日本の歴史に残る<鉄の女>と言って良い持統天皇。その生涯を勉強していくと、本当に山あり谷ありの人生だなと思う。また、古代のことでもあり、文献も豊富なわけでもなく、想像で補う部分も決して少なくない。そんなこともあり、ますます持統天皇に興味をもち、目についた本を読むようになってしまった。一種の<追っかけ>なったようだ。
持統天皇に関する小説も、この1年随分読んだ。つい先日読了したB氏の小説も含めると5冊になった。
小説家も、持統天皇とは違う時代や場所ではあるが、山あり谷ありの人生を歩んできた。そして、その生育史から持統天皇に何か共感を覚え、感情移入し小説を書く。そして、個性や生育史の違いからだろうか、書かれた小説は驚くほど違っている。物語を形成するための、歴史解釈や、人間観も当然違う。本当に、小説家には申し訳ないが、面白いほど違っている。
深層心理学の世界では、U先生によると<自分以外の他人は驚きの対象>なのだそうだが、本当だなと思う。私は、持統天皇の<追っかけ>の<追っかけ>にもなってしまったようだ。
<追っかけ>の<追っかけ>になってくると、自分の柱というか、そういう柱がだんだん欲しくなるようだ。小説家によっては、何か自他否定的な心情になってきたり、生理的な嫌悪感を覚えたりもするからだ。怒涛のような個性に身を引き裂かれないために(山あり谷ありの困難な人生でも同じことだが・・・)、U先生の自己実現の道への3つのポイントを思い出す。
①自分は何のために生きているのか。
②生き甲斐は何か。
③自分を大切にしているか(魂という宗教的次元、生育史という心理学的次元、身体という医学的次元)。
困難な時に、平静さをもたらす3つの自問自答でもある(私はカトリック信徒なので。この3つの自問自答に、あらかたの方向性はもっているが、いつも新しい。)
山あり谷あり 4/10