北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

岩国日米友好祭道中記 国鉄型車両の楽園 岩国駅

2008-05-11 22:36:14 | コラム

■岩国日米フレンドシップデイ道中記

 五月五日に展開したアメリカ海兵隊岩国航空基地日米フレンドシップデイ。岩国への展開に乗車した列車を降りてから、広がる冷涼な朝の空気、共に視界に飛び込んできたのは驚きの光景であった。

Img_98031  103系、113系、そして広がる車両すべてが日本国有鉄道時代の車両たちである。写真の103系は国鉄時代の通勤車として大量導入されたものであるが、東京の中央快速線より現役を退きつつある201系よりも一世代前の車両である。大阪環状線や奈良線でも多数現役であるが、岩国駅を見渡すと、京都や大阪とは違い、この103系のみしか通勤車は見当たらなかった。

Img_9797  小生が利用してきた寝台特急『富士』。夜の主役、ブルートレインでも、数少なくなった(というより、この編成が唯一)九州ブルートレインの一員で、系譜をたどれば戦前に行き着く由緒正しい国鉄の系譜、いや省線時代の系譜というべきか。京都駅や大阪駅では一際目立つこのブルートレインも、国鉄車両に取り囲まれると違和感が無いのが不思議。

Img_9818  向こう側のホームを発車する113系と、良く似ている手前の車両はキハ43系気動車。70年代後半から80年代初頭にかけて導入された車両で、電化が進まない地域ではまだまだ現役の車両である。

 近郊型の113系、通勤型の103系、それにキハ43系。国鉄ファンには堪らない一枚が、このいわくにでは日常風景なのだろうか。

Img_0116  岩国駅。聞くところでは、毎年、この岩国駅は日米フレンドシップデイでは入場制限が行われるほど観客が集中するというが、今年は雨天の予報もあってか入場者が少なくなった分、岩国駅の混雑も少なめであった(時間も時間だったけど、駐屯地祭後の伊丹駅くらい?)。

Img_0119  帰路、岩国駅から広島駅に向かう113系。車内を221系電車と同程度にクロスシート化した、いわゆる近代化改修を行った車両である。原型の113系は向かい合わせ式の4人用ボックスシートであったが、この車両では転換式クロスシートが設置されている。背もたれに角度がつけられている転換式クロスシートは、疲れた身には有難い(混んでてあんまり座れなかったけど)。

Img_0128  広島駅に到着しても、ホームでは新大阪行きの100系新幹線が発車を待っているなど、国鉄の雰囲気は満喫できたが、やはりどこからか、JRの近代的な車両のモーター音も耳に届いてくる。他方で、これだけの勢力を有する国鉄車両群は、早々に221系や321系に置き換えられるとも考えにくく、当分は、国鉄車両群の楽園として旅行者や通勤客を支えていってくれるのではないだろうか。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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いよいよ栄光に幕! 新幹線0系 新大阪駅撮影紀行

2008-05-10 19:16:15 | コラム

■カウントダウン0系新幹線

 今年11月には全廃される見込みの、元祖新幹線というべき0系新幹線。本当は、岩国基地フレンドシップデイの際に撮影するつもりだったのだが、出来なかったので改めて本日、新大阪駅に展開した。

Img_2982  新大阪駅に到着したN700系新幹線。京都駅から新大阪駅まで新幹線で、というのも一瞬考えたのだが(車内から大阪第1車両所を撮影できるっていう利点は一応ある)、それにしては特急料金が痛い。まあ、乗車券と新幹線特急券を併せて買ってしまえば、入場券と違って長時間居座ることもできるのだが、0930時に大阪駅に行く用事があったので、新大阪駅まで在来線で移動して入場券でホームに展開した。

Img_2993  一日あたりの本数が激減した0系新幹線。福山駅始発の『こだま620号』である。週末ということで数人の“同業者”がホームからカメラを構える。0747時、新大阪着。これを逃すと2321時まで、新大阪駅へは0系は来ない。あいにくの雨天ということで、純白の美しい0系の車体も灰色にみえる。

Img_9792  と、思いきや、山陽新幹線塗装の0系新幹線でした。登場当時の白地に青の直線が描かれた車両をイメージしていたのだが、来たのはこの山陽新幹線塗装。

 これはこれで、来月頃には全て旧塗装に戻されるので、貴重といえばかなり貴重だ。到着した0系は『こだま639号』として、停車は十分そこそこで博多に向かって出発してゆく。

Img_3008  時刻表をみると、新大阪を発射する0系は、“0612時発 こだま629号 博多行き”、今回撮影した“0759時発 こだま639号 博多行き”の二本のみ。博多を1842時に出る“こだま674号 新大阪行き”が2321時に新大阪駅に到着するが、これを撮影する場合は帰路を充分確保しておかねば一泊、ということにもなりかねない。

Img_9805  聞くところでは、0系新幹線乗車ツアーなるものも旅行代理店などで企画されているということなので、新大阪乗車でなくとも、広島~岡山間の0系の列車(『こだま659号(岡山1451~博多)』『こだま769号(小倉1836~博多)』『こだま638号(博多0929~岡山)』『こだま724号(博多1912~広島)』『こだま682号(広島2315~福山)』)の0系に乗車するという手もある(一応時刻表で確認推奨)。

Img_3025  新大阪駅まで乗る方法として、東京からの展開だと、少し厳しいかもしれないが、裏技はある。1842時に博多駅を発車して2321時に新大阪駅に到着する。かなり長時間0系を堪能できるが、この列車だと、新幹線の最終が出てしまっている。そこで、2337時に新大阪を大阪へ各停で移動、0034時の『サンライズ瀬戸・出雲』に乗車すれば翌朝0708時に東京だ。B個室を使ってもいいが、簡易寝台を使えば、新幹線よりも安くなる。0系新幹線と夜行列車を同時に堪能できる訳だ。

Img_3017  0系新幹線は短縮編成となってしまったが、その分、座席を指定席・自由席ともにグリーン車のものとしており、長時間の乗車にも疲れない。

 ただ、長大な列車編成と車販基地、ビュッフェなどを盛り込んだかつて東海道新幹線を制覇した夢の超特急を思い浮かべると、追越線のある駅ごとに、のぞみ号、ひかりレールスター、ひかり号に追い越されることになる。

Img_9812  ところで、改めて新大阪駅に行って見ると、東京行きの『のぞみ』号は、朝の時間帯はほとんど10分間隔という、阪急特急なみの運行頻度で走っているのに対して、こだま号は非常に僅かな本数しかなかった。東京行きの『こだま』は、0850・0950・1050・1150・1250・1350発と電光表示にあった。これは地方の特急並で、便利とは言い難いのでは、と。

Img_3045  そうこう考えているうちに、0系は博多駅に向けて出発していった。のぞみ号をまつ乗客が、あんな古い車両がまだ現役なのか、と視線を投げかける。当初、高速大量輸送手段として出発した新幹線は、100系グランドひかり編成を頂点として設備を充実させていったが、N700系の投入は、最初の0系に戻ったような印象もあるのだが、後継の大量投入により押し出された500系が、今後この0系に代わり、こだま号として山陽路を活躍することとなろう。

HARUNA

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ミャンマーサイクロン被害 軍事政権は外国救助組織入国を拒否

2008-05-09 21:53:53 | 国際・政治

■犠牲者は日ごとに増加

 スマトラ沖地震に伴うインド洋大津波の際にも速報が大きく遅れた日本のマスメディア、これは社会部偏重、国際部軽視の風潮から来るものだが、今回もそうか。

Img_9566  当初犠牲者一万人といわれていたミャンマーのサイクロン被害は、一週間を経て犠牲者は増加、国連によれば100万が被災、復興はもちろん、ミャンマー国軍の災害対応も杜撰であり、死者は50万に達すると報じる通信社もでている。BS-1の各国ニュースをみると、BBC,F2,CNNと連日トップニュースで報じている。インド洋大津波の翌朝、日本では山陽新幹線のガラスにヒビがはいったことを報じ、津波の第一報が遅れたが、今回も同じ様子。

Img_9313  BBCによればすでにミャンマー近海にはアメリカ海軍とフランス海軍の艦艇が人道支援のために展開、遊弋しており、タイには海兵隊及び空軍のC-130輸送機が集結しているが、ミャンマー政府は外国軍隊及びNGOの入国を拒否し、物資と資金のみ受け入れる構え。政府は余裕の構えであるが、イワラジ川穀倉地帯が冠水、有効な対応は行われていない。

Img_1191  人道上の大きな問題があるにも拘らず、自国上空は一切の欧米人の進入を許さないとするミャンマー側の態度には、さすがにアメリカも不快感を隠さず、ベーツ国防長官は同意が無くとも、救助物資を輸送機から投下する、という構えを見せている。一応、日本はミャンマーの最大の援助国であり、現在の軍事政権を育てたのは旧陸軍である関係から友好関係を維持していることだし、自衛隊派遣を含め検討してはいいのでは、と思うのだが、なにぶん、世論がそこまで動いておらず、そこに提示するべき情報を国際部の規模に限界があることから国内のマスコミが充分機能していないことで、このまま報道と世論喚起に基づく人道支援、後手にまわりそうな予感も。

HARUNA

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海上自衛隊舞鶴基地07.07.27 展示訓練前夜

2008-05-08 14:23:46 | 海上自衛隊 催事

■詳報 舞鶴展示訓練07

 日本海の防衛警備及び災害派遣を一手に担う海上自衛隊舞鶴地方隊。2007年7月28日、29日と連続で舞鶴地方隊による展示訓練が地方総監部の置かれた舞鶴にて行われた。

Img_5663_1  二日間にわたり、舞鶴展示訓練を艦上から撮影した小生であるが、本日の掲載では、前日に撮影した舞鶴基地の情景を紹介したい。

 最新鋭イージス艦『あたご』が配備され、イージス艦二隻体制、そして大型の補給艦『ましゅう』が配備された舞鶴基地は、京都府の日本海側にある重要な海港都市としても知られている。当日始発でも早朝に京都市内から舞鶴到着は難しいので、前日に二条駅から小生はタンゴディスカバリー号にて東舞鶴駅に展開した。

Img_5585  嵯峨野山陰線、舞鶴線は列車本数が非常に少なく、特急と普通電車が毎時一本、舞鶴線ではどちらか一本ということも珍しくない。普通電車はラッシュ時に限り福知山行き快速が運行しているため、綾部での一度の乗り換えで行くことができるが、日中は、亀岡駅、園部駅、綾部駅で普通電車を乗り継ぐか、特急利用、ということになる。キロ数の関係で、京都駅からよりも二条駅から乗車した方が特急料金がかなり違ってくるのがポイント。

Img_5587  東舞鶴駅に到着すると、まず駅前のホテルに向かう。城下町として発達した西舞鶴駅は駅前に繁華街が広がるが、東舞鶴は駅前通りはあるものの、営業している店舗は疎ら。ホテルにチェックインすると、レンタルサイクルを利用して舞鶴基地を一望できる前島桟橋に直行した。まいづる号よりも新しいタンゴディスカバリー号を選んだので舞鶴到着は写真の通り夕暮れに近い時間帯になってしまった。

Img_5627  イージス艦『あたご』を望見する。最新艦ということで慣熟訓練中の『あたご』は舞鶴展示訓練には参加しなかったものの、沖留めされており、日本海に向かう参加艦艇の艦上から、その最新鋭の艦容を細部まで見ることが出来た。ヘリ格納庫とステルスマストが、『こんごう』型と最大の相違点であるが、よくよくみてみると細かい場所で幾つもの相違点がみてとれた。

Img_5634  明日の展示訓練に備えて待機する艦艇。

 あとで気付いたのだが、この日は前日ということで予行を行っていたはずであり、もっと早い時間帯、例えば1400時頃に舞鶴に展開していれば、前島埠頭から入港と接岸作業を見学することが出来たのだなあ、と。もっとも、その場合、当日は快晴で、前島埠頭から自販機までは距離があるため過酷な撮影になったやもしれないが。

Img_5647  舞鶴基地北吸桟橋に停泊する艦艇。

 さてさて、一通り撮影するといよいよ傾いた夕陽が水面に写り、幻想的な情景を醸し出してくる。そうすると、先ほど撮った『あたご』の写真を夕陽の逆光に載せて撮る、冒頭に掲載したような写真を撮りたくなる。というか、そういう情景をイメージすると、どうしても試したくなる次第。

Img_5654  そこで、ひとつサイクリングということに。徒歩であればかなり距離があり、しかもバスの利便性が良くない地域であるが自転車があるならば話は別だ。舞鶴教育隊のある方向に向かって進んでゆく。撮影器材が重いので移動速度は速くないものの、なるほど、イメージする姿に合致する情景に徐々に近付いてゆく。

Img_5668  夕陽とイージス艦は、かくして日本海に出逢った。そういう印象の写真。

 舞鶴という、風光明媚な絵葉書の如く美しい情景を印象付けされるその地名、そこに合致した一枚を撮り終えて、時計を見れば、まもなく1830時。明日も早いことであるし、なにぶん、夕食のことも気になる時間帯。転進しホテルに向かった。

HARUNA

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アメリカ海兵隊岩国航空基地フレンドシップデイ08 注目の地上展示

2008-05-07 22:26:23 | 在日米軍

■岩国航空祭で個人的に注目した機体

 本日は、昨日に続いて岩国航空基地日米フレンドシップデイに関連する記事。個人的に、おや、と思った機体を掲載。

Img_0059  いちばんの注目は、やはりこのMCH-101掃海輸送ヘリコプター。地上展示を撮影したのは初めて。こいつは岐阜の川重で試験飛行中からの馴染みだが、距離は遠かった。パイロットの話では、ハイテク化された機体で、コンピュータを監理するのがパイロットの任務、という印象のようだ。米軍の新型S-70系統の掃海ヘリに対応するかたちでの導入となったが、なにぶんMH-53Dよりも小型の機体ということで、掃海機具は開発中とのこと。

Img_0030  UP-3D電子戦訓練支援機。数あるP-3C派生型の中で、EP-3やOP-3,UP-3Cは撮影の機会に恵まれたが、この機体だけは高高度をゆく不鮮明な写真しか撮ることができなかった。航空自衛隊のEC-1と同等の機体で、岩国基地に配備されている。

Img_9906  訓練支援機U-36A、これも初めて撮った機体。縁が無かったがようやく。4機が岩国の第91航空隊で運用されており、任務は艦船の対空射撃と電子戦訓練支援。最高速度マッハ0.78で海上自衛隊最高速にして唯一のジェット機(XP-1もジェットだが、まだ海上自衛隊には引き渡されていない)。導入は1987年からなので、そろそろ後継機の話が出てきそうだ。練習機T-5とも縁が無いが(昨年、大阪湾展示訓練に参加予定だったのだけど、前日の悪天候で中止)、これは生産再開の話もあるようだし気長に機会を待ちたい。

Img_0004  これは珍しい、MC-130HコンバットタロンⅡ.特殊作戦支援に用いる輸送機で、C-130H輸送機に遠距離地形追随・高精度分解地上マッピング用レーダーAPQ-170や機首にAAQ-15赤外線探知システムを搭載、ALR-69レーダー警報装置、ALQ-172探知妨害装置、WJ-1840信号探知装置、AAR-44地対空ミサイル発射警報装置、QRC-8402赤外線妨害装置、チャフフレア発射装置、デュアル型夜間空中給油システムなどを搭載したハイテク機である。

Img_9888  海上自衛隊のMH-53E掃海ヘリコプター。西側最大の大型輸送ヘリコプターを基にした掃海ヘリコプターで、これも観艦式や舞鶴展示訓練の際に望遠レンズで遠距離のところを撮影したことはあるが、地上展示を間近にみるのは初めて。操縦性もよく、パワーもある機体とのこと。どことなくHSS-2に似ている面持ちはシコルスキーの系統でしょうか、とパイロットと雑談。

Img_9999  KC-135空中給油機。これは横田でも見ることが出来たのだが、よくよくみてみると、ボーイング707を母体とした機体であるが、機首の印象がB-52を思わせるような印象。むろん、まったく別の機体なのだが、雰囲気が似ている、という感じだ。MC-130H,KC-135ともに機内一般公開には長蛇の列が出来ていた。

HARUNA

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U.S.MARINE CORPS AIR STATION IWAKUNI FRIENDSHIP DAY 2008

2008-05-06 22:10:30 | 在日米軍

■アメリカ海兵隊岩国航空基地フレンドシップデイ08

 岩国日米友好祭の記事を本日は掲載したい。山口県岩国市に所在する岩国航空基地は、厚木航空基地から空母航空団の移転が予定されている、日本で最も注目される米軍施設のひとつである。

Img_2730  岩国航空基地祭、2008年の主役はF/A-18Cである。海兵隊のF/A-18Cは近接航空支援や要撃戦を展開する航空機で、独自の航空戦力を有する海兵隊の極めて高い独立性を確保させた航空機。当日は、全国的な雨天の中、降雨が避けられたという奇跡的な天候回復となったが、昨年27万人を数えた入場者は、天候とブルーインパルス不参加などもあり、7万人程度であったとのこと。小生初展開の岩国へは、岩国駅が入場制限されるなど聞き身構えたが、まったりムード。

Img_9868  岩国航空基地祭、日米フレンドシップデイでは、広大な基地を利用して各種航空機の地上展示が行われた。岩国航空基地は海上自衛隊基地でもあり、第31航空群を置く海上自衛隊機では、岩国航空基地に配備されているMCH-101,US-1A,U-36,MH-53,UP-3C、航空自衛隊からもF-4EJ改やF-2、T-7、C-1、陸上自衛隊からもAH-1S,UH-1J,OH-6Dが参加した。

Img_9953  最大勢力は、主催の米軍機でCH-53DやF/A-18Cなどの岩国配備機、横田や烏山、普天間、アンダーセン、嘉手納からC-130H,MC-130,A-10,KC-135,C-12,F-15などが参加した。岩国基地の第1海兵航空団隷下にある第12海兵航空群には、海兵戦闘攻撃航空隊のF/A-18C二個飛行隊24機、海兵攻撃航空隊のAV-8B攻撃機20機、海兵電子戦航空隊のEA-6B(第2海兵電子戦航空隊岩国分遣隊隷下の機体)が置かれている。

Img_1769  岩国航空基地へは2001年にCH-53D輸送ヘリコプター8機が配備されており、航空基地祭では地上展示に参加した。第12海兵航空群は、作戦指揮系統では第7艦隊隷下にあるのだが(行政上は太平洋海兵隊隷下)、訓練の関係か、AV-8B、いわゆるハリアーⅡとEA-6は参加しなかった。

Img_9988  地上展示地区と、エプロン地区にわけられた会場。地上展示にはなんど電子戦訓練支援機のUP-3Dが加わっていた。岩国航空基地第91航空隊に3機が配備されている機体なのだが、日本に3機という非常に稀有な機体なのに、写真でもわかるように皆さん何故かスルー。解説書もないのでそれほど機密の機体かと思いきや出し忘れ。

Img_1813  飛行展示は民間機の機動飛行より始まった。

 軽飛行機ということでの小回りを活かした展示飛行は、特に小生周囲ではお年寄りに大うけだった。軽量で小回りというと95式戦的なのだとか。飛行展示の合間にオートバイ軍団が登場したりと、民間の進出が顕著なフレンドシップデイ。

Img_1847  軽快な軽飛行機の展示が終了すると、真打、といわんばかりにF-4EJ改が登場。リモートとして九州から飛来した。写真は低速飛行の展示であるが、その直後、機動飛行に移る。F-4はヴェトナム戦争で活躍した機体だが、航空自衛隊では近代化改修を重ね現役に置いている。こういった潮流はドイツ軍など事例が多いのだが、米軍関係者には珍しいほど古い機体。

Img_1921  続いてF-2支援戦闘機が飛来。当日の見学者が岩国へ展開するに当たって終始不安材料となった悪天候は、大気の水分というかたちで見学者にヴェイパーの発生を誇示させるという恩恵をもたらした。ヴェイパーは機動飛行により大気が刺激され、生じる雲で、軍用機の躍動を伝える一枚を撮影者に提供してくれる。

Img_2031  岩国航空基地のUS-2が飛行展示。外洋での航空機事故に対する救難や海難事故に対応する機体だ。救難飛行艇ということで短距離離着陸能力が高いことで知られる本機も、滑走路の端から撮影していた小生の、それこそ滑走距離が僅かしか前に進んでいない目の前でふわりと浮揚したときには、その離陸性能に驚かされた。

Img_2069  続いて太平洋航空軍によるF-16の飛行展示。デモフライトにより同盟国にF-16を売り込むという副次的効果を期待した展示であるが、F-2を運用する日本の場合は純粋な飛行展示の機動飛行といえる。単機による機動飛行を撮影するには、やっぱり170~500㍉の超望遠があると便利かな、と感じた次第(撮影に用いたのは70~300㍉)。

Img_2263  任務に向かうUP-3D電子戦訓練支援機。妨害電波発生装置やチャフ散布装置を搭載し、電子戦環境を訓練に提供する機体。岩国基地には電子データ情報収集機EP-3や画像データ収集機OP-3Cなど、機密度の高い航空機が配備、運用されている。先ほど、地上展示に並べられていたUP-3Dとは別の機体で、注目を浴びつつ、ゆっくりと離陸していった。

Img_2355  F/A-18Cの離陸。F/Aという表記からもわかるように、航空戦闘と対地攻撃を両立した航空機である。F/A-18の一世代前にあたるA-7コルセアⅡ攻撃機は対地攻撃能力に加えて短距離AAMを搭載し限定的な航空戦闘に従事でき、F-4戦闘機は空対空ミサイルに加えて爆弾を搭載すれば限定的な対地攻撃に用いる事が出来た。

Img_2700  しかし、このF/A-18以前の機体は、中距離以上の空対空ミサイルを運用するレーダーを積んだF-4戦闘機には全天候で運用可能な精密爆撃航法装置を搭載することができず、A-7や海兵隊が以前運用していたA-4攻撃機には攻撃機としての装備に加えて戦闘機用のレーダーを搭載すると重量が増加し、近接航空支援に必要な低空低速での機動飛行能力を喪失してしまう。

Img_2697  対地攻撃を攻撃機が行う際には、地上へのレーダー照射の際に木々た地皺、建造物が生み出す乱反射から目標を見つけ出す機能が必要となるが、航空戦では可能な限り遠距離で目標を発見照射し捕捉する機能を有するレーダーが必要であり、この両者を兼ね備えたのがF/A-18から導入が開始されたAPG-65レーダーである。

Img_2735  こうして航空戦闘と対地攻撃能力を兼ね備えたマルチロールファイターとして誕生したのがこのF/A-18Cであり、当初は兵器搭載量がA-7よりも少ない、などいろいろといわれたが、多用途性能を有するという点は運用などを柔軟化させる利点も大きく、改良型のF/A-18Eが開発、いまや海軍航空の主役となり、任務についている。

Img_2435  F/A-18は1978年に初飛行を果たし、A~D型までの基本型だけでもアメリカ海軍と海兵隊に1230機が配備された。C型からは先進中距離空対空ミサイル(AMRAAM)やマーベリック対地/対艦ミサイルの運用能力を付与され、最大速度はマッハ1.8、兵器搭載量は7トン。

Img_2475  飛行展示を終えて続々と着陸に向かうF/A-18C。最後の一機はフックにより短距離着陸を展示した。

 個人的には垂直離着陸能力を有するAV-8Bによる展示飛行を期待したのだが、地上展示を含めて、岩国では見ることが出来なかったのは前述の通り。AV-8Bはその特性を活かし、他の航空機では出来ないような展示を行うことが出来る。

Img_2564  着陸し、タキシング中のF/A-18C。

 航空自衛隊にもF-2のような高性能指向ではなく、多少性能は劣っても数で各種任務を遂行できるようなF/A-18CやF-16Cのような機体を支援戦闘機として多数配備し、要撃機であるF-15Jを補完するような用途に、と思うのだが・・・。なお、中国地方や山陰地方では本機の低空飛行訓練が山間部などで恒常的に行われているとのこと。

Img_2592  民間機と自動車のレース。基地で行われたオートバイ愛好家が参加するローリングサンダーには、1000台以上のオートバイが参加、自動車愛好家が車両を競うフレンドシイップオート展示会では、各種自動車が並べられていた。ちなみに、この民間機はディープブルーズと呼ばれるチームの一員とのこと。

Img_2624  ハンググライダーで展示飛行を行うのはダン・ブキャナン氏、彼はオートバイレーサーとして山岳コースを専門としていたが事故により両足が麻痺、歩行も出来なくなったがそのごハンググライダーの展示としてエアショーに進出、世界中の航空祭で空への招待を観覧者に展示している。

Img_2711  負けてはいないのがF/A-18Cの飛行展示。米軍の関連行事は、荒っぽさや大胆さ、良い加減(端的に出てくるのは料理)が目立つが、教条主義に陥らないところが、その強さの背景なのかな、と思ったり。

 今回、低空飛行のフライパスでB-52が参加する予定であったが、広島市などの反対により実現しなかった。思うに、原爆が投下された広島と米軍の軍用機は永久に和解できないのだろうか。

Img_2831  ディープブルーによる飛行展示。ブルーインパルスが参加しない分、彼らの展示が際立っていた。使用する機体はロシアのスホーイ製で、Su-27に代表される戦闘機メーカーは、こういった航空機も開発していたのか、という印象。複数機による飛行展示は、編隊を入れ込む観点から70~300㍉のレンズは理想的な装備だ。

Img_2936  フレンドシップデイの最後を飾ったのはF-16による機動飛行である。入場者が昨年と比べ大幅に少なかったことから岩国駅での混雑も常識の範囲内で、バスの混雑も0700時台では、ほぼそのまま乗ることが出来た。天気も最後には晴れ間がのぞき、米軍のエアショーを満喫することが出来た一日だった。

HARUNA

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本日 アメリカ海兵隊岩国航空基地日米フレンドシップデイ

2008-05-05 21:07:41 | 在日米軍

■岩国に行ってきた

 本日は速報ということで、短めの記事。掲載は例によって新幹線からの更新。もうすぐ京都。帰宅したら休息をとりたい次第。

Img_9459_1  写真その他の整理が全く出来ていないので、既報記事の写真を流用して手短に報告。速報は後日に掲載したい。まず天候から。天候は、連休唯一の全国的雨天と報じられ、事実、当日早朝は岡山などで物凄い豪雨であったが、奇跡的に天候は回復。雲量の関係から飛行展示開始は30分順延されたものの、予定通り実施。午後からは晴れ間がのぞくなど、展開した方には幸い。

Img_9651  非荒天時は、F/A-18CやF-16Cなどの戦闘機と民間機の飛行が両立。B-52爆撃機は、爆撃機ということで岩国の所在する山口県に隣接する広島県の広島市から反対があり中止、AV-8Bによる飛行展示も無かったが、最新鋭のUS-2が飛行展示、更にUP-3Cもミッションフライトを行事時間帯に実施し、観覧者を驚かせた。

HARUNA

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KC-767空中給油輸送機 小牧基地にて飛実団の評価試験進む

2008-05-04 18:29:53 | 旅行記

■ここでまさかの小牧基地展開

 GWには、小牧に行って見るのも良いかもね!と推測憶測を交え掲載したのが昨日、というか昨夜である。一晩明けて早朝、友人が、それならどのくらい記事が正しいか確認に小牧に行こう!と。

Img_1651  本日、小牧基地にて翼を休める航空自衛隊のKC-767空中給油輸送機。撮影したのは、県営名古屋空港と小牧基地を一望できる神明公園の丘から。撮影時間は1140時で光線状態も非常に良い。

 見ての通り、エンジンにはカバーが被せられており、ほかに救難教育隊の飛行訓練なども行われていない、GW中の航空自衛隊基地という印象。

Img_1652  KC-767は待望の日本到着後、小牧基地に配備された。このKC-767であるが、新型機ということで、岐阜基地の飛行開発実験団より要員が派遣され、現在、評価試験を実施中である。その関係で、垂直尾翼には飛行開発実験団のマークが描かれている。

Img_9665  初号機が外に出されているので、もう一機、二号機は格納庫に収められているのだろう。

 KC-767用の格納庫は一機分のみで、写真でKC用格納庫とKC-767を対比するとよくわかるが、かなり大型の格納庫に収められている。機体と格納庫の間には整備車両が置かれており、民間空港におかれているようなタラップ車などが、航空自衛隊塗装で配置されている。

Img_1673  輸送航空隊のC-130H輸送機。

 水色のイラク派遣迷彩、そして緑色迷彩の国内仕様と、各3機の計6機が並んでいる。この他、C-130H用の格納庫は基地の奥にもあるようで(航空祭で見た)、格納庫に入りきらなかった機体が、こういった露天で駐機されている。平日であればタッチ&ゴーなどの訓練を盛んに行っている機体だ。

Img_1669  三菱重工小牧南工場の航空機群。F-15Jが3機(左端の機首部分だけ写っているのも多分F-15J)、更にハンガー内にも一機、入っているのが見えた。

 これだと電チラ(鉄道にも造詣が深いタモリさんが名づけた電車がチラリと物陰から見える状態)ならぬ戦チラ状態(戦闘機がチラリとみえる状態)だ。

Img_1697  こういった休日に飛行しているのは基本的に民間機。かつてここが県営ではなく名古屋空港と呼ばれた時代にはボーイング747などの大型旅客機が次々と飛び立ち、国際線も含め賑わっていたようだが、今日では閑散としている印象は拭えない。

Img_1740  小牧基地航空祭の当日であれば、反対側から名古屋名駅のツインタワーやテレビ塔を航空機とともに写し込むことも可能だが、神明公園から撮影するとこういった写真に。

 大型機とことなり、リアジェットや小型機は滑走路の中間部分ですぐに誘導路に入る。誘導路に入り、ターンした瞬間を、背景に工場や輸送機を入れて一枚撮ってみた。

Img_1660  小型機も着陸。

 機体が軽いのか、なかなか接地しなかったのはご愛嬌。

 県営名古屋空港ではヘリコプターも多く配置されているのだが、この日のヘリコプターのフライトは少なめ。ただ、時として稀有な機体が飛来するここ小牧では油断は禁物。

Img_1715  小牧城を背景に県営名古屋空港に着陸する小型機。

 気流の影響を受けやすい小型機は、わりと頻繁に進入方向を変えるので、天守閣と航空機、という写真になった。

 本日は天気もよく、航空館BOONに設置されている自販機は、珈琲以外、ほぼ売り切れ状態。

Img_1723  着陸した小型機がKC-767の隣を通過する。

 小牧基地を航空祭以外で休日に撮影したあのは、もしかしたら今回が最初かもしれない。もちろん、飛ぶ回数では休日と平日に比較できないほどの差があるのだが、のんびりとしており、オートキャンプ場も置かれている神明公園は家族連れで賑わっていた。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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まだ間に合う!? GW企画:小牧基地一望の神明公園からKC767見学!!

2008-05-03 23:14:31 | 旅行記

■KC767を観に小牧へ行こう!

 新幹線は指定席が、キャンセル分を除けばほぼ満席、新快速もすごく混雑で、高速道路も反対車線の渋滞を見つつ快走するか、空いている反対車線を見つつ渋滞に巻き込まれるか、という状況をTVにてご覧の方も多いのではないか。

Img_8908  そういった中で、Weblog北大路機関として提案するのが、あえて混雑を避けて小牧基地を一望できる神明公園から最新鋭のKC-767を観よう、という企画。栄の中心部から出る葵交通や、思い切って名鉄小牧線牛山駅からハイキングコースを開拓する、いっそ自動車で、様々な方策が思い浮かぶが、神明公園の丘の上に展開してみてはどうか、という提案。

Img_4541  小牧基地。GW中は定時訓練を行わない為、2機が運用試験中のKC-767空中給油輸送機を見るには絶好の機会ではないか。というのも、小牧基地にはKC-767用格納庫は一機分だけなので、二機のKC-767は、一機が格納庫の外に置かれていることになる(まあ、岩国行ってるかもしれないし、保証の限りではありませんが・・・)。

Img_2859  また、小牧基地では(写真は小牧基地航空祭で撮影したものです)、格納庫に入りきらないC-130H輸送機が滑走路の傍らに並べられており、望遠レンズがあれば、その様子を写真に収めることが可能である。航空自衛隊のC-130H輸送機は、この小牧基地にしか配備されていないので、これだけでも足を運ぶ価値があるのではないか、と思ったりする。

Img_4374  また、神明公園の丘からは、整備にあたる三菱重工小牧南工場の航空機の列がみえたりすることもある。新年度にはいり、もう列機は全て整備終了し、姿は見えないかもしれないが、日本の防衛航空産業の一大集約拠点という点だけでも、注目に値するようにも見える。

Img_8925  やや投機的かもしれないが、小牧基地の神明公園を名古屋城、大須電気街、栄テレビ塔、名鉄パノラマカー、名古屋港砕氷艦ふじ、などと併せて、GW中ということで、名古屋観光のコースを組んで見るのも、おもしろいのではないかな、と(KC767は居るとはおもいますが、万一、特別な訓練などが計画されていた場合は、居ないということもあるかもしれません)。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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寝台特急の展望 整備行き届いた上野駅着のブルートレイン

2008-05-02 16:03:33 | コラム

■ブルートレイン再考

 上野駅にて撮影した“北陸”“あけぼの”の写真とともに、ブルートレイン最高!もとい、ブルートレインについて再考してみたい。(本日もコネタ)

Img_2102  上野駅は、『北陸』『あけぼの』の他、北海道に向かう『北斗星』『カシオペア』の始発駅として知られる。実を言うと、小生、ブルートレインを利用したことがなかったり・・・。というのも、京都から東北に行く場合は、仙台までは名古屋まで在来線で移動してバス。北海道まで移動が必要なときには、最初から航空機にて移動する。理由は簡単で、『日本海』や『トワイライトエクスプレス』は、ちと高いのだ。

Img_9567  そういうわけで、京都駅にて九州へ青森へ、はたまた遠く北海道へ向かう列車、撮る一方の小生。そういう関係だった。そこで気付くのだが、京都駅に到着するブルートレイン、もはや思い出でしかみれぬ『なは・あかつき』や頑張る『日本海』と比べて、上野駅に到着する列車は、ブルーがくすんでいない点。

Img_9553  『あけぼの』の利用率はかなり高い印象で、その関係で塗装が整備されているのだろうか。いちばん感心させられるのは、開放型B寝台を指定席扱いで二両限定で開放している“ゴロンとシート”。B寝台(B個室も)を利用した場合、上野から19950円となるのだが、指定席扱いのこのシートを利用すればかなり割安に移動することが可能。

Img_9555  ただし問題点も。上りの『あけぼの』は1808時に青森を発車して0658時に上野駅に到着するが、下りの『あけぼの』は2145時という遅めの時間に発車する関係で、青森到達は0956時。しかも、大宮から高崎経由で日本海側を走る為、早朝の仙台に、というのも難しい。路線が路線なので、早朝に始発新幹線に乗り継ぐという裏技も使えなさそうで、この点は不便なのかな、と。

Img_2133  寝台特急について、今後の展望を考えれば、それは新幹線と格安ツアーバスとの関係性を抜いては難しい。個室寝台の充実と、開放型寝台の指定席化を極力行うとともに、可能であれば指定座席車を設置し、運行区間を長距離化し、夜行特急若しくは昼間特急車としての需要も掘り出す必要がありそうだ。これについては後述したい。

Img_9504  寝台特急『北陸』は、上野~金沢間という日本最短の路線を走る寝台特急であるが、比較的需要のある金沢とを結ぶ寝台特急であるが、寝台特急と金沢観光を併せたツアーなども企画されており、加えて並行するように、夜行急行の『能登』が運行されていることから、寝台特急としての位置づけを保持する観点から、指定席と比べられがちな開放型寝台とともに、比較的早い時期から個室の割合を高めるなどの工夫を行っている。

Img_9527  以上の点を踏まえると、夜行列車としてのブルートレインは、夜間に運行されることでの早朝に到着するという利点があるわけだが、これは便数の削減などにより選択肢が減り、新幹線の始発に場合によっては追い越されてしまうという点。しかし、機関車に牽引され、在来線上を運行する以上、速度の強化という点には一定の限界があり、振子式制御装置の搭載による新型寝台車の開発やフリーゲージトレインを用いての一部新幹線路線乗り入れなど考え付く案には現実的なものが無いという点。

Img_8601  結論として、速度では新幹線に対抗できないので、新幹線によるグリーン車以上のゆったりとした旅を求める人への需要(これはサロンカーや食堂車なども含めて)。価格では、高速バスに対抗することは難しいので寝台以外の選択肢として、普通車を求める需要、があるのではないか、と。ほかには、極力整備状態を良い態勢に保ち、ブルートレインという移動手段を新幹線に並ぶ程度の知名度を持たせる、というところだろうか。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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