何年も『数学教室』(国土社)という雑誌を購読しているが、あまり感心する記事には出会わない。だからもう購読を止めようかと思っているくらいである。
ところが久しぶりに最新の6月号に興味深い記事を見た。「数学という名の自由の翼」の連載の第3回で下町壽男さんという岩手の方が書かれた記事である。
平面上のある点から、ある直線に下ろした垂線の距離、これを普通にはある点からその直線への距離という。
これを与える式を求めるところからはじまって、それから曲面に、その曲面の偏微分に、さらに積分へ、それも重積分や体積にいたるという筋道をスケッチしたものであり、その広がりのあることの説明に感心をした。
あまりにも感心したので、前の号4月号と5月号を見て見たが、これらはそれほど感心はしなかった。
だから、この6月号の記事は下町さんのとっておきのネタではなかろうか。これからも楽しい記事が掲載されれば、いいのだが。
参考までにタイトルを書いておくと「点と直線の距離から出発して」である。