ex-prodigyというタイトルの自伝があった。
天才学者といわれた、ノバート・ウィーナーの自伝である。英語のexというのはよく先夫などというときに、ex-husbandという。
prodigyは天才児、神童という訳が辞書を引くとついているから、だから、ex-prodigyは元神童ということである。
彼はMIT(マサチュッセツ工科大学)に勤めていたのだが、この自伝ex-prodigyの中だったかもう一つの自伝の中だったか忘れてたが、このMITに就職の世話をしてくれたのが父親の友だちだったと書いている。
そして、いまではMITといえば、アメリカの優れた大学の一つということになっているが、ウィーナーの勤め始めたころはそれほど権威をもっていなくてウィーナーの自尊心を傷つけるくらいであったらしい。
これは現在の評価とは大いに異なるものであるが、大学でも設立後あまり年数が経っていないときにはあまり権威がないということも頷けるであろう。
よくこのブログでも引き合いに出す、Feynmanは大学の学部はMITであったと思う。FeynmanはMITの大学院に進むつもりであったらしいが、物理の先生の一人であった、Slaterは他の大学の大学院へ進むことを勧めたという。
このSlaterはいくつかの物理のテクストの著者としても有名である、あのSlaterである。「理論物理学序説」Introducton to Theoretical Physicsという題の本が一番よく知られている。
単振動の方程式をべき級数の方法で解いていたが、その部分をいつか自分の講義の中で用いたことがあった。
話はとぶが、「バラの名前」というイタリア人科学者のフーコーだかが書いた小説が映画化されたときにSlaterという名の当時はまだ若かった俳優が出演していて、この物理学者のSlaterとは縁があるわけではないであろうが、親戚かなと思ったりした。