をどうやって導くか。これは新著である、N 先生の『微分方程式』(丸善出版)p.130の脚注にある方針で求めればよいのだが、これを実際に求めてみたくなった。もっとも n 次元のラプラシアンがどこで使われるのかその実例はしらない。
これは以前に3次元の球座標でのラプラシアンをもっともオーソドックスに導こうとしたら、手間が大変だと私が自著『数学散歩』に書いたら、便法があることを N 先生から示唆された。それを私も知らないではなかったが、オーソドックスな方法ではないのではないかと疑っていた。
ところが N 先生はn次元の球座標でのラプラシアンではこの便法の方がむしろオーソドックスなのだとのご意見のようであった。この方法でないとn次元の球座標でのラプラシアンなど導くことができないと。
ご著書を贈って頂いたことへのお礼のメールを出したら、その返事に以前に私の書いたことへの言及があった。それで昨日まず3次元のラプラシアンをチェックしたが、これはもちろん比較的簡単に求められた。つぎに、N 先生にしたがって、n次元の球座標でのラプラシアンを求めてみたいと考えるようになった。
まだ、証明に取りかかってはいないが、しばらく考えてみるつもりである。その形はすでにBatemann Projectの超越関数の本に載っていて、その該当の章をコピーして持っている。これも以前にN 先生から教えてもらっていた。
それとは別だが、n 次元の球座標の表示は一度だけ n 次元の超球の体積を求めるときに使ったことがある。これは杉浦先生の『解析入門』(東大出版会)に載っていたのをチェックしたのである。一昨日だったか、スミルノフの『高等数学教程』のある巻を見ていたら、この n 次元の超球の体積を求めてあった。杉浦先生の導出に似ているが、それでも独自性もありそうなのでそれの解読もしてみたい。
しばらく放心状態であったが、すこしづつ気持ちがもどってきている。
(2018.1.8付記)表題の「n次元の球座標でのラプラシアン」についてのエッセイは「数学・物理通信」7巻9号に掲載した。インターネットで、たとえば、googleで「数学・物理通信」と検索すれば、名古屋大学の谷村さんのサイトにリンクされてバックナンバーがあり、そこで見ることができる。N先生、すなわち、京都大学名誉教授の中西 襄先生のアイディアに従って具体的に計算をしたものである。功績があるとすれば、中西先生であり、私は単にそのアディアにしたがって手を動かしてみたにすぎない。