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ロシア5月9日対独戦勝記念日-プーチン大統領発言に宣戦布告や勝利宣言内容無し,マーチばかりが勇ましく

2022-05-10 07:00:32 | 国際・政治
■臨時情報-モスクワ情勢
 マーチばかりが勇ましくロシアでは例年の対独戦勝記念日全国軍事パレードが挙行されています。

 ロシアは5月9日の対独戦勝記念日に全国で軍事パレードを実施しました。ロシアでは5月9日と9月2日の対ファシスト戦勝記念日がロシア軍のパレード実施日となっていますが、モスクワでのパレードは例年に近い規模で行われた一方、地方都市での開催は三分の二では中止となり、実施した地方都市でも数百名の参加に留まる等の状況となっています。

 ロシア軍の損失はウクライナ側の主張では戦死者25500名と戦車喪失635両及び航空機全損121機という。一方ウクライナ軍損耗もロシア軍首長では戦死者23367名と戦車154両及び航空機46機となっています。双方ともその真偽は不明ですが、ロシア軍は戦闘において各戦線で苦戦を強いられており、戦果と云うべきものが無い状況が続いているのですね。

 プーチン大統領は5月9日の対独戦勝記念日モスクワ軍事パレードにおいて演説を行いました。当初可能性が示唆された、“ウクライナに対する勝利宣言”は無く、“ウクライナへの宣戦布告を正式に行い特別軍事作戦からの動員”などもありません、この為に“国家総動員”も発令されず“作戦終了”の発言も無い、あいまいな発言が並んだだけといえる。

 プーチン大統領の演説は11分間、ウクライナ侵攻を“ドンバスの戦い”と表現したものの、ウクライナと云う国名は用いず、ナチス復活を防止する為の戦いであり、またプーチン大統領の発言としては、キエフが核武装を使用としているとの発言を行い、キエフのウクライナ政府に対するロシア軍の攻撃を正当化させようとした発言であるとも受け止められる。

 演説ではナチスとの戦いという、対独戦勝記念日の発言は現在のウクライナ侵攻を意識した戦争の正当化に受け留められる表現が多く、また、NATOやアメリカへの批判をその都度付け加えており、NATOに対しては昨年に平等な条約を求めたものの拒否されたという、条約交渉があったかのような発言、アメリカに対する批判も含まれた内容となっています。

 プーチン大統領対独戦勝記念日演説において印象的であるのは、ウクライナ侵攻を“ドンバスの戦い”と発言しており、キエフへの侵攻やハリコフ攻撃などを表現するものではありませんでした。見方は二通りできるのですが、一つは“ドンバスの戦い”と表現した以上はロシアはウクライナ東部のドンバス地域以外に戦線を拡大させないとも解釈できる。

 ドンバスの戦い、もう一つの解釈は当初のウクライナ占領の意図はないとしていますが、ドンバスをロシアが割譲するまで継続すると共に、今回のロシア軍侵攻が現実を無視してナチスとの戦いであると位置づけている為、やはり間接的とはいえナチスと名指しで批判するウクライナの現在の政治体制や選挙システムを破壊するまで続くとの解釈もできます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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