物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ausgerechnet(アウスゲレヒネット)

2016-10-21 12:30:54 | 日記

というドイツ語が昨晩のドイツ語のクラスで出てきた。そしてその語を使った例文を一つ二つ作って来なさいという、宿題が出された。これはドイツ人同士の会話の休暇の話で、その中で使われていた語である。

この語は日本語で言うとどういうかと聞かれたので、「よりによって」と答えたが、はたしてそれでよかったろうか。いま辞書を引いてみると「こともあろうに」だとか「よくもまあ」とかの訳語がついている。ちなみに、「より(選り)によって」は辞書の最初に出ている訳語であった。

ausgerechnetの基礎となる、動詞ausrechnenはrechnen(計算する)に前綴りausがついている。意味は「計算して割り出す」だとか「算定する」とかと訳が出ている。この場合の前綴りのausには「完全に」とか「すっかり」とかのニューアンスを私は感じる。

そんなに初心者向きの言葉ではないが、ドイツ語を母語とする人は普通によく使うという。


あれこれ考えてはいるが、

2016-10-21 12:10:38 | 日記

どれも具体的な形にならない。こういうことも時期としてはある。

先日ファン・デア・ヴェルデンの『代数学の歴史』(現代数学社)を借りて来て、ハミルトンの四元数の発見の記述を読んだ。私の知らない新しいことがあるかと思ったのだが、特に新しいことはなかった。しかし、私はこの書の存在を知らなかったのだが、発見の詳細を述べている。

ファン・デア・ヴェルデンの四元数発見の記述は私がいままで読んだ数学史の書の中では一番詳しく、私が『四元数の発見』(海鳴社)に書いた第2章「四元数の発見」のところはほとんど同じだった。これは私とヴェルデンとが同じ文献をもとに書いているので重複するのはしかたがない。

この本を今頃になって読むのではなくて数年前に読んでいたら、あまりウロウロしないで済んだかもしれない。もっとも私の書の第3章にあたる、「ハミルトンのノートの解読」ところはさすがにヴェルデンも書いていないので、これは私のオリジナリティを誇ってもいいだろう。

いや、そうはいってもどこかに誰かが私の書いたこととほとんど同じことを書いているのだろうが、私が知らないだけなのであろう。

ちなみに私がデアと書いたderはこの書ではデルと書かれている。van der Waerdenはオランダ出身の数学者である。彼の有名な著書に「代数学」(Moderne Algebra)がある。もっとも現在ではModerneの語がなくなって、単にAlgebraとなっている。もっともこの書を読んだことは私はない。日本語訳も銀林 浩訳で出ているが、古本で高値がついていると思う。