昨日、藤森良夫先生の「解析の基礎」で計算の仕方を学び、戸田清先生から合理性と科学的ということを学んだと言った。
そのときに意識をしていた訳ではないのだが、ハイゼンベルクはゾンマーフェルト(ミュンヘン)に楽天主義を学び、ボルン(ゲッチンゲン)に数学を学び、ボーア(コペンハーゲン)に物理学を学んだと言っていたそうだ。
どうも私の場合はスケールの小さい話で申し訳がないが、しかしそれでも誰かに何かを学んだと言えるのは幸せであろう。高校の数学で劣等生であったが、しかし高校時代に自分で勉強したことが今でも役に立っていることは否定できない。
そういえば、基礎物理学研究所に約40年前に滞在していた頃、誰かが話しているのを小耳に挟んだところでは湯川先生はそんなに物知りではないが、中学校や高校の頃に学んだ英語でもしっかりしていて、それを十分達意に使いこなせるといったところにその特徴があり、その点では他の追従をなかなか許さないといった風である、とのことであった。
「私の記憶力は十分でない」と湯川先生は自伝で書かれているが、なかなかどうしてしっかりした記憶力の持ち主であったらしい。確かに、地質学の試験で岩石の名が覚えられなかったというようなことはあったかもしれないが、どうも大したことではなさそうだ。