物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

武谷の三段階論と技術論

2017-07-27 12:34:30 | 科学・技術

武谷三男ほど賞賛されたり、けなされたりの反応の激しい人はあまり知らない。

三段階論にしてもそれを自分の方法論として使おうとされるような人がいる一方で、またこれは単なる思いつきだとか歴史性がないだとか批判をする人も多い。

だが、私が思うのは、批判をする人が、他の優れたアイディアを提出したのかというとそうではない。一般に批判することはちょっと頭の鋭い人なら、すぐにその欠点を見つけることができるものである。だが、新しいことを考えついてそれを提唱できるというのは誰にでもできることではない。それがたとえまだ不十分なものであったとしても。

だから、「技術とは労働手段の体系だ」という説以外に「生産的実践における客観的法則の意識的適用だ」という説が武谷から提唱されたということは議論が進むという意味ではその定義が提唱される前よりも人間の認識が広がったのだといえる。

この二つの説についてどちらが正しいとかいう判定はそれぞれの派がひいきにしている説に対して論陣をはる以外に、中立的な人がそれを公正に判断するということがどれくらい行われて来たのだろうか。


AIは未来を拓けるか

2017-07-27 12:18:17 | 日記

という題ではなかったと思うが、今日の朝日新聞にAIが未来を拓くとは言えないという趣旨(?)の記事が載っていた。

これはAIは過去のデータを多量に読み込むが、それはあくまでも過去のデータであって、未来を拓くのはあくまでも人間だという趣旨である。もちろんこの私の要約が本当にこの記事の正しい要約かどうかはわからない。

だが、一面ではそれは正しいという気がする。もっとも将棋のような特定のAIにおいては人間のあまり考えなかったような新しい手が考えられるということはありうるであろう。

AIが40歳代の独身の男女の数と将来との関係があるとかいう、NHKの討論番組があった。これなど話題によってはその結果をなかなか人間が理解または解釈できないというようなところもあった。

もっともAIが人の気がつかなかったガンの療法を考えついて、人を救った例があるという。これは新しいことではないのかもしれないが、人間なら見逃すような療法の一つを忘れずに提起したということであろう。

いずれにしてもAIが人間の未来のすべてを決めるなどということはありえないが、それにしてもまったくAIの助言を聞かない人間というのもありえないことであろうか。