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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

魂の記録としての萬葉集!(山あり谷あり 2/10)

2012-06-14 | 第二章「五感と体感」

 先月、台湾で芝山巖事件(しざんがんじけん)で亡くなった大叔父さんの六氏先生の墓参りをした。

 大叔父さんの弟であった祖父が亡くなる前に私に話してくれた、ちょっとしたルーツの話が発端であった。そして、その時に祖父が話してくれたことより、言葉を飲んで話さなかったことのほうが、後で考えると趣深い。

 貴重な文献により、大叔父さんの当時の写真や実筆の手紙のコピー、大叔父さんのかなり詳しい経歴や趣味、挿話まで知ることができた。惨殺された祖父たちに対する日本人、台湾人の心根(もののあわれ・・・なのだろうか)を調べていく中で実感した。

 さて、この数日持統天皇の小説を読み、時折複雑な系図を眺めたり、萬葉集を引っ張り出して読んだりしている。残念ながら、持統天皇の歌で残されているものは少ないようだ。「春過ぎて・・・」は特別に有名だが、そのほかに天武天皇への挽歌3種+1と・・・。しかし、不勉強な私の知らない歌がもっとあるのかもしれない。

 萬葉集は不思議な歌集である。成立時の政権の反対勢力の人たち(謀殺された人も含め)もたくさん載っている。日本人の心の深層は不思議なものである(鎮魂の歌集かもしれないが)。

 そして、言霊とはよく言ったもので、その歌からは、1300年以上がたっているのに、単なる記録以上に何かが伝わってくる歌もある。変な話だが100年前に亡くなった大叔父さんの細かい記録より、短い一つの歌のほうが伝わってくるものも多かったりする。

 燃ゆる火も 取りて包みて 袋には 入るといはずやも 智男雲

 (燃えている火でも 取って包んで 袋に 入れるというではないか 智男雲) (萬葉集(1)日本古典文学全集 小学館参考)

 持統天皇の天武天皇への挽歌であるが、智男雲の意味は不明。ただ雲が魂を象徴している感じで、自分のものにならず離れていく寂しさが伝わる。因みに火は陰陽五行で天武天皇を象徴しているという。こうした知性化の防衛機制を働かす持統天皇の感情生活にも興味が。

 山あり谷あり 2/10

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