物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ガロアのノートにあった詩

2015-11-18 12:43:24 | 日記
昨夜、なにげなく書棚で見かけた、岩田義一さんの『偉大な数学者たち』(ちくま学芸文庫)に載っていたガロアのノートにあった詩を訳と原語とで書いておく。

久遠なる糸杉はわれをかこむ
色あせし秋の日よりはなお色あせて
わが身は墓場へとくだりゆく

L'eternel cypres m'environne:
Plus pale que la pale automne,
Je m'incline vers le tombeau.

岩田さんは書いている。糸杉は棺をつくるのに使われると。この詩の前に岩田さんは書いた。

ガロアは自分の生命がもうあまり長く続かないことを予感していたのではなかったろうか。

paleのaの上のアクサン・シルコンフレックスと糸杉cypresのeの上のアクサン・グラーブ、およびetenelのはじめのeのアクサン・テギュは再現できていないことをお断りする。

前にもこのブログで書いたことがあるのだが、この『偉大な数学者たち』を感激して読んだという記憶は私には残念ながらなかった。しかし、だからといってこの書がつまらない書だとは思っていない。

続々・三角関数の還元公式

2015-11-18 12:17:41 | 日記
三角関数の還元公式については最近何回かこのブログで触れたので、またかと思われるであろう。

ほとんど高校の数学を教えるときにもあまり問題にはならない箇所だと思う。だが、そこについて数週間の間考えている。多くの本を読んでどこが本質なのかを知りたいと思ってきた。

はじめ、円の円弧の部分が、x軸対称とかy軸対称とかはたまた原点対称とかであることが一番大事な点だと思ってきたが、それに疑問がでて角度の方が優先的に考えられてそれがたまたま先に述べた対称性をもっているのだと論を進めようとして来たら、最後に見た遠山 啓さんの『基礎からわかる数学入門』(ソフトバンク・クリエイティブ)では逆にこの対称性の方がもとになっているということを知った。

それでせっかくまとめていたメモを書き換えている。こういうことを真剣に考えた人がいるのかどうかはわからないが、一度はだれでも考えておかなくてはならないことである。

そのことを真面目に70歳半ばになるまで考えたことがなかった。how-toでは\thetaという角の前にある n\pi /2の\pi /2のまえの n が偶数なら、cos は cos, sinはsin で変わらないが、nが奇数ならばcosは sinにsinはcosに変わり、n\pi /2+\thetaまたはn\pi /2-\thetaが座標系のある象限によって符号が決まってくる。

これだけ知っていれば、還元公式を覚える必要はまったくないのだが、そのことの理由を一度詳しく考えておこうと思った。

ということでこだわりのこの数週間である。

Br"otchenの食べ方

2015-11-18 11:44:39 | 日記
das Br"otchenはドイツの朝食で食べられる丸形のあまり大きくないパンである。この Br"otchenの食べ方であるが、ちぎっては食べない。真横からナイフで横にナイフを入れてそこにハムとかチーズとかをはさんで食べる。

こういうことを何十年もNHKのドイツ語入門の放送を聞いているが、NHKのドイツ語の入門講座で聞いたのははじめてである。このことを私もほぼ40年前のドイツ留学中に覚えた。

フンボルト財団のドイツ国内への旅行招待のときだったかその他の機会だったか、覚えていないのだが、朝食に行ったときにやはり Br"otchenが出ていて、食べ方を知らないものだから上からナイフを入れて二つに切って食べた覚えがある。そのときインド人の科学者が横からナイフを入れてそこにハムをはさんで食べているのを見て、ああ、こういうふうに食べるのか思ったので印象深い。

そのことを先日、朝食の時に妻に話したら、そのとき Br"otchenにかぶりついて食べるだろうかと尋ねられた。このことまで観察していなかったので、私は知らないが、ちぎって食べないのなら、やはりかぶりついて食べるしかないのではないかと思うが、これは確かではない。

ということで一つの疑問が解消したら、次の疑問が出て来たということである。

ちなみに Br"otchenはもっぱらドイツで使われる語で、オーストリアではdie Semmelと言われる。多分私昔勉強したドイツ語の入門書のせいで Br"otchenよりもSemmelの方を先に覚えたという記憶がある。

シリア内戦

2015-11-18 11:15:29 | 日記
ヨーロッパへの難民が増えてEU各国が困っている。先日のフランスのテロでISの拠点を空爆が強化された。

だが、今朝、朝日新聞に酒井啓子千葉大学教授が述べているようにシリア内戦をストップすることが最終的な方策であることはまちがいがない。

シリアの独裁政権が退陣しないためにそれに従来から反抗してきた、反政府勢力はいくつかのグル―プに分かれて細々と独裁政権に対抗してきたとか。

そこへ最近のISの台頭である。ISは中身がよくわらないが、残虐な行為と過激な思想が流布されている。独裁政もISもどちらもどちらではあるが、少なくともISは当面含められないかもしれないが、全体的な和解的な統一政権を誕生させることからはじめなくてはならない。

そして、その上でISの中にあまりに過激で残酷でない勢力があるのならば、それを取り込んだ政権を樹立することができなければならない。

夢のような話であり、すぐにその条件が満たされるという保証はないが、それ以外には根本的な解決はないだろう。それができるのかどいうか。叡智がこの際に大いに必要である。

もともとシリアは緑豊かな農業国だという。それが内戦で大地はすさみ、市民は難民としてしか生きる道がないのは悲惨であろう。