物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

双対空間

2020-09-17 11:29:33 | 科学・技術
双対空間という概念をどう数学の本で説明しているのか関心をもっている。

いやほんとはそんなことに関心を持つ時間は9月中はないのだが、それだからこそなんだか、急に双対空間をどう多くの数学の本が説明しているのかに関心が出ている。

結晶学で逆格子空間が直接格子空間の双対空間となっているはずである。逆格子はなかなか理解しがたい概念であるが、それと双対空間とが重なっている。

こんなことに関心が飛んでしまうのは、もちろん現在書こうとしている徳島科学史雑誌への投稿したい論文「他人から見た武谷三男6」を書くことがうまくいっていないためである。

それで気分転換にそういうことに関心をもったのである。今年は武谷技術論を論じた人の論説を取り扱うつもりである。ところが詳細な分析でいろいろ武谷技術論の難点を指摘されたのを読むと、それらに対して、どう論を立てたらいいのか苦心をしている。

嶋啓さんの『技術史論争』(ミネルヴァ書房)のこれらの論点を打破する論点は私にはほとんど見いだせない。ただ、いくつかの論点の不整合とか、あいまいさはあっても武谷の技術論はいわゆる労働手段の体系説よりは私にピタリとくる。これは私が社会科学者ではないためであろう。

だから、武谷の技術の定義の「客観的法則性の意識的適用説」は労働手段の体系説よりもより真実に近いと思っている。だから細かな論理の不整合性とかは指摘されても方向としてはいいのではないかと思っている。

新しい概念を提案することは、それが整合的であることよりも重要であると思う。新しい概念はなかなか提唱できるものではないから。