■ヨコスカサマーフェスタ07
2007年8月25日、海上自衛隊横須賀基地では、恒例の横須賀サマーフェスタが開催された。横須賀サマーフェスタ詳報では、数回に分けて、その行事の様子を出来る限りお伝えしたい。
横須賀地方総監部と大書された門。横須賀基地一般公開という事で、開門のかなり前の時間から長蛇の列が出来ていた。前年の横須賀サマーフェスタでは、先着順に護衛艦体験航海の乗艦券が配布されていたが、この年は、事前公募による抽選制となっていた。それでも、列の長さは変らないように感じられ、海上自衛隊への関心の高さが垣間見えた瞬間だ。
簡単な手荷物検査を終えて、いよいよ基地に足を踏み入れる。横須賀サマーフェスタでは、吉倉桟橋に停泊中の護衛艦などのナン無いが一般に公開され、更に術科学校なども一般公開された。地方総監部の建物の周りや厚生センター、そして駐車場などで装備品展示や模擬店が並んでいた。
訓練展示を行う水中処分隊の隊員さんが手を振ってくれる。海上保安庁のダイバーがドラマ“海猿”で一躍有名になったが、海上自衛隊の水中処分隊は、同じように海中に潜り、無言の脅威、機雷を処分する。特に水中処分隊は、海上保安庁のダイバーと同等の厳しい訓練に加えて、障害排除、つまり敵の妨害を排除して任務を遂行するという一段厳しい任務遂行能力が求められている。困難を努力と体力により克服する彼らの笑顔は、一際輝いていた。
防衛大学校の実習船、その向こうに艦尾がみえているのが、水中処分母船1号型。基準排水量300㌧の本船は、先ほどのゴムボートにて姿を示した水中処分隊員たちの母船である。さらにその背景には、なるほど横須賀らしい光景というべきか、アメリカ海軍のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の姿が見える。
吉倉桟橋に向けて足を進めると、「すがしま」型掃海艇の「のとじま」がみえてきた。日本の高度な掃海艇木造造船技術に加え1991年のペルシャ湾における機雷処理作戦“ガルフドーン”の戦訓を取り入れて、新型の掃海機具を導入した掃海艇で、満載排水量は590㌧。後方視界確保の為に、並列式の二本煙突構造を採用した、掃海艇である。
すぐとなりにはSH-60K哨戒ヘリコプターが着陸していた。SH-60J哨戒ヘリコプターの改良型として2002年度より量産型の調達が開始され、既に22機が配備されている。機内容積の拡大やデータリンク能力の抜本的な向上、更に対工作船任務に備え機体の防弾化を図り、従来の対潜哨戒に加えてヘルファイア対艦ミサイルによりミサイル艇排除の任務も有している。
一般公開されている四隻。南極観測の支援などにあたりいよいよ除籍の時が近付いている砕氷艦「しらせ」、護衛艦「たかなみ」、護衛艦「ありあけ」、米ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マッケーン」の四隻が並んでいる。海上自衛隊の護衛艦は、アメリカのイージス艦と比べると小さい、という印象があるようだが、満載排水量6200㌧の「ありあけ」は、けっして見劣りしない艦容。これはシーレーンを防衛するべく艦を大型化させた賜物だ。
体験航海の乗艦券は持ち合わせていないので、そのまま、護衛艦一般公開を見学するべく足を進めてゆく。すると横須賀サマーフェスタをいわうべく、ペリー提督。浦賀から京浜急行で来たのだろうか。こういった被り物(キグルミ?)のユーモアも、海上自衛隊らしい一幕、というべきか。
ヘリコプター護衛艦「しらね」や試験艦「あすか」とともに並ぶ護衛艦「ちびしま」。・・・、「ちびしま」?とおもわれるかもしれないが、イージス艦「きりしま」の艦番号174を捩った1.74の艦番号かが冠せられた小型のハリボテ。お子様の記念撮影などに活用されていた。よくみるとSPY-1レーダーや5インチ砲、それにCIWSや艦橋、スーパーバード衛星通信アンテナなどなどがかなり詳細にデフォルメされ再現されている。
次回は、いよいよ護衛艦一般公開の様子を紹介したい。
HARUNA
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