等式の性質と似た法則がある。
これは当然のことだが、次のような法則である。
a~a :反射律
a~b, b~a :対称律
a~b, b~c ならば、a~c :推移律
という。~の具体例としていまの場合に一番わかりやすいのは普通の等号=で置き換えてみたらいいだろう。これらの3つの法則は成り立っている。もちろん、不等号 < または > で置き換えたら、反射律、対称律は成り立たない。推移律だけは成り立つが。
等式はこの3つの性質を満たしている。
本を調べると、これに等式では
a=b ならば、
a+c=b+c
とか
ca=cb
も成り立つと書いてある。
代数の交換法則、結合法則、分配法則の方は多項式とか分数式で成り立つ。しかし、行列の積ではたとえば、積の交換法則は成立しないので、交換法則、結合法則、分配法則をことさらに議論することの意義はわかるようになった。ベクトルのベクトル積も積の交換法則は成り立たない。また、四元数でも積の交換法則は成り立たない。
ところが、上の3つの法則は高木貞治の『代数学講義』(共立出版)で見て以来あまり具体的には出会うことがなかった。それでその意味があまりピンと来ていない。
この3つの法則はいわゆる私の用語解説が必要な用語の候補に挙がっている。
最近、気になる用語に子午線がある。地球上では子午線は経線と同一と思ってよいのだが、ごく最近まで知らない用語だった。