標題のことについて雑誌「科学の実験」(理科専攻の学生だった長兄が購読していた雑誌)だったかで高校3年(1957年)のときの10月号か11月号で読んだ覚えがある(これを読んだ直後だったか直前だったか覚えていないがソ連の人工衛星が上がった)。
問題に述べられた量とそれに関係する隠れた量を全部文字に表して、それらの間に成り立つ式を立て(これは一般に複数ある)、それらから問題に与えられてない量を表す文字を消去すれば、すべて問題で与えられた量で求める量が答えとして求められる。
物理の参考書等でも問題の解き方は書いてあるのだろうが、ここまで徹底して書いてあるのはまだ読んだことがない。
旺文社の「物理の傾向と対策」を何十年も書いていた竹内均先生も同じようなことを書いておられたが、それほど詳しくは書いておられなかった。
きちんとした解き方を物理をいい加減に学んだ人は知らないのではないかと思う。また、原島鮮先生の物理の本にも解き方が例題として書かれてあったように思う。
ファインマンの「物理を学ぶコツ」(岩波)にはそんなことが書いてあるかと思っていたが、訳本をちらっと読んだ限りでは書いていないようだ。テクニカルな話ではあるが、そういうことはどこかできちんと学んでいる必要がある。
ごく最近だがアメリカのやさしい物理の本に問題の解き方が出ているのを見た。そのページはコピーしてどこかに持っているはずだ。
前述の雑誌「科学の実験」だったかを図書館で探してその記事を読み返して要点をどこかに書留めておきたいと思っている。これも学校ではきちんと習ったことのないことの一つである。
世の中には少なくなったとはいえ物理を教える先生はたくさんいるはずだが、そういうことを高校レベルできちんと教えているのだろうか。私なども老人の仲間入りをしそうな年齢だが、そういうことがきちんと教えられているのかとても気になることだ。
先生の物理の問題の解き方を見て、みよう見まねで、聡明な生徒は自ら学ぶのだろうが、それでもこのようなことをきちんと意識して教えるべきであろう。