心と脳・身体の関係に興味を持ち、いろいろ本を読んでいた中で、小林秀雄の「感想」を知り、読みはじめている。
小林秀雄が大事にしていた母が亡くなり、その後の一連の不思議な体験が、書かれている。
不思議な蛍に出会ったり、泥酔し国鉄の水道橋駅のプラットフォームから落ちたが、運良く助かったことなどだ。運良く助かった時、「母親が助けにきたことがはっきりした。」という感想を持ったそうだ。当時は落ちて即死することもあり、その感想はとてもリアルだ。
自分のことを振り返ると、 この十年の中でも、身内の生命に関係するような事件など、いくつかリアルで何とも不思議な体験をしている。その受身の体験から、自分の中に考えてもみなかったような変化が始まっているようだ。
そして、こうした人生を左右するような体験は、話をしてみたりするとどうも、様々な人が経験しているようだ。宗教家は不思議な質をもった体験で出家したり、何かを悟ったりする。偉大な芸術家の自叙伝を読んだりすると、そういう体験のことが出ていたりする。テレビでも、個人の不思議な体験が紹介されたりする。
人生を左右するような不思議な質を持った体験。心の奥から、「母親が助けにきたことがはっきりした。」と言う人がいる時、私は、それが夢だとか幻想だと、冷たく疑うことはしたくない。
人生とは、それ自体不思議な質をもっているのだと思う。
<対人関係6/8>
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