◆中田商店品取扱店今井商店 閉店
戦車も扱う東京上野はアメ横の中田商店。その中田商店系の品物は東京以外でも、名古屋、札幌、福岡で取り扱われている。この中で名古屋の今井商店が先頃、残念ながら倒産し閉店した。
この今井商店倒産に伴う財産処分が先週金曜日から行われ、土曜日、日曜日と行われ、聞くところでは今週も行われていたとのこと。倒産財産処分の情報は、一部のWebと店頭広告で報じられていたので、当方も名古屋で最も品揃えがいいとされる軍装店の一つ、その最後へ、足を運んでみた。
名古屋大須、その大須観音から少し進んだところ万松寺商店街に、今井商店はある、いや、あった、と今日では表現するべきだろうか。不況知らず、といわれた大須であるが、やはり名古屋にもその影響はひしひしとつたわったのだろうか。老舗の今井商店が倒産、といわれると、ううむ、と思ってしまう次第。
大須商店街の今井商店は、二階建、決して大きな店舗ではないものの、品揃えは充実していた。ミリタリーショップにはエアソフトガンを主に扱うガンショップと、各国の装備や迷彩服、軍服などを扱う軍装品店とにわけられる。エアガンショップでは、一般的な迷彩服などは揃っているものの、少し踏み込んだ装備などは扱っていないところが多い。
今回、倒産処分ということで、思い出の多い店内だから、ということで聞いてみると、あっさり撮影の許可が下りたので、今井商店の店内の写真を掲載したい。国内メーカーが生産した迷彩服ではなく、軍需品として調達された本物の迷彩服が並んでいる。新品のようなぱっちりとした印象はないが、本物の雰囲気がいい。
制服、フライトジャケットに鉄帽から水筒、ボディーアーマーに水筒、弾帯、サスペンダーから各種ケース、コンパス、銃剣(刃無)、救急セット、アンテナ、パッチに砲弾(訓練弾)、NATO弾薬莢、弾薬箱にホルスター、細かいものではヘルメットバンドや耳栓、M-16A2のマニュアルまで、揃っているものを列挙すると日が暮れてしまうほどだ(この記事書いてる時は既に夜だが)。
M-47ドラゴン対戦車ミサイル。このほか、M-72対戦車ロケットまで置かれている。他に105㍉砲弾、40㍉機関砲弾、そして薬莢は、航空機用だろうか20㍉から40㍉擲弾に12.7㍉重機関銃、7.62㍉機銃弾に5.56㍉小銃弾、45口径拳銃、9㍉、果ては散弾銃のショットシェルまで一通り揃っている。
倒産処分、ということで、店員さんはいつもの二階の笑顔の方と、一階を取り仕切ってた社長のオバちゃんではなく、神戸から来た財産処分を専門に行うメーカーの方が行っていた。ショットシェルって、どんなかたちのですかね・・・、とちょっと頼りない方だったのだけれども、値引きなどもしてくれた。
パッチは、天井に展示に近い形にて、参考品、非売品、とされていた貴重なパッチも売り出されていた。このほか、神戸で閉店になったカバン店の品物も並んでいて、軍装とは異なる品物の陳列にやや拍子抜けしたものの、店内の展示品に近い商品も全て売られていた。パッチのなかには、いまでは貴重なものも散見。
三割引、ということであったが、当日は相当な混雑が予想されますので、入店制限をさせていただくことも、という張り紙とは対照的に、入店はそこまで多い印象では無かった。今井商店ときくと、それこそ、浜松や岐阜、金沢や福井に奈良や京都からたまに行くことはあっても、近所から大勢、押し掛ける、というような需要のものを扱っている訳ではない。
今回の倒産処分で売れ残ったものは、別の倒産処分店で販売するか、ネットオークションなどで捌かれる、とのことだが、ううむ、こういうものは、充分な商品知識が無ければ、知らずに注文と違うものを扱う事があるし、中田商店系の商品を取り扱う今井商店の鑑定で値札と商品説明があるので、買われるのであるように思う。
いわゆるファッション用にメーサイ服を扱っている訳ではなく、何故この迷彩服がこの値段か聞けば答えが返ってくるから、あの値段で売られていた訳。だから、それをちょっと、普通にネットで売っても、買い叩かれるか、普通に見たら60年代や70年代の汚れた古着、値段はどうなのかな、とも。
久しぶりに大須きたら、あいとったで、入ってみたんや、という、常連の方も、今の店員さんと話をしてみて、このまま、お宅がずっと開けて営業するわけにはいかんの?と聞いてみたが、やはり難しいらしい。それにしても、意外に商品は売れてないようで、店内の在庫は、そこまで減って無かったようにも。
倒産処分ということで、ちょっと思い出の品を幾つか購入した。M-47ドラゴン対戦車ミサイルにも惹かれるものがあったけど、これ持って電車で帰るの?と友人に聞かれ、どうみてもミサイル然としたモノを、確かに長距離持って帰るのは、・・・、ということで、断念した次第。だってこれ、M-60軽機よりも大きいんだし。
そんな中で友人が購入したのはこれ。一瞬何か分からなかったのだけれども、なるほど、ピトー管だ。航空祭では、ここまで間近に観る機会は無いのだけれども、友人は職業柄一発で気づいた。ちなみに、応急の店員さんは、ピトー管が何か知らなかったみたいだけど。こんなものも売られてた今井商店、倒産は、やっぱり残念だ。
HARUNA
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倒産だったんですね・・・
残念でたまりません。
ユーテクが失敗したのが
大きいですよね・・・
本当に貴重な財産を
名古屋市民は失ったように思います。
本物だけが持つオーラってのも有りますし
あ~あ、もう遠征しないと
買えないなんて痛いです。
中古品ですから通販では
ちょっと買いにくいですから。
オンリーワンの店だったのに(/ _ ; )
ユーテク閉鎖にともない移転と聞いて大須にも通いました。
他店ですがサングラスとか売ってたお婆ちゃんとも、大須に移転するよって事で、商店街の中のどこかで再会しました。
感化されたわけではないですがその後、迷彩服着るお役所に就職。
休暇の時に駐屯地から同期と一緒に行ったりもしました。
知らない間に思い出の場所が無くなってたんですね…
いつか、行こうと思っていたのに…
時代ですね。
先日、帰省して大須へ行ってみたのですが、今井商店の看板が無く…。
場所を間違えたのかと思いましたが、そうでしたか
。2年前に。
残念です。
ここのほかにも、大須の店様が結構変わっていて驚きました。
名古屋は、地価の高騰に併せて、地下街を筆頭に様々な賃料が高騰している、と昨年か一昨年、ニュース番組で知りましたが、その関係でしょうか。
売れ筋云々に拘らないで、品揃えを本当に重視していた、そんなお店でしたからね。
家賃20年から 据え置きが 2年ぐらい前に
上昇したり 大須の発展でつらくなったそうです