ようやく、手がかりがつかめそうだ。
いや、小著『四元数の発見』(海鳴社)第6章第3節の直交補空間のところが、前からいかにも唐突でなんとかならないかなと思っていたのだが、どう書き換えたらいいかわからなかった。
それが先日読み返していたら、どう書きなおすべきかが少しだけ見えて来た。
すでに閲読者だったKさんが指摘してくれていた。その部分をうまく書き換えることができなかったので、そのまま補注として書いていたのだった。
要するに四元数をベクトル空間として見て、それからその四元数のベクトル空間としての直交性の定義がそこでされてないことが、この部分の書き方がどうも唐突であることの原因であったらしい。
この原因は、ポントリャーギン『数の概念の拡張』(森北出版)を読んで、四元数が計量(ユークリッド)ベクトル空間として解釈できるとの説明があったのだが、そこが長い間理解できず、空白としてなっていた。
本を書いた最終段階では結局はそこをなんとかわかったのだが、そのわかる時期がとても遅くて本全体がほぼできあがっていたころだった。その影響がここに現れている。