも印象が異なるのか、という印象だ。
軽トラックだけではない(あたりまえだ)。写真は展示されていたM-4カービン。特殊部隊用装備品展示に出されていたもので、このほか、散弾銃や軽機関銃、狙撃銃、拳銃から爆弾処理部隊のロボットや携帯無反動砲、ロケット弾発射器などの装備が展示されていた。不発弾は面倒ならば爆破してしまえ!という発想は日本では珍しいし、カービン用の装具も日本よりも充実している。
さてさて、横田基地は、晴天だと暑い。実際、少なからず体重が減るくらい汗をかく。ダイエット♪、と喜ぶなかれ、脱水症状は生命にも危険を及ぼす。それを防ぐにはひたすら水分補給に限る。基地では、航空自衛隊の航空祭では考えられないが、ワゴンに載せて飲料水を販売していたりする。
米軍基地で毎回驚かされる多くの事例の一つが、糧食関係だ。正直、底が無いほどの物量だ。大きな鉄板で次々とステーキを焼き上げる様子は、多分、日本ではステーキハウスでもなかなかみることができないようにも思う。なんというか、枚数が違う、という印象。かなり並んでいても、焼きあがれば列が解けるのは早い。
戦浪人。・・・、飲料水に関しては戦浪人の屋根の上に並べられていることから分かるように、特に重視されており、加えて熱中症防止のためには消防車も出動する。ロジスティクス重視というものの反映ということもないのだろうが、地上展示区域とは別に、模擬店の区間がかなり大きく設定されており、往復すると、なかなか飽きない。
米軍名物ピザ。名物か何か根拠はないが、どの米軍基地でもピザは名物だ。まあ、色水、もとい某スポーツ飲料も名物というか、お土産に持って帰る型も多いが、乾いた滑走路の端で食べると、脂っこいピザや、化学調味料が用いられた清涼飲料水も、ここでは気のせいか、味が美味しく感じられる。まあ、健康には凄く悪そうな気がするけれどもね。
C-130Hのしたには多くの人が集まっている。井戸端会議ならぬ輸送機端会議・・・、なのでは絶対無く、日傘のかわりに輸送機の翼が活躍している。機内見学は、KC-135やC-17は物凄い人気であったが、C-130なんかは比較的簡単に機内に入ることができたように記憶する。
このほか、フレンドシップデイということなので、軍事系以外のイベントなどもおこなわれる。考えてみれば、糧食関係の模擬店や花火も軍事とは関係ない部分があるのだけれども。このように、軍事以外にも、中々愉しめる行事、近くて遠い隣人の所に、足を運んでみてはいかがだろうか。
HARUNA
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