線型代数がわかるテクストといっても、もちろん私がという注釈付きである。
今読んでいる、藤岡敦『手を動かしてまなぶ線形代数』(裳華房)をその第一に挙げたい。もっともこの本は佐武一郎『線形代数学』(裳華房)を頻繁に引用参照するようにしている。だがそれでいいのだと思う(注1)。
この本は昨夜かなりの部分を読んだのだが、他にあまりまだ通読してはいないのだが、通読できそうなテクストとして、小寺平治『テキスト線形代数』(共立出版)がある。これはかなり工夫して書かれた線形代数のテクストであるらしい。
最後に、森毅『線型代数』(日本評論社)を挙げておこう。こちらは小寺さんの本よりももっと読んでいないのだが、私の密かな模範的なテクストとなりそうである。これは森ダイアグラムをはじめに掲げているからである(注2)。
他にも日本語で書かれた線形代数のテクストは10冊以上もっているのだが、私には難しすぎるような気がする。
おっと、忘れていた。以前の私の学生が使っていたテクストがあった。これは千葉大におられた、多くの数学者の共著『教養の線形代数』(培風館)である。これを挙げておかねば申し訳が立たないであろう。この本は私でも線形代数をなんとか理解できそうな学問である教えてくれた初めての書であった。
(注1) もっとも佐武一郎『線形代数学』は私の理解を越えた数学書である。線形代数といえば、この書と斎藤正彦『線型代数入門』(東京大学出版会)が標準的な良書であることを否定できないだろうが。
(注2)「森ダイアグラム」ってなんだ。これについては説明しない方がかえってみなさんの興味をそそっていいと思う。関心のある方はインターネットで検索してほしい。