物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

仕事場への道すがら

2009-11-04 10:49:27 | 日記・エッセイ・コラム

昨日は文化の日だったが、日曜以外は仕事場に出てくることにしているので出てきた。

今日は普通の日だが、車で来る途中にたまたま前の車がRaumだったので、いろいろ考えながら10数分走った。RaumだとかPlatzだとかドイツ語の名がついた車もある。

車もイメージ商品だろうが、ゆったりした車内ということをイメージさせたいのが、こういう語が車の名前として使われる理由だろう。

Raumとは空間とか部屋を意味するが、部屋にはdas Zimmerという語が普通に使われている。昔、留学していたMainz大学の物理教室のコピー機のある部屋はZerox Raumといわれていたと思う。

このZimmerとRaumの使い分けについて、いつだったかNHKのドイツ語講座では人が共通に使うところRaumといい、私的に使う部屋をZimmerというと説明された。それでやっとその使い分けがわかった。

Raumといえば、物理をやった人はWeylのRaum, Zeit und Materie(空間、時間、物質)という相対論の書を思い出すだろう。私はこの本を読んだことはないのだが、このドイツ語の原著はドイツ滞在中に書店で見かけて、購入してもっている。

天才Heisenbergが若い頃にこの本を読んで数学に魅せられたというが、M"unchen大学の数学の教授に会って数学をやりたいと彼が言ったときに何を読んでいるかと問われ、このWeylの本を挙げたら、数学の教授はあまり感心をしなかったとか。

それでHeisenbergは物理の教授Sommerfeldに会って物理をやることに決めたとかどこかで読んだ。

そういえば、Weylの本は難解だったのだろう。大学院で数理物理学を習った竹野兵一郎先生は「Weylには参る」とかいう駄洒落があったのだといわれていた。

この竹野先生は相対論の数学を専攻した数学者であって、Weylを十分読みこなした人だとは思うが、そういう人でもやはり始めは難しかったのかもしれない。