■防衛フォーラム
今回は各国海軍の話題を集めたのですが海上自衛隊関連の話題も多くありました。
自衛隊が導入するトマホークミサイル400発について国防総省よりアメリカ議会へ許可案が提出されました。これは11月17日に国防総省のDSCAアメリカ国防安全保障協力局が議会へ提出したもので、これによればトマホークblock4ミサイル200発とトマホークblock5ミサイル200発、TTWCS戦術トマホーク管制システムなどが含まれる。
トマホーク予算全般では23億5000万ドル規模の防衛調達となり、これは、いずも型ヘリコプター搭載護衛艦3隻分に相当します。当初は最新型のトマホークblock5を400発導入する計画でしたが、block5が2021年に制式化されたもので生産数はアメリカ海軍でも充分ではなく、日本としては最新型にこだわらず素早い調達を念頭に置いたのでしょう。
TTWCS戦術トマホーク管制システムは14基が要求されており、海上自衛隊のイージス艦全てと今後建造されるミサイル防衛専用のイージスシステム搭載艦、こんごう型護衛艦後継艦、ひゅうが型護衛艦に搭載し十分な数となっています。なお、潜水艦発射型のUGM-109ではなく全て護衛艦搭載用のRGM-109型が調達されることとなりました。
■アイザックペラル
スペインに新しい潜水艦だ。
スペイン海軍はS-80-P型潜水艦アイザックペラルを受領しました。S-80級潜水艦はアゴスタ級潜水艦に続いてナヴァンティア社が建造する次世代潜水艦でありAIPシステムの搭載など先進的な要素を有しています。水中排水量は2426tで全長は78.5m、水中速力は19ノットで3ノット浮上航行時の航続距離は8000㎞、最大60日間の作戦が可能だ。
アイザックペラルはその一番艦に当たり、起工式は2005年に行われましたが、設計の失敗により数十tの浮力不足が判明し耐圧隔壁区画を再設計するなどトラブルに見舞われ、更に2020年にはCOVID-19新型コロナウィルス感染症影響により建造遅延が画定、2023年11月30日、計画よりも大幅に遅れましたが竣工しスペイン海軍に引き渡されました。
■アドミラルナヒモフ
古いが象徴的な艦というものは何処の海軍にもいますね。
ロシア海軍が再就役工事を進めるアドミラルナヒモフがレーダー設置工事を完了した可能性があります、これはアドミラルナヒモフ再整備を進めるロシアのセヴマシュ造船所においてこの程撮影された写真などから解析されたもので、ポドベレゾヴィクET1レーダーやフレガートM2EMレーダーとおもわれるレーダーが追加されているとのこと。
アドミラルナヒモフはロシア海軍がソ連時代から継承するキーロフ級原子力ミサイル巡洋艦、4番艦ピョートルヴェリーキイのみが現役に残っていましたが老朽化により退役が決定しており、ロシア海軍は予備保管状態にあった3番艦アドミラルナヒモフを現役に復帰させると思われています。この3番艦は、冷戦時代はカリーニンという艦名でした。
キーロフ級原子力ミサイル巡洋艦は冷戦時代には当時としては進んだステルス設計と大量の対艦ミサイルを搭載し、なによりも満載排水量が2万tを超える巡洋艦で水上戦闘艦としては当時アメリカが現役と予備役を行き来させたアイオワ級戦艦を除けば最大規模であり、ソ連海軍力の象徴でしたが1980年代の艦艇であり、今は象徴的な存在といえます。
■シャルルドゴール
シャルルドゴールはそのうち日本に来ないかなあと思うところだ。
フランス海軍は唯一の航空母艦シャルルドゴールが定期整備を終え作戦能力に復帰した事を発表しました。シャルルドゴールは唯一の空母であり、アメリカ海軍以外が保有する世界でも唯一の原子力空母です。シャルルドゴールは2023年3月にインド洋での訓練展開とインド海軍やほかの友好国との共同訓練を終え、定期整備に入っていました。
シャルルドゴールは10月22日に出渠、ツーロン軍港へ戻りました。フランス海軍は現在、シャルルドゴールの後継艦を建造し、2030年代後半には一時的に航空母艦が2隻体制となる見通しですが、その後シャルルドゴールは後継艦竣工と作戦能力比夜を持って退役することとなり、空母の稼働体制と安全保障環境対応の相関関係という問題は続くもよう。
■新掃海艦のうみ
掃海艇は削減されますが掃海艦はふえてゆく。
海上自衛隊は新掃海艦のうみ進水式を挙行しました。あわじ型掃海艦4番艦、艦番号は307、となっています。海上自衛隊の掃海艦艇は大きな転換点を進んでおり、海上自衛隊の掃海艦は長らく、やえやま型3隻となってきました、そして爽快感の任務は潜水艦を狙う深深度機雷への機雷掃討能力として能力は限定されていたのですが、転換点です。
もがみ型護衛艦、海上自衛隊は一部の掃海艇を機雷掃討能力を持つ水上戦闘艦へ置き換える、所謂オーガニック能力整備へと切り替え、一方で一隻当たりの機雷掃討専従艦としての掃海能力の大きな掃海艦へ艦艇整備の比重を移し、掃海艦を従来の3隻から9隻へ大幅に拡張させる方針です。ただ、機雷戦艦艇全般は縮小し多機能護衛艦に切り替えます。
■ヴィズヴィー級コルベット
はやぶさ型ミサイル艇の倍程度というステルス艦ですが建造費は大型護衛艦なみという。
スウェーデン海軍はヴィズヴィー級コルベット用CAMMミサイルを取得します。ヴィズヴィー級は画期的なステルス形状で知られる水上戦闘艦で、満載排水量は650tながら小型ボート程度のレーダー反射面積しか有しませんが、独特の設計が禍いし一番艦ヴィズヴィーは1995年に起工しましたが就役は2012年と建造に17年も要しています。
ヴィズヴィー級はステルス設計を採用し、AIS船舶位置表示装置上には確認されるがレーダーには映らないとして平時の航行で注意されるほどの性能となしました。しかし、建造された1990年代の冷戦後と2020年代では安全保障環境が根本から異なり、艦砲と対艦ミサイルに対潜魚雷を搭載するステルス艦は、空からの攻撃に対して無防備すぎた。
CAMMミサイルはこの為に搭載可能となる選択肢で、イギリスに本社を置くMBDA社が開発、イギリス海軍ではシーセプターミサイルとして知られています、その射程は25㎞、優れたステルス設計のために近距離でなければ探知できない特性を活かして、敵水上戦闘艦や航空機が接近したところで無力化でき、海軍は既存の5隻全てに搭載予定です。
■タマンダレ級フリゲイト
日本のGDPを抜くのはインドではなくドイツでしたがドイツ経済はインフレでそうとう混乱している影響が此処に。
ブラジル海軍が導入するタマンダレ級フリゲイトの2番艦が起工式を迎えました。ティッセンクルップマリンシステムズ社とエンブラエルディフェンスアンドセキュリティー社が建造する新型艦は当初計画が大幅に遅れていることが懸念されていましたが、11月1日、ティッセンクルップ社のエスタレイロブラジルスル造船所にて建造開始となった。
タマンダレ級フリゲイトは4隻の導入化計画され、ブラジル海軍の中枢艦計画として進められているもの、全長107mで満載排水量は3360t、ブラジルがMADA社と開発したMANSUP対艦ミサイルやCAMM対空ミサイル、現用水上艦としては珍しい533mm長魚雷発射管や76mm艦砲と30mm機関砲、ヘリコプターなどを搭載する計画です。
■タスマン級コルベット
やはり理由は中国海軍の動向だ。
オーストラリアDSR国防見直し2023計画に基づくタスマン級コルベットの建造計画について、オースタル社とナバンティア社とシヴメック社が合同で提案を行いました、中国の軍事圧力増大と共に台湾海峡を含む西太平洋地域での情勢緊迫化を受け、高い水上打撃力を有し少ない人数で運用可能であるコルベットを6隻、緊急取得します。
インドパシフィック2023海洋防衛展において示されたタスマン級の模型は、ナバンティア社がサウジアラビアに提示したアバンテ級フリゲイトを基にしたもので、満載排水量3600t、CAMMミサイルVLSを16セルと対艦ミサイル16発に57mm艦砲とヘリコプターを搭載し全長に対して全幅が広く取られている点が特色となっています。
■駆逐艦インパール
大型化が著しいインド海軍の艦艇です。
インド海軍はミサイル駆逐艦インパールを受領しました。インパールはヴィシャーカパトナム級ミサイル駆逐艦の3番艦、日本へ何度も親善訪問しているコルカタ級駆逐艦の改良型です。竣工式典は10月20日、MDLマザゴンドックシップビルダーズリミテッドにおいて建造、インド製の鋼材を用いた、そしてインドでも最大級の駆逐艦です。
インパールは満載排水量7400tで全長163m、4隻が建造される計画であるヴィシャーカパトナム級ミサイル駆逐艦の3番艦で、建造費は4隻で3000億ルピー、1隻あたりはドル換算で10億ドルに達します。その最大の特色は高度な艦隊防空能力など従来艦の能力に加えてインド製ブラモス超音速ミサイルを搭載、艦対地攻撃能力を有する点です。
■レールガン概要
長期にわたり研究している故の成果が出てきています。
海上自衛隊将来護衛艦へ搭載するレールガン概要を防衛装備庁が発表しました。防衛技術シンポジウム2023とともに既に海上試験などの実施が発表されているレールガン、元々は昭和62年度研究より持続されているもので、当初はエリコン35mm高射機関砲を置き換える小口径アルミペレットをもちいる計画でしたが、内容的には大きく進んでいる。
将来護衛艦への搭載は艦砲とは別に、背負い式に搭載する方式を提示しており、これによれば従来の火薬式弾薬では実現し得ない高初速砲弾を投射することにより、敵艦艇の機関部やCIC戦闘指揮所などのバイタルパートを直接貫通するという、かつての戦艦の艦砲を再現するものとなり、また速度が速く小さな弾薬は事実上迎撃不可能になるもよう。
しらね型ヘリコプター搭載護衛艦くらま退役により艦砲を背負い式に搭載する護衛艦は姿を消していますが、レールガンは従来型艦砲との併用ではあるものの、その再来となります。一方、今回防衛装備庁が示したのはあくまでイメージ図であり、あさひ型護衛艦に続いて建造される艦隊護衛艦にレールガンを搭載するという確約ではないとのことでした。
■シャヒドバゲリ
こういうのからドローンを飛行させタンカーを攻撃しているがインド海軍がインド近海での行動を注視している。
イラン海軍の無人機母艦シャヒドバゲリが進水式を挙行しました。イラン海軍は2022年1月に無人機母艦マクラーンを建造、民生用タンカーの上甲板に鉄板を張って飛行甲板とした近年では珍しいタンカー改造の特設空母となっていましたが、イランではこれを中東発の航空母艦として喧伝し、タンカー部分を含めれば満載排水量は10万tとなっている。
シャヒドバゲリもマクラーンと同じ航空母艦として運用することとなりますが、注目すべき点はマクラーンが通常の飛行甲板を有していたのに対して、シャヒドバゲリはスキージャンプ台構造の艦首部分と着艦用のアングルドデッキ構造を採用し、固定翼無人機の運用能力を重視している点です。イラン製無人機はウクライナ攻撃でロシア軍が重宝している。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は各国海軍の話題を集めたのですが海上自衛隊関連の話題も多くありました。
自衛隊が導入するトマホークミサイル400発について国防総省よりアメリカ議会へ許可案が提出されました。これは11月17日に国防総省のDSCAアメリカ国防安全保障協力局が議会へ提出したもので、これによればトマホークblock4ミサイル200発とトマホークblock5ミサイル200発、TTWCS戦術トマホーク管制システムなどが含まれる。
トマホーク予算全般では23億5000万ドル規模の防衛調達となり、これは、いずも型ヘリコプター搭載護衛艦3隻分に相当します。当初は最新型のトマホークblock5を400発導入する計画でしたが、block5が2021年に制式化されたもので生産数はアメリカ海軍でも充分ではなく、日本としては最新型にこだわらず素早い調達を念頭に置いたのでしょう。
TTWCS戦術トマホーク管制システムは14基が要求されており、海上自衛隊のイージス艦全てと今後建造されるミサイル防衛専用のイージスシステム搭載艦、こんごう型護衛艦後継艦、ひゅうが型護衛艦に搭載し十分な数となっています。なお、潜水艦発射型のUGM-109ではなく全て護衛艦搭載用のRGM-109型が調達されることとなりました。
■アイザックペラル
スペインに新しい潜水艦だ。
スペイン海軍はS-80-P型潜水艦アイザックペラルを受領しました。S-80級潜水艦はアゴスタ級潜水艦に続いてナヴァンティア社が建造する次世代潜水艦でありAIPシステムの搭載など先進的な要素を有しています。水中排水量は2426tで全長は78.5m、水中速力は19ノットで3ノット浮上航行時の航続距離は8000㎞、最大60日間の作戦が可能だ。
アイザックペラルはその一番艦に当たり、起工式は2005年に行われましたが、設計の失敗により数十tの浮力不足が判明し耐圧隔壁区画を再設計するなどトラブルに見舞われ、更に2020年にはCOVID-19新型コロナウィルス感染症影響により建造遅延が画定、2023年11月30日、計画よりも大幅に遅れましたが竣工しスペイン海軍に引き渡されました。
■アドミラルナヒモフ
古いが象徴的な艦というものは何処の海軍にもいますね。
ロシア海軍が再就役工事を進めるアドミラルナヒモフがレーダー設置工事を完了した可能性があります、これはアドミラルナヒモフ再整備を進めるロシアのセヴマシュ造船所においてこの程撮影された写真などから解析されたもので、ポドベレゾヴィクET1レーダーやフレガートM2EMレーダーとおもわれるレーダーが追加されているとのこと。
アドミラルナヒモフはロシア海軍がソ連時代から継承するキーロフ級原子力ミサイル巡洋艦、4番艦ピョートルヴェリーキイのみが現役に残っていましたが老朽化により退役が決定しており、ロシア海軍は予備保管状態にあった3番艦アドミラルナヒモフを現役に復帰させると思われています。この3番艦は、冷戦時代はカリーニンという艦名でした。
キーロフ級原子力ミサイル巡洋艦は冷戦時代には当時としては進んだステルス設計と大量の対艦ミサイルを搭載し、なによりも満載排水量が2万tを超える巡洋艦で水上戦闘艦としては当時アメリカが現役と予備役を行き来させたアイオワ級戦艦を除けば最大規模であり、ソ連海軍力の象徴でしたが1980年代の艦艇であり、今は象徴的な存在といえます。
■シャルルドゴール
シャルルドゴールはそのうち日本に来ないかなあと思うところだ。
フランス海軍は唯一の航空母艦シャルルドゴールが定期整備を終え作戦能力に復帰した事を発表しました。シャルルドゴールは唯一の空母であり、アメリカ海軍以外が保有する世界でも唯一の原子力空母です。シャルルドゴールは2023年3月にインド洋での訓練展開とインド海軍やほかの友好国との共同訓練を終え、定期整備に入っていました。
シャルルドゴールは10月22日に出渠、ツーロン軍港へ戻りました。フランス海軍は現在、シャルルドゴールの後継艦を建造し、2030年代後半には一時的に航空母艦が2隻体制となる見通しですが、その後シャルルドゴールは後継艦竣工と作戦能力比夜を持って退役することとなり、空母の稼働体制と安全保障環境対応の相関関係という問題は続くもよう。
■新掃海艦のうみ
掃海艇は削減されますが掃海艦はふえてゆく。
海上自衛隊は新掃海艦のうみ進水式を挙行しました。あわじ型掃海艦4番艦、艦番号は307、となっています。海上自衛隊の掃海艦艇は大きな転換点を進んでおり、海上自衛隊の掃海艦は長らく、やえやま型3隻となってきました、そして爽快感の任務は潜水艦を狙う深深度機雷への機雷掃討能力として能力は限定されていたのですが、転換点です。
もがみ型護衛艦、海上自衛隊は一部の掃海艇を機雷掃討能力を持つ水上戦闘艦へ置き換える、所謂オーガニック能力整備へと切り替え、一方で一隻当たりの機雷掃討専従艦としての掃海能力の大きな掃海艦へ艦艇整備の比重を移し、掃海艦を従来の3隻から9隻へ大幅に拡張させる方針です。ただ、機雷戦艦艇全般は縮小し多機能護衛艦に切り替えます。
■ヴィズヴィー級コルベット
はやぶさ型ミサイル艇の倍程度というステルス艦ですが建造費は大型護衛艦なみという。
スウェーデン海軍はヴィズヴィー級コルベット用CAMMミサイルを取得します。ヴィズヴィー級は画期的なステルス形状で知られる水上戦闘艦で、満載排水量は650tながら小型ボート程度のレーダー反射面積しか有しませんが、独特の設計が禍いし一番艦ヴィズヴィーは1995年に起工しましたが就役は2012年と建造に17年も要しています。
ヴィズヴィー級はステルス設計を採用し、AIS船舶位置表示装置上には確認されるがレーダーには映らないとして平時の航行で注意されるほどの性能となしました。しかし、建造された1990年代の冷戦後と2020年代では安全保障環境が根本から異なり、艦砲と対艦ミサイルに対潜魚雷を搭載するステルス艦は、空からの攻撃に対して無防備すぎた。
CAMMミサイルはこの為に搭載可能となる選択肢で、イギリスに本社を置くMBDA社が開発、イギリス海軍ではシーセプターミサイルとして知られています、その射程は25㎞、優れたステルス設計のために近距離でなければ探知できない特性を活かして、敵水上戦闘艦や航空機が接近したところで無力化でき、海軍は既存の5隻全てに搭載予定です。
■タマンダレ級フリゲイト
日本のGDPを抜くのはインドではなくドイツでしたがドイツ経済はインフレでそうとう混乱している影響が此処に。
ブラジル海軍が導入するタマンダレ級フリゲイトの2番艦が起工式を迎えました。ティッセンクルップマリンシステムズ社とエンブラエルディフェンスアンドセキュリティー社が建造する新型艦は当初計画が大幅に遅れていることが懸念されていましたが、11月1日、ティッセンクルップ社のエスタレイロブラジルスル造船所にて建造開始となった。
タマンダレ級フリゲイトは4隻の導入化計画され、ブラジル海軍の中枢艦計画として進められているもの、全長107mで満載排水量は3360t、ブラジルがMADA社と開発したMANSUP対艦ミサイルやCAMM対空ミサイル、現用水上艦としては珍しい533mm長魚雷発射管や76mm艦砲と30mm機関砲、ヘリコプターなどを搭載する計画です。
■タスマン級コルベット
やはり理由は中国海軍の動向だ。
オーストラリアDSR国防見直し2023計画に基づくタスマン級コルベットの建造計画について、オースタル社とナバンティア社とシヴメック社が合同で提案を行いました、中国の軍事圧力増大と共に台湾海峡を含む西太平洋地域での情勢緊迫化を受け、高い水上打撃力を有し少ない人数で運用可能であるコルベットを6隻、緊急取得します。
インドパシフィック2023海洋防衛展において示されたタスマン級の模型は、ナバンティア社がサウジアラビアに提示したアバンテ級フリゲイトを基にしたもので、満載排水量3600t、CAMMミサイルVLSを16セルと対艦ミサイル16発に57mm艦砲とヘリコプターを搭載し全長に対して全幅が広く取られている点が特色となっています。
■駆逐艦インパール
大型化が著しいインド海軍の艦艇です。
インド海軍はミサイル駆逐艦インパールを受領しました。インパールはヴィシャーカパトナム級ミサイル駆逐艦の3番艦、日本へ何度も親善訪問しているコルカタ級駆逐艦の改良型です。竣工式典は10月20日、MDLマザゴンドックシップビルダーズリミテッドにおいて建造、インド製の鋼材を用いた、そしてインドでも最大級の駆逐艦です。
インパールは満載排水量7400tで全長163m、4隻が建造される計画であるヴィシャーカパトナム級ミサイル駆逐艦の3番艦で、建造費は4隻で3000億ルピー、1隻あたりはドル換算で10億ドルに達します。その最大の特色は高度な艦隊防空能力など従来艦の能力に加えてインド製ブラモス超音速ミサイルを搭載、艦対地攻撃能力を有する点です。
■レールガン概要
長期にわたり研究している故の成果が出てきています。
海上自衛隊将来護衛艦へ搭載するレールガン概要を防衛装備庁が発表しました。防衛技術シンポジウム2023とともに既に海上試験などの実施が発表されているレールガン、元々は昭和62年度研究より持続されているもので、当初はエリコン35mm高射機関砲を置き換える小口径アルミペレットをもちいる計画でしたが、内容的には大きく進んでいる。
将来護衛艦への搭載は艦砲とは別に、背負い式に搭載する方式を提示しており、これによれば従来の火薬式弾薬では実現し得ない高初速砲弾を投射することにより、敵艦艇の機関部やCIC戦闘指揮所などのバイタルパートを直接貫通するという、かつての戦艦の艦砲を再現するものとなり、また速度が速く小さな弾薬は事実上迎撃不可能になるもよう。
しらね型ヘリコプター搭載護衛艦くらま退役により艦砲を背負い式に搭載する護衛艦は姿を消していますが、レールガンは従来型艦砲との併用ではあるものの、その再来となります。一方、今回防衛装備庁が示したのはあくまでイメージ図であり、あさひ型護衛艦に続いて建造される艦隊護衛艦にレールガンを搭載するという確約ではないとのことでした。
■シャヒドバゲリ
こういうのからドローンを飛行させタンカーを攻撃しているがインド海軍がインド近海での行動を注視している。
イラン海軍の無人機母艦シャヒドバゲリが進水式を挙行しました。イラン海軍は2022年1月に無人機母艦マクラーンを建造、民生用タンカーの上甲板に鉄板を張って飛行甲板とした近年では珍しいタンカー改造の特設空母となっていましたが、イランではこれを中東発の航空母艦として喧伝し、タンカー部分を含めれば満載排水量は10万tとなっている。
シャヒドバゲリもマクラーンと同じ航空母艦として運用することとなりますが、注目すべき点はマクラーンが通常の飛行甲板を有していたのに対して、シャヒドバゲリはスキージャンプ台構造の艦首部分と着艦用のアングルドデッキ構造を採用し、固定翼無人機の運用能力を重視している点です。イラン製無人機はウクライナ攻撃でロシア軍が重宝している。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)