物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

時代を先んじる人は見通している

2020-09-15 15:35:49 | 本と雑誌
先日、羽仁五郎のことをある本で読んでいたときに、羽仁五郎がこんなことを言っていたことに気がついた。

それは「独占資本主義はインフレでしか利潤を上げることができない」とあった。これはなんのことはない。現在の言葉で言えば、インフレターゲットの政策のことではないか。

以前に同じことを読んでいたはずだが、まったく理解できなかった。

別のことであるが、今読んでいる中井正一の文庫の解説に長田弘が中井の見通しについて書いている。

「技術の進展とともに、図書館は文庫としての図書館から情報の中心としての図書館に、やがてありようを変えてゆくと言ったのは、戦後、中井正一が最初だ。」

「われわれにとってもっとも必要な情報というのは、図書館がしまってきた人類の記憶だ、と中井正一は書き残す。なぜなら、われわれの歴史が誤りをおかしているとすれば、誤りの傷を癒すただ一つの手がかりというのは、つねに人類の記憶としての本のうちにあるからだ」

こういう力強い言葉は凡人の私たちにはなかなか言えない。

カオス

2020-09-15 10:16:30 | 本と雑誌
カオス!これは数学的な意味で言っているのではない。

昨日、『中井正一評論集』(岩波文庫)の「委員会の論理」という冒頭のエッセイを読んでの感想である。

どうも哲学の歴史を全く知らないのが、理解を妨げているらしいことはわかった。

それでもはじめのところを過ぎると同じようにわからないのだが、すこしまともになってきたような気がした。

いや、私がではない。中井さんの書くことがである。この岩波文庫の解説を書いているのが、詩人の長田弘さんだが、どういう関係がある人なんだろうと思った。

もう長田さんも亡くなっていると思うが、いつだったかこの人をNHKで見かけたことがある。