◆日本も検討の価値はあるか?
F-2戦闘機と時期的に開発が重なるフランスのダッソー社製新鋭戦闘機ラファールであるが、ここ最近、ようやく生産面で軌道に乗りつつあるようだ。現段階で航空自衛隊F-X選定では選外の機体だが、選外に置くには余りに惜しい機体でもある。
ラファールは、現段階では航空自衛隊のF-4後継に採用される可能性は、F-22やF-35と同程度でしかないが、比較的小型である一方、低RCS設計やクロースカップルドデルタ構造など興味深い点は幾つか挙げられる航空機だ。しかし、フランス空軍での採用は進まず最初の実戦部隊飛行隊が編成完結したのは最近数年の話だ。
海軍は、旧式化したF8クルセイダーの後継として空母艦載機用に調達したが空軍への配備は遅れていた訳だ。そうした中で、フランス国防省は11月12日にラファール60機を納入時期未定で追加調達する構想を発表、また、ブラジル空軍が36機を次期戦闘機として導入する構想を発表し、ラファール戦闘機初の対外輸出が実現した。
更に、インド海軍が新空母ビクラマーディア艦載機としてMiG-29KUBとともに別機種の艦載機を選定する可能性を提示しており、F/A-18Eかラファールの導入を構想している。なお、イギリスが計画中の新空母クイーンエリザベス級について、F-35の単価が早晩1億ポンドに達するという可能性から、二隻建造のうち、一隻を売却する構想を提示しており、インド海軍が興味を示しているとされる。
欧州機という壁はあるものの、航空自衛隊次期戦闘機選定に際して、F-22は生産終了、F-35は時期的・コスト的に難しい現状があるなか、F-15SEは間に合わないので除外し、ボーイングF-15E、F/A-18E、そして欧州機のユーロファイタータイフーンと、ダッソーラファール、それにF-2生産継続を候補に挙げて、いち早く決定しなければならない時期となっていることも確かではないだろうか。それにしても、この種の記事書くのに、ラファールやクイーンエリザベス級の掲載できる写真が手元に無いのが痛い、パブリックドメインのを使うのも個人的に抵抗があるので、困った、模型、か。
HARUNA
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