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【京都発幕間旅情】彦根の美味は近江牛,緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の狭間での外食

2021-04-11 18:24:28 | グルメ
■滋賀彦根で近江牛を愉しむ
 モノを食べるときはね、なんというか救われてなくてはならないんだ、一人で静かで豊かで。そうすれば感染は拡大しない。こう井之頭五郎さんみたいな言葉を。

 先日いや先月、江田島で久々に焼き牡蠣を頂きまして、くらま撮影の際に探訪した牡蠣のお店の近くで、浜焼愉しむは当方一人、続いてもう一組だけ焼いているという状況でした。なるほど、此処で気づかされたのは会食は感染原因となるが、外食と会食は違うという。

 自衛隊関連行事にて遠出した際に、ふと気づいた目立たないお店に入ってみて味の探索を愉しむ、そんな日常を送っていました身には2020年以降のコロナ時代は少々厳しいものがありまして、しかし会食は別として外食は感染対策と両立できる事に気付かされました。

 彦根、ここは舞鶴基地から美しい車窓を愉しむ舞鶴線を経て、敦賀から東海道本線に乗り換えて暫くの立地にありますし、岐阜基地や守山駐屯地はじめ東海地方の自衛隊行事と京阪神を結ぶ中間点にあります、美しい城下町です。ここに古い街並みが再現されています。

 近江牛が本日の主役です。この近江牛というのは蒲生氏郷はじめに齲蝕文化を日本に伝来させましたキリシタン大名が安土桃山時代に育てた肉牛といい、バテレン追放令の後にも近江牛は残り、なんと幕末の井伊直弼の時代でも彦根藩の特産品として位置付けられた。

 キャッスルロード、彦根城下町に江戸時代の街並みをテーマパークのように再現しましたそのキャッスルロードの一角にあります、せんなり亭、というお店が今回の舞台です。彦根城の掘割まで指呼の距離にありまして、しかし寺社仏閣も並ぶ歴史的な一角でもある。 

 ハム三種類の前菜、食事とは愉しみのひとときであるべきなのですが、相応の料理には馥郁たる調理が必要、しかしそんな調理の合間、仕上がりを待つ時間にも愉しみというものを添えてくれるのが前菜です。マスタードや野菜や、ハムの相方を口に含み吟じてゆく。

 ポタージュスープが前菜と若干間を置き。スープと共に愉しむのは調理、このお店は技巧技術誇るシェフさんにより目の前で鉄板にて焼き供される、鉄板で目の前で焼き上げられる逸品たち、食材が料理に仕上がる道程を、ライブのように眺める事ができるのですね。

 彦根なので赤蒟蒻、ご当地の特産です。赤蒟蒻とウィンナーソーセージと焼き野菜と焼き味噌、この合間に迫力の一時が、それはフランゼ、料理酒に着火させて焔で明るく焼き上げる瞬間で、今となってはその迫力、富士総合火力演習や饗庭野戦車射撃を思い出すほど。

 近江牛。実際のところ美味しい高級牛は、自分で焼き上げるよりも料理人に任せた方が良い、こういうのもその牛肉の長所を最大限引き出すヒミツの調理法を経験と伝承により会得した方が造るのですから、何も考えずガス火のフライパンでオリーブ油に任せるよりも。

 歴史と伝統の近江牛、松阪牛や神戸牛は江戸時代後期、対して近江牛は安土桃山時代後期から続くものですが、こう噛みしめる前に解けてゆく旨みと満足感は格別なものがありまして、限られた量ではあるが、こう塩と胡椒で、特製つけだれで、満足と共に頂いてゆく。

 ご飯は出汁と共に少し間を空けて供されまして、出汁茶漬けは牛肉風味、どの間合いでご飯か近江牛かを考えつつ。箸はこの点で縦横無尽の自由度がありまして、がつがつ頂く牛肉とは別の、満足感を得る為の頂き型がある。コロナさえなければここでワインだけれど。

 ワインや清酒は今度、としましてデザートとなりました。コロナ時代、外食は感染拡大の懸念が指摘されるものの、それは外食と会食を混同しているのではないか、と思う。歓談は自動車の中で、食事は食事で静かに、会食ではなく外食を愉しむ、これが重要でしょう。

 コロナ時代、2020年一杯は頑張っていたものの遂に、というところが徐々に街角に目立ち、そして幾度か杯を重ねたお店が閉店という話題を悲報のようにお知らせいただく事も増えてまいりました、ご近所の馴染みのお店は大半が無事なのですが、それでも見通しは、と。

 外食が悪いのではない、外食だけではCIVID-19新型コロナウィルスは感染するものではなく、要するに会食がこの時節には合わない、という印象がありますが、此処が混同されているように思うのですね。外食は自宅以外で食事するということ、会食は会合であるもの。

 日本人の理性にも限界があるのか、今回思うのは外食と会食を混同して、今でのアルコールで、自分では万全の感染対策をしているつもりで、大声にて気勢を上げている方がいる、そして客と店の関係もあり、政府が静かな会食を呼び掛けても徹底できない現状が、ある。

 会食は食事ではなく会合に食事が加わったものですので、例えば此処にアルコールが入りますと声も大きくなりますし、これが二人三人の会食ではなく多めの人数、四人五人となれば声を届けたくなる分声量は大きく呼気も大きく、当たり前だがその飛ぶ飛沫も大きく。

 理性で抑えられないものか、いや、感染拡大がかなり抑えられていますが、破局点のような状況、北米や欧州や南米のような状況まで拡大しますと、その結果まで含めて受け入れる為に今気勢を上げるのかな、と考えてしまいます、結果は還ってくるものですからね。

 外食店は、基本的に換気は為されています。もちろん換気と云っても地下にある店舗には換気装置には限界がありますし、雑居ビルの一室やショッピングモールの一角となれば別でもある、人口密度を抑えるとか、個室重視にする等工夫は要りますが、個人店は多少は。

 会食を自粛し、正直にアルコールを嗜むときは静かな店で一人で、ただ、第四波と警告される現在ほどの状況となりますと、アルコールは最早当面は自宅で晩酌しかないようにも仕方ないのですが、会食ではなく外食だけなららば、また違うようにも思うのですよね。

 二度の緊急事態宣言、発動されたまん延防止等重点措置、しかし、外食文化は会食でなければ、もちろん時間の制限は自粛要請というものが示されてはいましたが、多少の不便を全体が我慢した事で緊急事態宣言よりも重い措置、非常事態宣言へは至りませんでした。

 緊急事態宣言の要請主体の自粛感染対策がもし国民に受け入れられず感染拡大が続く状況であれば、感染対策は国民主役の要請から国主導の強制措置に進んでいた筈で、ここは乗り切りました。ここの措置と並行し、会食ではなく外食を感染対策と両立し、愉しみたい。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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