■日米の価値観は基本的に一致
日米は民主主義と思想良心の自由に自由貿易や海洋自由原則等で価値観が一致しているのですが外交上連携できるような協力関係を防衛面では憲法が閉ざしている。
憲法を火災に例える事は多いですが、要するに、隣家が火災となっても我が家に燃え移るまでは何もしないが、我が家の定義は垣根を含むか母屋が薫すぶるか、母屋から直接火の手があがるまでか、一発だけならば誤射かもしれないと言うのは炎上一室だけならば誤認かもしれないと言い換えられ、どこで消火を始めるかがこれまでの議論であったのですが。
アメリカが求めているのは隣家が火災となっている時点で消火に協力し、また平時から火災の原因となるものを火災予防できるよう参画を求めている、そこに日本は現場の柔軟な対応は別としてシビリアンコントロールの観点からシビリアンが責任を負っていない、という状況があるのです。ここから、憲法を改正し同盟国と対等、不平等を是正しよう、と。
トランプ大統領はGDP比率で2.5%前後は国防努力を行うべき、と大統領選の頃から発言しています。今回の米軍駐留経費四倍増額にかんする一連の報道は大統領補佐官の過去の発言であり、はトランプ大統領の直接発言ではないのですが、そもそも日本の防衛に直接影響ある事態であっても、基本として防衛力を海外では展開させない現状では無意味です。
日本の防衛努力、仮に自衛隊が戦車を300両から1000両に戻そうとも、戦闘機定数を280機から350機に戻そうとも、台湾周辺や朝鮮半島と日本のシーレーン上での事態に現在の憲法下では最初に消耗を強いられるのは米軍であり、それならば必要な場所に入る自衛隊の戦車は0両であり戦闘機も0機なのだから、その分の費用を上乗せして請求する構図に。
日米安全保障条約は同盟条約であり、アメリカ側の視点としてはアメリカによる日米庇護編入条約ではなく、対等であるべき、という視点がこの背後にはある云えます。そして日本本土防衛にアメリカが協力する分を日本もアメリカ本土が攻撃された場合に駆けつけるという様なものではなく、安全保障政策深層部分で協力が必要だ、という強調なのですね。
日米地位協定などで日米は不平等という論調を行う方は居ますが、日米安保条約だけが憲法を維持した上で継続するには多分に日本が血を流さない、アメリカにとり不平等、という状態がある。これは戦後草創期や東西冷戦時代の、細部まで詰められない緊張下ではともかくとして、現在の情勢では永続的に維持できるものではありません。憲法も条約も。
日本は真剣に自国を護る覚悟はあるのか、これはアメリカ国民がもつ世論をも含めて、そうした認識があるのでしょう。これは言い換えればアメリカ自身も、別に西海岸亜東海岸に置いて敵の着上陸を待つ政策をとってこなかった、故に自国が直接攻められるまで打つ手なし、とした防衛政策に対して理解できない、という部分も多分に在るのでしょう、が。
最前線国家の懸念。こうした話題が今年初め頃、朝鮮半島情勢が安定し南北朝鮮の統一が完了したならば、在韓米軍は全面撤収し、西太平洋地域での米軍後方拠点としての在日米軍ポテンシャルも低下する事から、大幅に縮小し、日本は統一朝鮮が北朝鮮の戦略兵器継承やロシアや中国との協同へ進んだ場合、日本が最前線国家となる旨の論文がありました。
同盟を壊すトランプ要塞、としましてトランプ政権が欧州防衛協力に於いて防衛努力が比較的薄いドイツの在独米軍基地維持に冷淡である一方、防衛努力が経済規模に対して著しいポーランドを重視する反面、実は東欧の在欧米軍はドイツの後方拠点としての米軍施設を欠いた場合は平坦面で干上がるという、防衛政策の近視眼的な施策を警告する話題も。
在日米軍施設は西太平洋地域における戦略拠点であり、日本本土に着上陸した場合に備えるものではありません、だからこそ沖縄の第3海兵師団は戦車大隊を欠いていますし、事前集積船に搭載されたものを除いて米軍戦車部隊は第31海兵遠征群が定数上5輌を有しているのみです。三沢や嘉手納の戦闘機も日本の対領空侵犯任務措置には参加していません。
ただ、憲法上で我が国はアメリカが西太平洋地域での地域安定を行うための必要な措置、航行の自由を維持し海洋秩序を一部の国が企図する閉塞化を拒否する施策や、台湾海峡に朝鮮半島と南シナ海での軍事力による国境線の変更への実力を以ての地域安定化拒否、北東アジア地域を中心に核開発に対する制裁措置へ防衛力を以て協力する事は制限がある。
憲法を改正し、少なくとも自衛権を明記する事が出来れば、これで万事解決、という訳では、やはりありません。しかし、防衛政策の主体をどのように進めるかについて、主導権を持つのか、憲法上出来る事が無いか探しつつ協力という前提で進められるかは、これは大きな格差があるようにも思えます。ただ、憲法制定権力という視点からは現状も問題が。
憲法制定権力という観点から、新憲法へ意見集約を行うには、例えば新しい元号を決める事や東京五輪開催の指針を定めるとは比較にならない程の民主的手続きが必要となります。この点で現在の世論が憲法制定へ意見集約への参画を行える程余裕が無く、労働運動や市民運動でも意見集約枠組が結論ありきの議論を越えられない、参政意識の薄さがあります。
安倍総理の在任期間は歴代最長となりましたが、結局のところ参政意識の増進や意見集約の多様化を根回しした上で改憲準備まで進めるには、やはり歴代最長の在任期間でも対応出来なかったのでしょうか、それとも任期満了までに新憲法は難しくとも憲法九条二項を維持した上で、第三項に我が国は自然権としての自衛権を有する、一文を加憲できるのでしょうか、未知数です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
日米は民主主義と思想良心の自由に自由貿易や海洋自由原則等で価値観が一致しているのですが外交上連携できるような協力関係を防衛面では憲法が閉ざしている。
憲法を火災に例える事は多いですが、要するに、隣家が火災となっても我が家に燃え移るまでは何もしないが、我が家の定義は垣根を含むか母屋が薫すぶるか、母屋から直接火の手があがるまでか、一発だけならば誤射かもしれないと言うのは炎上一室だけならば誤認かもしれないと言い換えられ、どこで消火を始めるかがこれまでの議論であったのですが。
アメリカが求めているのは隣家が火災となっている時点で消火に協力し、また平時から火災の原因となるものを火災予防できるよう参画を求めている、そこに日本は現場の柔軟な対応は別としてシビリアンコントロールの観点からシビリアンが責任を負っていない、という状況があるのです。ここから、憲法を改正し同盟国と対等、不平等を是正しよう、と。
トランプ大統領はGDP比率で2.5%前後は国防努力を行うべき、と大統領選の頃から発言しています。今回の米軍駐留経費四倍増額にかんする一連の報道は大統領補佐官の過去の発言であり、はトランプ大統領の直接発言ではないのですが、そもそも日本の防衛に直接影響ある事態であっても、基本として防衛力を海外では展開させない現状では無意味です。
日本の防衛努力、仮に自衛隊が戦車を300両から1000両に戻そうとも、戦闘機定数を280機から350機に戻そうとも、台湾周辺や朝鮮半島と日本のシーレーン上での事態に現在の憲法下では最初に消耗を強いられるのは米軍であり、それならば必要な場所に入る自衛隊の戦車は0両であり戦闘機も0機なのだから、その分の費用を上乗せして請求する構図に。
日米安全保障条約は同盟条約であり、アメリカ側の視点としてはアメリカによる日米庇護編入条約ではなく、対等であるべき、という視点がこの背後にはある云えます。そして日本本土防衛にアメリカが協力する分を日本もアメリカ本土が攻撃された場合に駆けつけるという様なものではなく、安全保障政策深層部分で協力が必要だ、という強調なのですね。
日米地位協定などで日米は不平等という論調を行う方は居ますが、日米安保条約だけが憲法を維持した上で継続するには多分に日本が血を流さない、アメリカにとり不平等、という状態がある。これは戦後草創期や東西冷戦時代の、細部まで詰められない緊張下ではともかくとして、現在の情勢では永続的に維持できるものではありません。憲法も条約も。
日本は真剣に自国を護る覚悟はあるのか、これはアメリカ国民がもつ世論をも含めて、そうした認識があるのでしょう。これは言い換えればアメリカ自身も、別に西海岸亜東海岸に置いて敵の着上陸を待つ政策をとってこなかった、故に自国が直接攻められるまで打つ手なし、とした防衛政策に対して理解できない、という部分も多分に在るのでしょう、が。
最前線国家の懸念。こうした話題が今年初め頃、朝鮮半島情勢が安定し南北朝鮮の統一が完了したならば、在韓米軍は全面撤収し、西太平洋地域での米軍後方拠点としての在日米軍ポテンシャルも低下する事から、大幅に縮小し、日本は統一朝鮮が北朝鮮の戦略兵器継承やロシアや中国との協同へ進んだ場合、日本が最前線国家となる旨の論文がありました。
同盟を壊すトランプ要塞、としましてトランプ政権が欧州防衛協力に於いて防衛努力が比較的薄いドイツの在独米軍基地維持に冷淡である一方、防衛努力が経済規模に対して著しいポーランドを重視する反面、実は東欧の在欧米軍はドイツの後方拠点としての米軍施設を欠いた場合は平坦面で干上がるという、防衛政策の近視眼的な施策を警告する話題も。
在日米軍施設は西太平洋地域における戦略拠点であり、日本本土に着上陸した場合に備えるものではありません、だからこそ沖縄の第3海兵師団は戦車大隊を欠いていますし、事前集積船に搭載されたものを除いて米軍戦車部隊は第31海兵遠征群が定数上5輌を有しているのみです。三沢や嘉手納の戦闘機も日本の対領空侵犯任務措置には参加していません。
ただ、憲法上で我が国はアメリカが西太平洋地域での地域安定を行うための必要な措置、航行の自由を維持し海洋秩序を一部の国が企図する閉塞化を拒否する施策や、台湾海峡に朝鮮半島と南シナ海での軍事力による国境線の変更への実力を以ての地域安定化拒否、北東アジア地域を中心に核開発に対する制裁措置へ防衛力を以て協力する事は制限がある。
憲法を改正し、少なくとも自衛権を明記する事が出来れば、これで万事解決、という訳では、やはりありません。しかし、防衛政策の主体をどのように進めるかについて、主導権を持つのか、憲法上出来る事が無いか探しつつ協力という前提で進められるかは、これは大きな格差があるようにも思えます。ただ、憲法制定権力という視点からは現状も問題が。
憲法制定権力という観点から、新憲法へ意見集約を行うには、例えば新しい元号を決める事や東京五輪開催の指針を定めるとは比較にならない程の民主的手続きが必要となります。この点で現在の世論が憲法制定へ意見集約への参画を行える程余裕が無く、労働運動や市民運動でも意見集約枠組が結論ありきの議論を越えられない、参政意識の薄さがあります。
安倍総理の在任期間は歴代最長となりましたが、結局のところ参政意識の増進や意見集約の多様化を根回しした上で改憲準備まで進めるには、やはり歴代最長の在任期間でも対応出来なかったのでしょうか、それとも任期満了までに新憲法は難しくとも憲法九条二項を維持した上で、第三項に我が国は自然権としての自衛権を有する、一文を加憲できるのでしょうか、未知数です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
予算8兆円(GDP比1.5%)自衛官の給与一律2割増
戦闘機、F-35A:105機、B:102機、F-15改:100機、F-3:150機
イージス艦:最低10隻、イージスショアorTHAAD、及びPAC3の増勢、
潜水艦:30隻体制、いずも級軽空母2隻+中型空母2隻、
報復打撃力の一定の確立、核レディ体制とSLBN研究の推進
これぐらいはやって欲しいものです
現在からの防衛費3兆円増など、日本の財政事情からして全く大丈夫です
むしろ良質な経済対策となり、日本経済全体にとって良いです
ぼくのかんがえたりそうのじえいたい、みたいで恥ずかしいですが、本音です
防衛費を緊縮させるのは、日本経済・日本外交にとってマイナスです
この国の国家政策のボトルネックには常に悪の権化の財務省が居るのです