◆NHKHPより転載
事実関係のみを記載するため、憶測を排するべくNHKに掲載されている内容のみを掲載します。本日1100時点の記載です。
◆出典:NHKHP/1100時点
放射性物質漏れた場合の注意
原子力災害が起きて施設の外に放射性物質が漏れ出た場合、何に注意すればよいでしょうか。
原子力発電所から放出される放射性物質は、ヨウ素や希ガスといった気体の状態で出るため、まずは、これらから出る放射線からの被ばくを防ぐ必要があります。
そのため、▽室内にいる場合は、ドアや窓を閉めたうえで、換気扇やエアコンなどを止めること、▽一方、屋外にいたり避難で移動したりする場合は、マスクをしたりタオルやハンカチを水でぬらして口や鼻を覆うと放射性物質の吸い込みを防ぐ効果があります。
また、▽服装は皮膚の露出をできるだけ抑えることが大切です。
さらに、▽呼吸や食べ物によって体内に放射性物質を取り込む「内部被ばく」も防がなければなりません。
「内部被ばく」では、体内に放射性物質が蓄積されると、長期間にわたって放射線の影響を受けることになります。
一方、▽屋外から自宅へ戻った場合は、衣服を着替えたうえで顔や手を洗うことが必要です。
▽水道の水や井戸水、それに屋外に放置されていた食べ物などはなるべく口にしないように気をつけることも必要です。
3月15日 10:48更新
福島第二原発 原子炉が安全に停止
福島第二原子力発電所について、東京電力は、4つある原子炉が、15日までにすべて安全に停止したと発表しました。
福島第二原発では、3号機が今月12日に原子炉が安全に停止、1号機と2号機は原子炉内の水を冷やすポンプが津波の影響で動かなくなったものの、14日、原子炉が安全に停止し、残る4号機で、内部を冷やす機能が十分に確保できない状態が続いていました。
しかし、原子炉に海水を入れるためのポンプを調整した結果、冷却機能が回復し、東京電力によりますと、4号機は、15日午前7時15分に原子炉の温度が100度以下にまで下がって、安全に停止したことが確認されました。
これにより、福島第二原発にある4つの原子炉は、すべて安全に停止しました。
3月15日 10:34更新
2号機で爆発音 従業員が退避
東京電力福島第一原子力発電所2号機で、15日午前6時すぎ、原子炉が入っている格納容器の圧力を調整する設備の付近で爆発音がして、格納容器内の圧力が下がり、敷地周辺の放射線量が急激に上がったため、原発の所長の判断で一部の従業員が退避をしたということです。
経済産業省の原子力安全・保安院や東京電力によりますと、15日午前6時14分、福島第一原発2号機で、原子炉が入っている格納容器の圧力を調整する圧力抑制室=サプレッションプールと呼ばれる設備の付近で爆発音がしました。
この直後、設備の中の圧力が急速に下がったことから、原子力安全・保安院は、詳しいことは分からないものの、この設備に損傷があったものとみています。
爆発音の確認の直後に、福島第一原発の敷地の周辺では、1時間に965.5マイクロシーベルトの放射線の値を計測し、この値は、国に緊急事態を知らせる基準を超えていたため、原発の所長の判断で、一部の従業員が退避をしたということです。
対象となったのは、原子炉を冷却する作業に直接従事していない作業員で、福島第二原子力発電所などの安全な場所に移動しました。
放射線の値については、その後も上がり続け、午前8時31分には原発の正門付近で1時間あたり8217マイクロシーベルトと、一般の人が1年間に浴びてもよいとされる8倍の量を1時間で浴びる計算になります。
これについて、原子力安全・保安院は、「まだ詳しいことが分かっていない。仮にサプレッションプールという設備に穴が開いているとした場合、壊れている場所によって、液体か気体かで漏れ方が変わってくる」と述べました。
また、2号機では、水位が低下して、燃料棒全体が露出した状態が続いていたとみられますが、その後、水位が若干回復し、核燃料が、水面から2.7メートルほど露出した状態になっていることが分かりました。
露出している長さは核燃料全体の半分程度に当たり、東京電力では引き続き原子炉に水を注入する作業を続けることにしています。
3月15日 10:48更新
東海村 基準超の放射線値観測
福島第一原子力発電所からおよそ110キロ離れた茨城県東海村にある東京大学の施設では、午前7時46分に、放射線の値が毎時5マイクロシーベルトを観測し、10分間継続して基準値の5マイクロシーベルトを超えたため、午前8時15分までに国に対して原子力災害特別措置法に基づく10条通報をしました。
現在の放射線量は毎時3マイクロシーベルトになっているということです。
この場所での通常の放射線量は、毎時0.05マイクロシーベルトだということです。
3月15日 9:46更新
首相 万全の対応を強く指示
政府は、福島第一原子力発電所について、政府と東京電力が一体となって対応する必要があるとして、両者による「統合対策本部」を15日朝に発足させ、菅総理大臣は関係者に対し、対応に万全を尽くすよう強く指示しました。
菅総理大臣は、十分な冷却機能が確保できなくなっている東京電力の福島第一原子力発電所について、政府と東京電力が一体となって対応する必要があるとして、15日朝、みずからを本部長とする「統合対策本部」を発足させることを発表し、総理大臣官邸で「事故の被害が広がらないよう、ありとあらゆる手を打っている。憂慮すべき状況が続いているが、この危機を乗り越えるため、陣頭指揮に立ってやりぬきたい」と述べました。
そして、午前5時半すぎ、東京電力本店を訪れ、「統合対策本部」の初会合に出席しました。
この中で菅総理大臣は、今月12日に福島第一原子力発電所の1号機で起きた爆発に関連し、「テレビで爆発の様子が報道されているのに、総理大臣官邸には1時間くらい連絡がなかった。一体どうなっているのだ」と述べ、情報開示を巡る東京電力側の対応に強い不快感を示しました。
そのうえで、菅総理大臣は東京電力の関係者を前に、「あなたたちしかいない。覚悟を決めてください」などと述べ、今後の対応に万全を尽くすよう指示しました。
このあと、菅総理大臣は、2号機の現状について、東京電力側に説明を求め、サプレッションプールと呼ばれる原子炉を覆う格納容器につながる設備に損傷があることが報告されました。
菅総理大臣は、東京電力にある統合対策本部におよそ3時間いたあと、総理大臣官邸に戻り、午前9時半から予定されている閣議に臨むことにしています。
3月15日 9:17更新
3号機核燃料プール 覆いなし
東京電力の記者会見で、15日午前7時5分ごろ、福島第一原子力発電所3号機の原子炉が入っている建物の上部に、蒸気のようなものが漂っていることを明らかにしました。
また、福島第一原子力発電所の3号機で、格納容器の中にある使用済みの核燃料を保管するプールが、14日午前に発生した水素爆発によって、格納容器の上にある原子炉建屋の屋根が吹き飛んだことから、プールの上を覆うものがなくなっている状態であることも明らかにしました。
このプールは、原子炉で燃焼させて使い終わった使用済み核燃料を移動させて冷やすために設けられた設備です。
通常の状態では、プールの水を循環させて核燃料を冷やしていますが、福島第一原発では停電が起きていることなどから、冷やす機能が失われている可能性も大きいということです。
東京電力は記者会見の中で、3号機の原子炉が入っている建物の上部に蒸気のようなものが漂っていることとの関連について、「現時点では明確な答えはできない」としています。
3月15日 9:32更新
福島第一原発周辺 北からの風
気象庁によりますと、東京電力の福島第一原子力発電所周辺では、午前8時現在、北から南へと向かう風が吹いているとみられます。
気象庁によりますと、福島第一原子力発電所のすぐ周辺では、地震のあと観測データが入らず、風向きや風の強さなどが観測できない状態が続いていますが、福島第一原子力発電所から南におよそ50キロ離れた福島県いわき市の小名浜では、午前8時現在、北東の風4.4メートルが観測されています。
また、北に離れた仙台市でも北北東の風1.5メートルが観測されていることから、原子力発電所の周辺でも北から南へ向かう風が吹いているとみられています。
気象庁によりますと、15日は午前中を中心に、周辺ではこうした北からの風が吹きやすいということです。
3月15日 9:06更新
3号機建物上部 蒸気状のもの
東京電力の記者会見によりますと、爆発音のあとの午前6時28分、2号機の原子炉や格納容器の圧力、それに燃料棒が水につかっている値に大きな変化はないとしています。
また、午前7時5分ごろ、福島第一原子力発電所3号機の原子炉が入っている建物の上部に蒸気のようなものが漂っていることを明らかにしました。
蒸気のようなものが何なのか、詳しいことは分かっていないということです。
3号機では14日午前11時ごろに爆発が起きていて、原子炉内部で発生した水素が原子炉のある建物にたまって爆発したとみられています。
これについて、東京電力は、爆発に伴う原子炉を覆う格納容器への影響はないとしていました。
さらに、福島第一原子力発電所2号機の格納容器の圧力を抑制している「圧力抑制室」で衝撃音がしたあとの午前7時50分、原発の正門付近で1時間当たり1941マイクロシーベルトという放射線の量を計測したということです。
この値は、国に対して緊急事態を知らせるいわゆる「15条通報」の基準値の4倍近くに当たります。
3月15日 9:06更新
4号機の建物の屋根に損傷
東京電力の記者会見によりますと、15日午前7時すぎ、福島第一原子力発電所4号機の原子炉のある建物の5階の屋根に損傷が見つかったということです。
この損傷について、東京電力は、詳しいことは分からないとしています。
4号機は、地震発生当時は定期検査中でした。
3月15日 9:06更新
福島第一原発2号機で爆発音
経済産業省の原子力安全・保安院が午前8時前から行った会見の中で、「福島第一原子力発電所の2号機で午前6時10分に爆発音があった」ことを明らかにしました。
サプレッションプールと呼ばれる施設に損傷があるという情報について「まだ詳しいことが分かっていない。仮に穴が開いているとした場合、壊れている場所によって、液体が漏れるのか、気体が漏れるのか変わってくる」と述べました。
「サプレッションプール」は原子炉を覆う格納容器につながる設備で、放射性物質などを内部に閉じ込める機能も持っていて、この設備の一部に損傷が見つかったことで、放射性物質の閉じ込めが十分に機能しない可能性が出てきました。
また、2号機では、核燃料が水面から2.7メートルほど露出していることも明らかにしました。
露出している長さは、核燃料全体の半分程度に当たります。
さらに、福島第一原子力発電所の周辺で、爆発音の確認の直後に965.5マイクロシーベルトという放射線の値を観測したことを明らかにしました。
また、その後、882マイクロシーベルトにやや下がり、午前7時5分に387.3マイクロシーベルトに下ったということです。
原子力安全・保安院は「この放射線の値の変化がサプレッションプールの損傷によるものだと思うが、詳しくは分からない。監視は続けている」としています。
この放射線量について、「直ちに健康に被害が出る値ではない」と説明しています。
東京電力は、爆発音がしたあとに、現場で作業をしていた東京電力の社員を一時退避させました。
福島第一原発2号機では、15日朝の枝野官房長官の記者会見で、「サプレッションプール」と呼ばれる設備で、損傷があることが明らかになっています。
枝野官房長官は「周辺の放射線の数値は急激な上昇を示していない」と述べ、直ちに住民の健康に被害を及ぼすような事態ではないとの認識を示しています。
3月15日 8:40更新
“2号機 一部欠損見つかる”
枝野官房長官は、15日午前6時40分すぎに記者会見し、東京電力第一原子力発電所の2号機の一部で欠損が見つかったことを明らかにしました。
枝野長官によりますと、欠損が見つかったのは、2号機の中で、原子炉と格納容器をつないでいる、水蒸気を水に変えるための部分で、東京電力本店で菅総理大臣が東京電力側から報告を受けたということです。
ただ、枝野長官は「周辺の放射線の濃度は急激な上昇を示しておらず、人体に被害を及ぼすような事態ではない」と説明しました。
3月15日 7:10更新
政府と東電が統合対策本部へ
菅総理大臣は、15日午前5時半ごろ、総理大臣官邸で記者団に対し、十分な冷却機能が確保できなくなっている東京電力の福島第一原子力発電所について、政府と東京電力が一体となって対応する「統合対策本部」を発足させることを明らかにしました。
この中で、菅総理大臣は「福島の原子力発電所の事故に対して、政府と東京電力が一体となった『統合対策本部』を立ち上げることにした。私が本部長で、海江田経済産業大臣と東京電力の清水社長に副本部長をお願いしている。事業者である東京電力と政府の対策本部がリアルタイムで対応するためには、両者を一体化したほうがいいので、本部を東京電力本店に置くことにした」と述べ、政府と東京電力が一体となった「統合対策本部」を発足させることを明らかにしました。
そのうえで、菅総理大臣は「現在、全力を挙げて事故の被害が広がらないよう、ありとあらゆる手を打っている。憂慮すべき状況が続いているが、この危機を乗り越えるための陣頭指揮に立って、やりぬきたい。国民の皆様には心配をかけるが、わが国の国民の結束で、この危機を乗り越えていきたい」と述べました。
菅総理大臣は、15日午前5時半すぎ、東京電力本店に入りました。
このあと、「統合対策本部」の初会合に出席することになっています。
3月15日 5:55更新
放出の放射性物質 隣の県まで
福島第一原子力発電所では予断を許さない状況が続いていますが、3基の原子炉から放出された放射性物質が隣の県にまで運ばれたとみられるケースが相次いでいます。
いずれも健康への影響はない水準とされています。
福島第一原発の3基の原子炉は、いずれも燃料が水から露出して一部が溶けた可能性があるとされ、1号機と3号機では建物の一部で爆発が起きたほか、原子炉の圧力を下げるために放射性物質を含む空気を放出する作業も余儀なくされています。
原発から南におよそ80キロ離れた福島県との県境にある茨城県の北茨城市では、15日になって放射線の量の値が上昇していることが茨城県の測定で分かりました。
午前4時には1時間当たり4.87マイクロシーベルトと通常の100倍近い値を示したということです。
これは、胸のレントゲンのおよそ10分の1に当たり、茨城県は、健康には影響がない水準だとしています。
また、宮城県にある東北電力の女川原発では、13日、最大で1時間に5.7マイクロシーベルトの放射線の量を計測したほか、仙台市の周辺でも、地震の救助活動にあたったアメリカ軍の隊員がわずかながら放射性物質に汚染されたケースもあり、福島第一原発から出た放射性物質が風によって隣の県にまで運ばれているものとみられます。
3月15日 5:45更新
福島第一原発 予断を許さない状況
十分な冷却機能が確保できなくなっている東京電力の福島第一原子力発電所では、14日、2号機で、原子炉を冷やす水の高さが下がって、燃料棒がすべて露出した状態になり、一部が溶けたとみられています。
また、3号機では水素爆発とみられる爆発が起きて、原発の作業員と自衛隊員のあわせて11人がけがをしました。
東京電力は原子炉を安全に停止させるため、海水を流し入れて冷却を急いでいますが、予断を許さない状況が続いています。
2号機では、原子炉に水を入れるポンプが停止したことで、14日午後6時半ごろから2時間20分にわたって燃料棒がすべて水の上に露出した状態になり、一部が溶けたとみられています。
職員が監視のために離れた間にポンプの燃料がなくなったのが原因で、その後ポンプを動かした結果、水位が上昇しました。
しかし、14日午後11時ごろになって、原子炉の中の圧力が高まって燃料棒を冷やすための水が注入できなくなり、炉内の水位が急激に下がって再び燃料棒がすべて露出した状態になりました。
その後、午前1時すぎから注水ができるようになりましたが、午前3時現在も水位の上昇は確認されておらず、燃料棒が露出した状態が続いているとみられます。
3号機は、14日午前11時すぎ、爆発が起きて原子炉建屋の天井や外壁が吹き飛びました。
14日以降、原子炉を冷やす水の水位が下がって、燃料棒が水面の上に露出し、大量の水素が発生した可能性が高いことから、13日の1号機と同じように水素爆発が起きたとみられます。
しかし、敷地周辺の放射線の量の値は異常な上昇がないため、国や東京電力は、原子炉を覆う格納容器は機能を維持しているとしています。
現在、原子炉内の圧力は安定しているということで、一時中断していた原子炉を冷やすための海水の注入を15日午前3時に再開し、冷却を続けています。
この爆発で、原発の作業員と自衛隊員のあわせて11人がけがをしました。
13日に爆発が起きた1号機は、原子炉を冷やすために原子炉とそれを覆う格納容器の中に海水を満たす作業が続けられていましたが、14日未明に、海水をくみ上げるポンプが動かなくなり、注入作業が中断しました。
その後、ポンプなどの資材が整ったため、15日午前0時ごろから再び海水を入れる作業を再開しました。
現在、原子炉の水位や圧力などは安定しているということで、東京電力は原子炉を安全に停止させるため冷却を急いでいます。
一方、福島第二原発については、1号機と2号機、4号機のあわせて3基で、海水をくみ上げて原子炉内の水を冷やすポンプが津波の影響で動かなくなり、内部を冷やす機能が十分に確保できない状態が続いていました。
しかし、ポンプを動かすモーターを交換するなどした結果、1号機と2号機は冷却機能が回復し、14日午後4時までに原子炉の温度が100度以下にまで下がって、安全に停止したことが確認されました。
残る4号機についても、順調に温度が下がっているということです。
地震の発生から5日目を迎え、第二原発では状況が改善してきたものの、第一原発の3基は、依然として予断を許さない状況が続いています。
3月15日 5:40更新
福島第一原発2号機 水位回復せず
原子炉を冷やすための水が注入できなくなり、燃料棒がすべて露出した状態になったとみられる東京電力福島第一原子力発電所2号機では、15日午前1時すぎから原子炉に海水が注入できるようになりましたが、午前3時現在も水位は回復せず、燃料棒が露出した状態が続いているとみられ、予断を許さない状況が続いています。
福島第一原発2号機では、14日午後11時ごろ、原子炉の中の気体を逃がして圧力を下げるための弁が閉まり、炉の中の圧力が高まったため、原子炉に水を送れなくなりました。
このため、東京電力は原子炉の水位が急激に下がり、燃料棒がすべて露出した状態になっているとみられると発表しました。
その後、15日午前1時すぎになって原子炉内の圧力を下げるための弁を開けることができ、海水を注入できるようになったということですが、午前3時現在も水位は上がらず、燃料棒が露出した状態が続いているとみられるということです。
東京電力によりますと、原子炉内の圧力は上昇しておらず、敷地境界の放射線の値も大きく変化していないことから「すぐに危機的な状況に陥ることはないと思う」と話していますが、予断を許さない状況が続いています。
2号機では、14日もポンプが停止して、原子炉に海水が入らなくなり、午後6時半から2時間20分の間、燃料棒がすべて露出しましたが、その後、ポンプを動かした結果、午後9時半すぎに燃料棒の半分が水につかった状態に戻っていました。
露出した状態が長く続くと燃料棒は溶けるおそれがあり、東京電力は水位の回復を急ぐことにしています。
3月15日 4:50更新
2号機 再び核燃料すべて露出
東京電力は、福島第一原子力発電所2号機で、14日午後11時ごろ、原子炉を冷やすための水が注入できなくなり、原子炉の水位が急激に下がって再び燃料棒がすべて露出した状態になったとみられると発表しました。
また、敷地周辺の放射線の量が、午後9時37分に基準の6倍と、これまでで最も高くなり、緊急事態を知らせる通報を国に行いました。
東京電力によりますと、福島第一原子力発電所2号機で、14日午後11時ごろ、原子炉の中の気体を逃がして圧力を下げるための弁が閉まり、炉の中の圧力が高まったため、原子炉を冷やすための水が送れなくなりました。
このため、原子炉の水位が急激に下がり、再び燃料棒がすべて露出した状態となったとみられるということです。
2号機では、14日もポンプが停止して原子炉に海水が入らなくなり、午後6時半から2時間20分の間、燃料棒がすべて露出しましたが、その後、ポンプを動かした結果、午後9時半すぎに燃料棒の半分が水につかった状態に戻っていました。
東京電力では、原子炉の中の気体を逃がす弁は、あわせて10個ほどあり、ほかの弁を開けて圧力を下げる対策などを進め、原子炉に海水を注入して水位を回復したいとしています。
また、2号機では敷地周辺の放射線の量が、午後9時37分に基準の6倍のこれまでで最も高い3130マイクロシーベルトとなり、国に対して緊急事態を知らせるいわゆる「15条通報」を行いました。
3月15日 1:20更新
東電“2号機水位計測できず減圧”
東京電力は、福島第一原子力発電所2号機の問題で、15日午前0時すぎから記者会見しました。
この中で、東京電力は「午後11時20分に原子炉の水位が計測できないほど低くなり、海水を注入できるよう原子炉の圧力を下げる措置を取った。引き続き、原子炉に海水を注入する作業を行っている」と述べました。
3月15日 0:40更新
介護施設280人避難できず
避難指示が出ている東京電力の福島第一原子力発電所の周辺にある福島県浪江町では、14日午後10時半現在、介護施設にいる280人の入所者と職員が避難できずにいます。
福島県によりますと、午後10時半現在、避難指示の対象地域にある浪江町の特別養護老人ホーム「オンフール双葉」では、入所者のお年寄りと職員あわせて280人が避難できずにいるということです。
また、南相馬市の小高赤坂病院、浪江町の西病院、それに大熊町の双葉病院の入院患者と職員については、自衛隊の支援を受けて避難を進めています。
福島県によりますと、避難した人たちは南相馬市の相双保健所で、被ばくしていないかどうか線量計を使った検査を受けるということです。
3月15日 1:20更新
“2号機爆発の可能性低い”
枝野官房長官は、14日夜の記者会見で、福島第一原子力発電所の1号機と3号機で相次いで水素爆発が起きたことを受けて、原子炉内を冷やす機能が十分でない2号機でも水素爆発が起きるかどうかについて触れました。
枝野長官は「2号機では建物に空気が通る状態が出来ているので、水素が発生しても大規模な爆発が起きる可能性は相当低いと報告を受けている」と述べました。
また、枝野長官は「2号機でも1号機や3号機と同様に燃料棒の破損が起きている可能性が高い。原発の周辺で放射線の量を計測して異常がないか監視していきたい」と述べました。
3月14日 22:35更新
2号機 水位が半分にまで回復
東京電力福島第一原子力発電所2号機では、原子炉の水位が急激に下がって、一時、燃料棒がすべて露出した状態になりましたが、東京電力によりますと、海水を入れた結果、原子炉を冷やす水の高さは午後9時34分に燃料棒の上から2メートルの位置まで回復し、燃料棒の半分が水につかった状態になったということです。
福島第一原発2号機では、原子炉を冷却するすべての機能が失われて、原子炉の水位が急激に下がり、14日午後5時すぎ、核燃料の上の部分が露出し始めました。
このため、東京電力では、午後6時20分から原子炉に海水を入れる作業を始めましたが、燃料が切れてポンプが停止して海水が入らなくなり、原子炉の中にある燃料棒が、一時、すべて露出したということです。
原子力安全・保安院は記者会見で、燃料棒がすべて露出した時間は、「午後6時半から午後8時50分までの2時間20分にわたった」と述べました。
その後、燃料をポンプに入れ直した結果、海水が徐々に入り始め、午後9時34分、原子炉を冷やす水の高さが燃料棒の上から2メートルの位置まで回復し、燃料棒の半分が水につかった状態になったということです。
東京電力によりますと、海水を入れるポンプが停止したのは、職員が監視のためにその場を離れていた間にポンプの燃料が切れたためだということです。
3月14日 22:25更新
2号機“炉心溶けた可能性”
福島第一原子力発電所2号機で、原子炉の水位が急激に下がって、一時、燃料棒がすべて露出した可能性のあることが分かり、東京電力では「炉心が溶けた可能性も否定できない」としています。
経済産業省の原子力安全・保安院によりますと、その後、海水が徐々に入り始めたということで、燃料が溶けるのを防ぐため海水の注入作業を急いでいます。
福島第一原発2号機では、原子炉を冷却するすべての機能が失われたとして、14日午後1時半すぎ、国に対し、法律に基づいて「緊急事態」を知らせる、いわゆる「15条通報」を行いました。
その後、原子炉の水位が急激に下がり、14日午後5時すぎ、核燃料が水面から80センチまで露出したということです。
このため、午後6時20分から原子炉に海水を入れる作業を始めましたが、海水が入っていることが確認できず、原子炉の中にある燃料棒が、一時、すべて露出した可能性があるということです。
東京電力では、「炉心が溶けた可能性も否定できない」としています。
東京電力によりますと、海水が注入できなかったのは、職員が監視のために、その場を離れていた間に海水を入れるポンプの燃料が切れて停止していたためだということです。
その後、燃料をポンプに入れ直した結果、海水が徐々に入り始めたということで、「いわゆる空だきの状態にはなっていない」としています。
東京電力では、燃料が溶けるのを防ぐため、引き続き、海水の注入作業を急いでいます。
3月14日 21:05更新
2号機 核燃料が水面から露出
原子炉を冷却させる機能がすべて失われた福島第一原子力発電所2号機で、原子炉の水位が急激に下がり、14日午後5時すぎ、核燃料が水面から露出し始めたということです。
東京電力では、1号機と3号機で起きたとみられる水素爆発につながるおそれがあるとして、原子炉に海水を入れるなど冷却作業を急いでいます。
福島第一原発の2号機は、蒸気を使って動く装置を用いて水を循環させ、原子炉の冷却を続けてきましたが、周囲の温度が高くなり、冷やすことができなくなりました。
このため東京電力は、すべての冷却機能が失われたとして、午後1時半すぎ、国に対し法律に基づいて「緊急事態」を知らせる、いわゆる「15条通報」を行いました。
東京電力によりますと、その後、原子炉を冷やす水の高さが急激に下がり、午後5時すぎに燃料棒が水面に露出し始めたということです。
このため東京電力では、海水を入れて原子炉を冷やす作業を急ぐとともに、1号機や3号機で起きたとみられる水素爆発が2号機でも発生するおそれがあるとして、原子炉建屋の壁に穴を開けて水素を外に逃がす対策などを検討しています。
3月14日 19:10更新
福島第一原発2号機 海水入れ冷却
福島県の福島第一原子力発電所の2号機で、水を循環させて原子炉を冷却させる機能がすべて失われたことから、東京電力は、原子力災害対策特別措置法に基づいて、国に対し「緊急事態」を知らせるいわゆる「15条通報」を行うとともに、原子炉を冷やすために海水を入れ始めました。
福島第一原発の2号機では、蒸気を使って動く装置を用いて水を循環させ、原子炉の冷却を続けてきましたが、周囲の温度が高くなり、冷やすことができなくなりました。
このため東京電力は、すべての冷却機能が失われたとして、午後1時半すぎ、国に対し法律に基づいて「緊急事態」を知らせるいわゆる「15条通報」を行いました。
東京電力によりますと、原子炉を冷やす水の高さは徐々に下がっていて、午後3時現在、原子炉の水の高さは、燃料棒が水面に露出するまで残り1.2メートルにまで低下しています。
東京電力は、午後4時半すぎに、原子炉を冷やすため、1号機や3号機と同じように海水を入れ始めました。
福島第一原発では、1号機や3号機で起きている水素爆発が2号機でも発生するおそれがあるとして、今後、原子炉建屋の壁に穴を開けて水素を外に逃がす具体的な安全を確保する方法を検討しています。
3月14日 17:05更新
福島第一原発2号機 冷却機能失われる
経済産業省の原子力安全・保安院によりますと、東京電力の福島第一原子力発電所2号機で、水を循環させて原子炉を冷却させる機能が午後1時25分にすべて失われたことが分かりました。
このため、東京電力は午後1時半すぎ、原子力災害対策特別措置法に基づいて国に対し「緊急事態」を知らせる、いわゆる「15条通報」を行うとともに、原子炉を冷やすために海水を入れる準備を始めたということです。
2号機では、蒸気を使って水を循環させ原子炉の冷却を続けてきましたが、周囲の温度が高くなり、冷やすことができなくなったということです。
このため東京電力は、すべての冷却機能が失われたとして、午後1時半すぎ、法律に基づいて国に対し「緊急事態」を知らせる、いわゆる「15条通報」を行いました。東京電力によりますと、原子炉を冷やす水の高さは徐々に下がっているということで、午後3時現在、原子炉の中の水は、燃料棒が水面に露出するまで高さ1.2メートルになっているということです。
東京電力では原子炉を冷やすため、1号機や3号機と同じように原子炉に海水を入れる準備を始めたということです。
さらに、今後、2号機でも、1号機や3号機と同じように水素爆発が起きるおそれがあるとして、原子炉建屋の壁に穴を開けて水素を外に逃がすなどの安全を確保する方法を検討しています。
3月14日 17:05更新
福島第一原発 10キロ内に80人残る
警察庁によりますと、福島第一原子力発電所から半径10キロ以内には、午後1時の時点で、病気で入院している人を中心に80人が残っていることが分かりました。
移動するには医師や看護師の付き添いが必要な人が多いということで、自衛隊のヘリコプターを使って搬送することにしています。
また、半径10キロから20キロの範囲では360人が依然として残っており、自治体などがバスを出して避難を急ぐよう呼びかけています。
3月14日 18:40更新
放射性物質 除染基準引き上げ
地震や津波のあと原子力発電所のトラブルが相次いでいる事態を受けて、福島県は一定以上の放射性物質が体に付いた住民を対象に全身を洗う除染を行っていますが、対象が多すぎるなどとして、14日から基準を引き上げました。
福島県は、今回の事態を受けて住民一人一人の体などに付いた放射性物質が出す放射線を測定器で測ったうえで、放射線の量が1分当たり1万3000カウントを超える人を対象に、水で全身を洗い流す除染を行っていて、13日までに少なくとも22人が除染を受けています。
これに対して、放射線の専門家からは「現在の基準では対象者が多くなりすぎて作業が進まない」といった意見が出され、福島県は14日から、除染を行う基準を7倍余り高い10万カウントに引き上げました。
そのうえで、除染を行う施設を二本松市の男女共生センターに加えて、郡山市など2カ所に新たに設けることにしています。
これによって、除染を受ける対象が絞り込まれることになりますが、福島県では「基準を引き上げても、健康への影響はまずないが、基準を下回った人でも必要に応じて体をぬれた布でぬぐうなどの対応は取りたい」と話しています。
3月14日 19:30更新
3号機 水素爆発で11人けが
14日午前11時すぎ、東京電力福島第一原子力発電所3号機で爆発が起きて、原発の作業員と自衛隊員のあわせて11人がけがをしました。
経済産業省原子力安全・保安院では、おとといの1号機に続いて水素爆発が起きたとみて、原発から半径20キロの中に残っているおよそ600人の住民に対して屋内退避を指示しました。
これまでのところ、敷地周辺の放射線の値に異常な上昇はなく、原子炉を覆う格納容器の健全性は保たれているとみられます。
14日午前11時1分、福島第一原発3号機から爆発音がして大量の煙が上がり、原子炉建屋のコンクリートでできた壁が吹き飛びました。
経済産業省原子力安全・保安院は、12日の1号機に続いて水素爆発が起きたものとみています。
この爆発で、東京電力の社員4人と、協力会社の従業員3人、それに3号機の原子炉に水を入れる作業をしていた自衛隊員4人のあわせて11人がけがをしました。
東京電力の関係の7人は、いずれも意識があり、自衛隊員の4人は命に別状はないということです。
原子力安全・保安院によりますと、当時、福島第一原発から半径20キロの中には、病院や施設などにおよそ600人の住民が残っていたとみられ、これらの住民に対し、できるだけ早く建物の中に入るよう屋内退避を指示しました。
このうちのおよそ100人は、20キロの外に避難するために施設を出たということで、残るおよそ500人についても圏外に避難させるかどうか検討しています。
枝野官房長官は、記者会見で「3号機の格納容器は爆発のあとも内部の圧力が保たれているほか、施設周辺で観測された放射線の値も比較的低いことを考えると爆発によって放射性物質が外部に大量に出ていることは考えにくく、格納容器の健全性は保たれている」と説明しました。
福島第一原発3号機では、原子炉を冷やす水の水位が下がり、燃料棒が全体の半分ほど水面の上に露出したため、水蒸気と反応して水素が大量に発生したことが分かっており、水素爆発の起きることが心配されていました。
3月14日 16:15更新
官房長官 “格納容器健全性保つ”
枝野官房長官は、会見で、「福島第一原子力発電所3号機の格納容器は、爆発のあとも内部の圧力が保たれているほか、爆発のあと、施設の周辺で観測された放射線の値が20マイクロシーベルトから50マイクロシーベルト程度で、比較的低いことを考えると、爆発によって放射性物質が外部に大量に出ていることは考えにくく、格納容器の健全性は保たれている」と説明しました。
3月14日 12:55更新
米空母乗員 放射性物質に汚染
アメリカ軍は、仙台近郊で救援活動に当たっていた空母艦載のヘリコプターの乗組員17人が、低レベルの放射性物質に汚染されたことが分かったと発表しました。
この汚染による被ばく量は、最大でも日常生活で浴びる放射線の1か月分に満たないとしていますが、アメリカ軍では、放射性物質が福島第一原発から放出されたものとみて、艦船を原発の風下から移動させました。
アメリカ海軍の第7艦隊によりますと、放射性物質が検出されたのは、原子力空母「ロナルド・レーガン」艦載のヘリコプターの乗組員17人です。
乗組員は、3機のヘリコプターに分乗して、仙台近郊での救援活動に当たっていましたが、空母に戻ったあとの簡易検査で、低レベルの放射性物質に汚染されていることが分かったということです。
また、ヘリコプターからも、同様の低レベルの放射性物質が検出されたということです。
この汚染による被ばく量は、「最大でも日常生活で浴びる放射線のおよそ1か月分に満たない」としており、せっけんと水で洗い流したところ、その後の検査では放射性物質は検出されなかったということです。
アメリカ軍では、放射性物質は、12日に1号機の原子炉建屋で爆発が起きるなどした福島第一原子力発電所から放出されたものとみて、予防的な措置として、福島第一原発の北東およそ160キロの海域にいた空母などの艦船を原発の風下から移動させました。
3月14日 19:06更新
福島第一原発周辺 南寄りの弱い風
気象庁によりますと、東京電力の福島第一原子力発電所周辺の風向きは午前11時現在、南寄りの弱い風が吹いているとみられます。
気象庁によりますと、福島第一原子力発電所の周辺にある観測点では、地震のあと観測データが入らず、風向きや風の強さなどが観測できない状態が続いていますが、福島第一原発から南におよそ50キロ離れた福島県いわき市の小名浜では午前11時半現在、3メートルの南風が吹き、北におよそ50キロ離れた仙台市では、7メートルの西風が吹いています。
こうした気象条件などから、原子力発電所の周辺では午前11時半現在、弱い南寄りの風が吹いているとみられ、このあとも南寄りの2メートルから3メートル前後の風が吹くと予想されています。
3月14日 11:55更新
福島第一原発 一時作業員屋内退避
経済産業省の原子力安全・保安院は、14日午前9時半ごろから記者会見し、福島第一原子力発電所3号機で午前7時前に原子炉格納容器の圧力が上昇し、屋外にいた作業員が屋内に退避したことを明らかにしました。
その後、圧力が下がって作業を再開したということです。
原子力安全・保安院によりますと、14日午前6時50分ごろ、福島第一原発3号機の格納容器の中の圧力が設計上の上限値まで上がったということで、放射性物質を含む空気を外部に放出することを検討し、屋外で作業していた作業員が一時、屋内に退避したということです。
その後、圧力は下がり始めたことから作業を再開したということです。
3号機では、原子炉を冷やすために海水を注ぎ込む作業が行われていましたが、ポンプのトラブルで一時中断したということで、原子力安全・保安院は、注水を再開したことが圧力の上昇につながったものとみています。
一方、福島第一原発では、14日午前2時20分ごろに正門付近で測定した放射線の量が751マイクロシーベルトを計測したのに続いて、その20分後には敷地の北側での値が650マイクロシーベルトとなり、「緊急事態」を定める国の基準、500マイクロシーベルトを超え、東京電力が国に通報しました。
これについて原子力安全・保安院は、注水を一時、中止したことで、原子炉が冷やせなくなって結果的に放射線の量が上がったものとみて調べています。
3月14日 11:10更新
原発周辺 615人避難できず
避難指示が出ている東京電力の福島第一原子力発電所の周辺にある福島県浪江町など3つの市と町では、14日午前10時現在、介護施設や病院など5か所のあわせて615人の住民が今も避難できずにいることが福島県の調査で分かりました。
福島県によりますと、避難指示の対象地域になっている浪江町では、介護施設「オンフール双葉」で入所者のお年寄りと職員、あわせて279人が、また「西病院」では75人が避難できずにいるということです。
このほか大熊町では、介護施設に100人、「双葉病院」に80人、また、南相馬市の小高赤坂病院に81人が取り残され、県によりますと、避難指示の対象地域にいる3つの市と町では、午前10時現在、あわせて615人が避難できずにいるということです。
取り残された人たちは、現在、自衛隊によって救助中ですが、救助されしだい、南相馬市の相双保健所で被ばくしていないかどうか線量計を使って検査するということです。
3月14日 10:50更新
福島第二原発 2基で冷却機能回復
福島第二原子力発電所の3基の原子炉では、内部を冷やす機能が十分に確保できない状態が続いていましたが、このうち1号機と2号機は、14日朝までに冷却機能が回復し、東京電力は残る1基の復旧作業を急いでいます。
福島第二原発の1号機と2号機、それに4号機では、海水をくみ上げて原子炉内の水を冷やすポンプが津波の影響で動かなくなり、原子炉が入っている格納容器内部の圧力が上昇傾向にありました。
このため、東京電力がポンプを動かすモーターを交換するなど復旧作業を進めた結果、1号機は午前3時前、2号機は午前7時すぎにそれぞれ冷却機能が回復し、このうち1号機では格納容器内部の圧力も下がり始めたということです。
東京電力は、1号機と2号機の原子炉の冷却を進めるとともに、4号機についても14日中の復旧を目指して作業を進めることにしています。
3月14日 9:00更新
福島第一原発 緊急事態の通報
福島県にある福島第一原子力発電所について、東京電力は、敷地周辺で測定した放射線量が、14日午前2時半ごろに国の基準を2か所で上回ったとして、原子力災害対策特別措置法に基づいて、国に対し「緊急事態」を知らせる、いわゆる「15条通報」を行いました。
放射線量は、その後、国の基準を下回っているということです。
福島第一原子力発電所では、福島第一原発の敷地周辺のうち、▽正門付近で14日午前2時20分に751.2マイクロシーベルトを、▽また敷地の北側で午前2時40分に650マイクロシーベルトを観測しました。
原子力災害対策特別措置法に基づいて、国に対し「緊急事態」を知らせる、いわゆる「15条通報」の基準は1時間に500マイクロシーベルトで、東京電力は午前5時前に国に対し「15条通報」を行いました。
放射線量は、その後、▽正門付近では午前4時に10.1マイクロシーベルトに下がり、▽敷地の北側では午前5時に400マイクロシーベルトに下がり、いずれも基準を下回ったということです。
福島第一原発で放射線量が国の基準を上回り、15条通報が行われたのは、12日午後4時すぎに1015マイクロシーベルを観測して以来、今回が4度目です。
東京電力は「今回放射線量が上がった理由は分からない。爆発など目立った事故は起きていない」と話しています。
3月14日 8:20更新
福島の原発 安全確保めど立たず
福島県にある東京電力の福島第一原子力発電所と福島第二原子力発電所では、多くの原子炉で、原子炉を冷やす機能が十分に確保できなくなっているため、冷却機能を回復させる作業が続いていますが、地震の発生から4日目を迎えた14日も安全を確保するめどは立っていません。
このうち、福島第一原発の3号機では、原子炉を冷やす水の水位が13日午後以降下がりはじめ、午後7時前でも、燃料棒が全体の半分ほどに当たる2.2メートルほど水面の上に露出していて、燃料が溶けた可能性があるということです。
このため、大量に水素が発生して原子炉建屋の上部にたまり、12日の1号機と同じように、3号機の原子炉建屋でも、今後、水素爆発が起きる可能性があるとしています。
しかし、原子炉やそれを覆う格納容器は、万一、爆発が起きても衝撃に耐えられるとしていて、東京電力は水素を取り除く方法がないか検討しています。また、3号機では、格納容器の圧力を下げるため、13日午前8時40分すぎに容器内の空気を抜きましたが、午後になって空気を抜くための弁が閉じてしまい、圧力が再び上がり始めていました。
しかし、その後の復旧作業で、13日午後9時すぎに弁が再び開いたことが確認されたということです。
一方、爆発が起きた1号機は、安全を確保するため、原子炉とそれを覆う格納容器の中に海水を満たす作業が続けられています。
しかし、13日夜の段階でも、原子炉の中で燃料棒が1メートル70センチほど露出しているとみられ、海水を流し込んで冷やす作業を続けています。
さらに、2号機では、原子炉内の水の高さが通常よりも低い状態ですが、水面