物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

インターネットの和独辞典

2015-11-13 13:28:38 | 日記
いま、インターネットで和独辞典を引いてみたら、なかなかすぐれたなんでも出てくる和独辞典が使えるようになっていた。収録語数が23万語だという。

日本人とドイツ語を母語にしている研究者とが新しい和独辞典を編纂しているとは聞いていたが、これがインターネットで使えるようになるとは思ってもいなかった。

少し以前まで日本語で入力してもそういう語は見つからなかったという答えしかもらえなかったと思うが、いつのまにこういうすぐれた辞書ができたのだろう。ベルリンだったかにいる日本人女性の研究者が編集主幹の一人となって和独辞典が編纂されていると新聞で読んだことがあったが、なかなか完成しないだろうと思っていた。

私たちの会話のクラスを主導している、R氏なども独和辞典はなかなかいいものが出ているという意見だったが、和独辞典はなかなかだという意見だった。しかし、その意見はもう変わらなくてはならないだろう。びっくりした。

数学用語の行列の行を入力すると、Zeileが即座に帰って来たのには感心した。行列と入力するとMatrixももちろん出てくる。

(2015.11.14付記) しかし、立ち入って考えると、マトリックス(行列)の行と列とをどういうかこの和独辞典であまりはっきりしないので、これを(行列の)行 Zeile in der Matrix および(行列の)列 Spalte in der Matrix として採用してもらいたいと思って、この項目を提案しようとしたのだが、どうもこの投稿がうまくいかなかった。どこかの記述がまだ不十分らしい。しかし、どここが不十分なのかわかなかった。

行と列についてはそれぞれ詳しい用法があるのだが、辞書編纂者は数学をことを知らないのだろう。マトリックスの行とれ烈をどういうかこの和独辞典でははっきりしないように思えた。

岩波書店の『理化学辞典』にもマトリックスの行と列をドイツ語でどういうか載っていないようだ。高木貞治の『代数学講義』(共立出版)を見たら、索引に行はZeileとあり、列はSpalteとあった。だからたぶん上の提案でいいのだと思うが。

『百万人の数学』新版

2015-11-13 11:50:55 | 日記
雑誌「数学セミナー」で予告をみたのだが、『百万人の数学』新版が出るらしい。あまりこの本のいい読者とは言えないが、筑摩書房のこの書をときどき見るのを楽しみにしている。

この本のはじめの方でホグベンはつぎのように述べている。

すべての自然科学者や技術者が数学教育にたいして持っている不平をみんな出し、学生のそれをも加えて大運動にし、その要求に応えない数学者や数学教師は、教育界から締め出す以外によい方法はないと思います。(「百万人の数学」(上)p.7)

なかなか過激な発言だが、これぐらいのことを発言しているから、ホグベンの人気はいまでもあるのだろうか。これに似た発言はペリー(武田楠雄 編訳)『微分積分学』(森北出版)で読んだことがあるような気がする。

それはともかく、この古い本を越えるような書が多く出ていてもいいはずだが、なかなかこの書を越える入門書は出ていない。私の亡父がこの書の戦前の旧版の上巻を持っていたので、親しむようになったが、その旧版の書はどこかにいってしまい、私のときどき読んでいる書は筑摩書房の版である。だが、方々にミスプリントがあったりして、あまり決定版という感じがしなかった。

もっともこういう書が爆発的に売れるとは考えられないので、訳者がミスプリントとかを修正する機会がそうあったとは思えない。私のもっているのは初版第2刷で1971年発行のものである。

デカルトの『方法序説』なども現在の岩波文庫に集録されたものも昔の落合太郎訳ではなくて、新訳である。それを私も買ってもっている。新訳は圧倒的に読み易くはなっているのであるが、まだ新訳を詳しく読んだことはない。

そういえば、自著の『四元数の発見』でもそれほど致命的ではないが、いくつかのミスプリントが既に見つかっている。しかし、初版が全部売り切れて第2刷が出るときくらいでないと修正をする機会がない。それ以前に、初版の2000部が売切れるという保証もない。