棚と戸棚とはどう違うと聞かれたら、だれでもすぐに答えられるであろう。
ところが私には棚と戸棚とが意識して違いが分かっていなかった。
それも実はドイツ語でder Schrankとdas Regalとの違いはと考えて、ようやく棚と戸棚のちがいを意識できた。
戸棚で一番よくわかるのは食器棚であろう。私もときどき夕食後の食器洗いを手伝うが、それらの食器を乾燥した後では食器棚にしまう。
戸棚はだから、かならず前面に戸がついている。ところが料理のときにいろいろな食材を混ぜたりする食器を使うことがあるが、これはこのときに使うボールとかは普通の棚においてある。これには戸がついてはいない。
グラスを戸棚におくときにはドイツ語ではdas Glass in den Schrank stellenといい、もしか棚におくのならdas Glass ins Regal stellenという(注)。
das Regalは棚であり、der Schrankは戸棚である。
(注)ins Regalと書いたが、insはin とdasとの融合形である。すなわち、ins=in das である。これは慣用語として映画に行くとかきはins KIno gehenである。演劇を見に行くのはins Theater gehenという。
ドイツ語での不定詞句は動詞が一番最後にくる。もちろん、文章をつくるときには動詞は文の2番目の要素となって、たとえば、
”Er geht mit ihr ins Kino. (エア ゲート ミット イア インス キーノ) 彼は彼女と映画に行く” というように不定詞句では最後にあった動詞が文章の2番目の位置に移動する。