■Flying Forward Observertion System
富士学校祭の速報記事において、気になる装備品が観閲行進に参加していた、と記載したが、このほど確認が取れたので改めて掲載したい。
写真は、観閲行進における特科教導隊第303観測中隊の車列で、後方の車両は対砲レーダーであることは容易に確認できるのだが、手前の車両は、もしかしたら、ということで各方面に確認を行ってみた次第。やはり、これは遠隔操縦観測システムの車両であることで、意見の一致を見た。恐らく、西部方面特科隊に続き、富士教導団にも空中標定小隊が新編されたのであろう。
遠隔操縦観測システムとは、無人ヘリコプターに複合光学監視機器を搭載し、特科火砲の正確な誘導を行うことが目的の装備で、2004年から配備が開始された。車両は追随装置を搭載した車両と思われる。ヘリコプター本体が無いと実感が湧かないものの、日本で二番目の装備部隊である。
長射程化する火砲の命中精度向上や索敵任務などにかねてより必要性が提唱されていたのが、この無人観測ヘリコプターである。行動半径は50km以上、三時間以上の飛行が可能であるとされており、現在は改良型が開発中。自律飛行により運用、観測ヘリコプターが到達不可能な危険な状況下においても任務遂行が可能である。無人観測ヘリコプターは、朝霞の陸上自衛隊広報センターにレプリカが展示中だ。
観閲行進に待機する第303観測中隊の車両。特科火砲は長射程化とともに迅速な目標情報の入手と情報の共有化、そして何よりも瞬発性が、その任務遂行を左右するといわれており、いわゆる情報RMAに、特科部隊は陸上自衛隊の部隊体系にあってもっとも近い職種と呼ばれている。今回、撮影できた遠隔操縦観測システムも、その一角を占めている装備だ。
HARUNA
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