岩波新書(青版)が発行されていたのは私の学生時代であり、次兄が大学の在学中に岩波新書を100冊読むのだとがんばっていたことから、いくぶん刺激されたかと思うが、私にはやはり100冊を越えて、大学在学中に読むことはははるかに遠かったと思う(注)。
それでもきちんとはじめからおわりまで読んだ岩波新書は松田道雄さんのものとか島崎敏樹さんのものとかが多かった。
数学の遠山 啓さんのものも好きだったが、数学はきちんと最初から最後まで読んだかどうかはわからない。『数学入門』上と下とをきちんと最後まで読んだと言えるのはずっと後になってである。
武谷三男の研究者の一人となっている、いまでも『原水爆実験』を最初から最後まで読んだかどうかはあやしい。重要な章はもちろん読んではいるが、全部最初から最後まで通して読んだかどうかは疑問である。『物理学入門』上は、はじめの2章ぐらいしか読んでいない。
大体、乱読であり、あまり人に勧められるような読み方ではない。
新赤版になってからは岩波新書から遠ざかって久しい。黄版のころの岩波新書はそれほど買って読んだわけではないが、長兄が交通事故で亡くなって何年かして、その蔵書を少なくとも岩波新書は全部私がもらっている。
(注)この次兄も今年の2月に亡くなった。