学問を進めるには議論が欠かせない。同様に学問を学ぶときにも議論しながら学べば早く理解ができるのではないかと思うが、どうも私は議論が苦手である。
何かの分野を学んでいるときに疑問点が出てくることが多いのだが、それがどうもあまり他の人には疑問にも思わないような細かなことが気にかかる。そういうところにひっかかって先へと進めないことが多い。
また自分の疑問を議論したくても問題意識を共有してもらえなくて議論の相手になってくれる人がいない。結局自分で問題をじっと抱え込むことになる。何年か後に解決することもあれば、ずっと疑問が解決しないこともある。
解決したことの一部はすでに小著「数学散歩」(国土社)に書いたものもある。しかし、全く解決には至りそうにもないこともあれば、またその解決のためには何冊かの書物を読んで理解しなくてはならない。これが自分の能力以上だと考えられることもあって断念していることもある。
ちょっとオーバーに言えばいつも自分で統一的に世界を理解したいという性癖があって(しかし、内実はいつも断片的な理解しか得られていないのだが)、それが自分には容易には達成できないのでいつもフラストレートしている 。