◆FH-70だけじゃない!姫路駐屯地祭第二名物
姫路駐屯地創設60周年記念行事はいよいよ明日です。そこで、今回は午後から行われ、姫路の隠れた名物であるレンジャー展示の様子を紹介したいと思います。
整列したレンジャー。これから始まるのがレンジャー展示、午前中に行われた式典、観閲行進に続いて行われる訓練展示とはまた別の展示です。しかし、これ、レンジャーの技術展示は全国でも行われている駐屯地は多々あるようなのですけれども、姫路の展示が最も充実しているとのことなんです。
ロープ機動の妙技を展示する様子。レンジャーは一定期間の訓練を経て付与される資格で、自衛隊では部隊戦闘を前提として訓練体系が構築されているのですが、集団ではなく個々人の戦闘技術を高めることで挺身行動を可能とさせるのがレンジャーの目的とのこと。
この高さは最も人間が恐怖を感じる高さだそうです。あまり意味がないように見えるこの高さなのですけれども、挺身行動に必要な胆力を練成するためには、こうした訓練が必要とのこと。もちろん、レンジャーはロープ訓練などほんの一端なのですが。今はどうか知りませんが、丸太と壁と堤に壕と鉄条網に鉄棒を溶接した200メートル障害物の短時間突破からはじまるのだとか。
![Img_7790 Img_7790](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/84/98d15951622772ebbc7b5ccaf1bbf9bb.jpg)
まずそういうものは挨拶のようなもので、他のあいさつは20km武装走。こういったものを延々と繰り返して基礎体力を練成するとのこと。いや、レンジャー訓練に参加する時点で一定の体力基準を満たしていなければならないのですが、そのうえで訓練に必要な体力を培うのだとか。
お前去年より大きくなってないかー?との班長からの問いに対して、今年は天候が良かったですからー、と応じる。ここの掛け合いが、関西だなー、と思う一コマ。レンジャー訓練は基礎体力に応用した体力を練成したのちに、特殊な小銃戦闘術、爆破技術、襲撃と情報収集、徒手を含めた近接戦闘訓練や隠密処理といった戦闘技術を練成します。
レンジャー訓練は、続いて通信と潜伏、航空機や船舶を用いての専有訓練、山間部や密林や市街地を背景に戦闘訓練を行い、加えて野外での食糧調達を行う自活、負傷時に自力対処する衛生訓練、捕虜となった場合の尋問対処術、宴会芸を中心に民間協力者を得るパルチザン訓練などが行われます。最後に山間部を100kmほど歩いて仕上げとなるそうです。姫路から京都まで、かな。
訓練展示。レンジャー展示はロープ技術を中心とした技術展示から始まり、続いて訓練展示模擬戦が行われます。訓練展示模擬戦dスカラ、当然仮設敵の登場。あきらかに悪そうなやつらが進出してきました。いや、悪そうって素行以外の根本的な何かが悪そうでは?と思われるかもしれませんが、これをスルーするのも心得。
敵遊撃隊、ゲリラでしょうか、我が国へ浸透してきました。その昔、サーカス団は国境を自由に移動できるという特性を生かして、隠密や諜報活動に従事していたという事例があります。こういうピエロのような外見であっても油断はできない、ということですね。
![Img_7896 Img_7896](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/91/9f072c2aea42acb673eb264acd3fe056.jpg)
見てください!、この只者ではないという眼光。G-13に対抗しているようです。ここまで仮設敵とわかる仮設敵は、姫路駐屯地を含む第三師団管区でないとみられないのではないかな。ちなみにレンジャー訓練では写真のようなピエロへの変装訓練は、・・・多分やってません。よくわからねえや。
そして手にしているのはカスタムしたM-4A1カービン,いやあ、見るからに頭の悪そうなカスタムだよねー、といつもお世話になっている方が当方へ相槌をうってきます。HA/HA/HA、帰宅して当方はソッコーで自分のM-4A1を普通状態に戻したのは言うまでもないですな。
ゲリラは分かりやすい破壊活動には出ない場合があります。スイス政府発行の民間防衛などを読みますと、平和団体等の一見友好的な団体を組織し、実態と異なる隣国への誤った友好印象を受け付け、また軍隊の弱体化を図る行動を平和という美称で行い、弱体化したのちに侵攻します。
住民宣撫工作、手っ取り早いのは物品による住民支持獲得でしょう。このゲリラの定石に沿って、今回のゲリラも子供たちにお菓子をばら撒きます。ばら撒きにより支持を得るという単純な方法ですが、意外と日本のような先進国であっても安易なばら撒きに支持してしまう場合もあるやもしれません。ゴホンゴホン。
今回、ゲリラは日本国内で流通している、そこら辺のコンビニや姫路駅のキオスクでも入手できるようなお菓子を使うことで油断させていたようでした。そういえば、銃器も京都のYAMAMOTOあたりで売ってそうなもの、AK-74とかPKとか明らかな東側装備を持っていないあたりも油断させるものですね。次世代電動高いしなー。
子供たちが捕まってしまいました。お菓子をくれるといって、知らないオジさんについて行ってはいけません。大阪府では、不審者情報として”歩きの男が女子小学生に対しておはようなどと声をかける事案”、”下校中の女子児童へバイバイと声をかける事案”、児童が自転車に乗った男性に声をかける事案”、”児童が見知らぬ男とすれ違う際にニヤっと微笑まれる事案”等が起きています。こんなんで通報されるんやでー。
たすけてー!、ゲリラによる拉致事案です。上記事案で通報される我が国ですが、侵入後巧く隠れたのでしょう、ゲリラの動きです。第三師団管区の駐屯地では音楽演奏でプリキュアが演奏されるのですが、今回は来てくれません。カノン町から姫路は多分遠いし、ね。それに姫路にあるのはカノン砲ではなく榴弾砲。しかし、音楽演奏は今後変化があるのでしょうか、入間基地航空祭でもそうですが、今自衛隊では、ほむほむ人気が高まっています。今後は音楽演奏に反映されるかな、もう無関係ですね。
レンジャーは全てを見ていた!。ところでいま絶賛放映中でBDがBOXで出るだけというあのFateZEROですが、冬木市、築城基地のF-15が出ることから長崎だと思ってたんだけれども、あの橋梁の形見るとモデルは神戸なのかな、橋梁の形状、長崎のあれとは違いますよね。イタリアのトリノはどうみても明治村だったけど。現実にキャスターのサーバントがオイタすれば裏でレンジャーが出るわけでしょうか。
そういうようなことを考えている刹那にロープ降下したレンジャー隊員が背後から忍び寄り、一挙に制圧します。G-13的な眉毛でしたが、俺の後ろに立つんじゃあない!、という訓練は不十分だったのか、はたまたレンジャーの隠密処理訓練が徹底していたのか、その中間部分なのか。一人排除、無力化しました。
仕留めたゲリラは、そのまま引きずられていきます。ご近所の方から聞いたのですが、姫路のこのあたりのゴミの日は月曜日だったとのこと。ふーん、と思ったのですが、ゴミ置き場のほうに引き摺られていったので、ううむ、レンジャーは時には非情にならなければならないのか、非情のライセンスですね。
こうして一人屠られました。レンジャーはこうした近接戦闘訓練を徹底して受けています。こうして一人ひとりと見張りを無力化することにより、徐々にゲリラの包囲網を狭めてゆくのです。相手はM-4をもっていますが、我が89式も故障知らずのAR-18に範をとった堅牢な軍用銃、装備が互角である以上、あとは個々人の技量となるのですか。
正義の味方レンジャーマン登場!、というわけでは全く全然ないのですけれども、強そうな一枚に仕上がりました。形勢が有利へ傾いた瞬間が攻撃の好機です。戦力の逐次投入というようなことは行わず、持てる人員と資材のすべてを投入してレンジャーは一挙に勝利をものにします。
更に敵ゲリラが潜伏する建造物へ、一人一人と人員が展開してゆきます。手にするのはM-1911,昔自衛隊が使っていたやつですね。45口径拳銃、今年で制式化から100周年なのですけれども、基本設計が優れていればまだまだ使えることを示すものです。質感がゲリラのM-4A1と似ている気はするのですが、ね。
こうして、突入したレンジャーによりゲリラは全て制圧され、人質は全員救出されました。どうでもいいけど、家電量販店とかでエアソフトガン取扱い終了しつつある店舗は投げ売りやってて安いですよー。東京マルイのUZIが新品で9800円、ほかにはSG-552が新品で16800円とかね。オイラも戦闘の隊員さんが持ってるようなM-1911の新しいの、どうしようかなー。
レンジャーは、少人数戦闘による挺身戦闘を重視した能力を有しています。更には航空打撃の誘導や情報収取、監視任務等を加味すれば特殊部隊としての能力を獲得し得るのですが、レンジャー部隊というものを有せず、部隊そのものの遊撃能力を高め、以て対遊撃能力を付与させるという意味ではこの方法もありなのでしょうか。
こうしてゲリラの脅威は去った、しかし、我が国への今日はまだ続いている、戦えレンジャー!、・・・、とかとりあえず戦隊モノのエンディングのようなことを書いてみます。訓練展示模擬戦が終了した時点で、このように参加したレンジャーの隊員が整列してみてくれました。
訓練展示は模擬戦が終了したのちに格闘展示となります。近接戦闘において徒手や短剣戦闘は最後の武器、この戦闘技術を会得することにより、全ての距離の置ける戦闘への対処能力を有するようになるわけです。これら動作は普通科隊員では普通に行うのですが、レンジャーではもう少し進んだ内容なのでしょうかね。
格闘展示では、私たちの日常生活に及ぶ危険へも応用出来る展示がいくつもあります。これは女性が痴漢に襲われた場合の対処法、卑猥な言葉とともに抱き着こうとする変態さんへは、何すんのよ痴漢!、と平手打ち。ああ、なるほど。そう思っていると、なにやら少し離れた場所から呟きが・・・、我々の業界ではご褒美です、と。お巡りさんこっちです!。
こちらは背の低い隊員が長身の敵に対処する方法、このように鉄帽を掴まれると全ての攻撃が届かなくなるのですが、こういう場合は屈むことで相手の視界から消え去り、反撃の好機をつかむことが出来るわけ、なるほど、新喜劇でお馴染みの対処法は陸上自衛隊においても応用されている模様。
そういう展示だけでは当然なく、しっかりとした近接戦闘の展示も行われています。まあ、姫路は関西ですからね。山陽電鉄で阪神電鉄まで乗り入れられるほど関西です。もうすぐ近鉄がトワイライトエクスプレスによく似た塗装の団体電車で乗り入れるほど関西なんですからね。
おしまい!、早い話が状況終了です。笑いあり感動あり、戦闘あり格闘あり、盛りだくさんのレンジャー展示でした。昨年はレンジャー展示は1400時開始、終了は1450時です。1330から姫路白鷺太鼓の演奏が行われている場所が会場。盛りだくさんの内容に、一見をお勧めできる、それが姫路レンジャー展示です。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)