場の量子論を学んだのはもう45年以上前のことでその後あまり復習をしていないから、知識があやふやになっている。今のようなゲージ場の量子論がまだそれほど一般的な知識でない頃であった。だから大学院で学ぶのは量子電気力学が主であった。中間子の場の理論とかはその後に学んだと思う。
亡くなったO先生がゼミの先生で、彼が出張でいないときはS先生にゼミの指導をしてもらった。Feynmanグラフの描き方などはS先生に習った。まずはHeitlerの本で、共変式でない摂動論をまず習い、続いて共変式の摂動論を勉強した。
細かなことは忘れてしまったが、その後Oさんが北京シンポに出席するために夏の学校用にテキストを書いて、それを出かける前に講義してくれた。
そのときに第二量子化する前の量子力学で粒子に波動性が導入され、場の量子化によって粒子性が導入されたと言われた。また、場の量子論によってはじめて粒子の生成消滅が議論できるようになった。これで弁証法的な生成流転が定式化されたという風なことを言われた。
とてもそのときに感動したのだが、ちょっと違った言い方だったかもしれない。正確にはどういう主張だったかはそのころの講義ノートを引っ張り出してみれば、わかるはずだ。