四元数のことを調べていて、この並進演算子に出会った。などというと物理学者の偉い先生方にお前はいままで何を勉強していたんだといわれそうである。
それをもちろん知らなかった訳ではない。もう50年くらい前に4年生になって研究室に配属になって受けたSchiffの量子力学の購読で、最初のころの購読の際にチューターをしてくれたOさんに教わったと思う。
それが何の機会にであったかは忘れたが、教わったことを覚えている。そしてそのノートの紙片を長い間この本の当該箇所にはさんでいた。
数年前にその紙片をどこかに片付けたのだが、どこに片付けたか最近探してもわからない。ということでその並進演算子が本当に並進演算になっていることを確かめる必要を感じるようになった。
それで、はじめて自分で考えて見なくてはならなくなった。Taylor展開を使うはずだが、その証明がはじめうまくいかなかった。2日目になってやっと都合のいいTaylor展開の表示をやっと思いつき、並進演算子が並進を起こしていることを確かめた。
いままでこういう作業をやったことが私が一度もなかったのか、それとも一度ならずそういうことはやったことがあるのかはすぐになんでも忘れてしまうのでわからない。しかし、やっと意識的にこの証明をしたと感じたので短いエッセイにまとめておいた。
こんなことは物理とか数学の専門家にいうと恥ずかしいことなので、発表するとしてもあまり数学とか物理とかの専門家の目に触れるところにはしたくない。
(2018.2.20付記) こう書きながら、「数学・物理通信」3巻2号に発表してある。関心のある人はインターネットで検索をしてみてください。
役に立つかもしれません。