物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

青色LEDのノーベル賞受賞

2014-10-08 11:02:19 | 科学・技術

言わずと知れた、赤崎、天野、中村3氏のノベール賞受賞の報である。

天野さんの名前は聞いたことがなかったが、赤崎、中村の両氏の青色半導体への寄与は知られていた。

それにしても中村修二氏の寄与がとても大きい。基礎研究としては赤崎、天野の研究が先行していたにせよ、中村氏の研究成果と実用化がなかったら、赤崎、天野のお二方もノーベル賞受賞できていたかどうか。

新聞を読む限りでは3人とも好きなことをしていたことを強調されている。少なくとも研究には自己満足がなければならない。

これらの方々の研究成果にもかかわらず、日本の基礎研究とか実用研究の雰囲気はいまあまりよくない。

これは今日の朝日新聞の社説でも要注意と述べていたが、その注意くらいではとてもすまないところに来ているのではないか。

これは国立大学の法人化以降に顕著に見られる傾向である。私たちが大学に勤務していたころの予算の維持と研究の雰囲気が失われてしまっていると事情に通じた人は語っている。

外国に研究に行けば、帰ってきても以前に自分が在籍したその職はなくなっているとも聞く。そういうことでは誰も外国にオチオチ研究留学できない。これは構造的にそういう風になってしまったとか。

20年後の日本の研究と技術開発の現状はもう見るも無残になってしまっているだろう。そんな現状を憂うことをいう人はまだなぜだか少ない。

それにプロジェクト研究は別だが、個々の研究者に与えられる、研究費は私が現役のころの1/3くらいになっているとか聞く。

それでも、もし、いい研究が今後もできるとすれば、それは個々の研究者の涙ぐましい研究費集めの努力と日夜を継ぐ研究の成果によるものであろう。

だが、それも今後は少なくなってしまうであろう。ああ、そのことを政治に携わっている人が知っているのかどうか。


電気電子工学科ミニマム

2014-10-07 11:32:47 | 数学

1999年から3年間にわたって、「電気電子工学科ミニマム」というよく使う数学のまとめの小冊子をつくった。

2001年に第3版を出した。この第3版はその1冊を国会図書館にも納めてもらった。1年目は32ページだったが、2年目には59ページになり、3年目には83ページになった。

その後、改訂はされず、発行もしなかった。ただ、第3版の配布残りがあったので、4年生とか大学院生の希望者には配布(もちろん無料で)したりした。

1年生にはこの小冊子は評判がいまいちだったが、4年生とか大学院生には圧倒的に評判がよかった。

電気電子工学科のある非常勤講師の先生はその当時は企業にお勤めだったが、徳島大学で学位をとられて、詫間電波高専に勤められたその方からはこちらが恥ずかしくなるようなお褒めの言葉まで頂いた。

その小冊子を改訂したいと思うようになった。それで線形代数の勉強をする必要ができた。

もちろん、タイトルも変える必要があるだろうが、まだ追加の原稿がなにもできていないのだから、タイトルもゆっくり考えたので十分である。

『四元数の発見』(海鳴社)の作成に取りかかるずっと以前にはe-Learningのコンテンツの作成に関心があった。それでその作業を一年くらいの期間にわたって、進めていたが、その中で三角関数についてはまったく触れなかった。

その三角関数の部分も書く必要がある。もっとも短いながら、「電気電子工学科ミニマム」には三角関数についても書いてある。

全体は13章立てである。内容は

第2章 三角関数

第3章 指数関数と対数関数

第4章 微分と積分

第5章 Taylor展開

第6章 ベクトル解析

第7章 フーリエ解析

第8章 微分方程式

第9章 複素数

第10章 線形代数の有用な定理と公式

第11章 偏微分

第12章 双曲線関数

第13章 デルタ関数

A1  定数表

A2 ギリシア文字

A3 逆双曲線関数

あとは「はじめに」と「編集後記」である。

(2014.10.11付記)『電気電子工学科ミニマム』は検索をして下さると現状のものはそれに到達できる。もっともOCNのホームページは来年の2月くらいでなくなるので、どこかのサイトに引っ越しをしなくてはならない。

関心のある方はインターネットで検索をしてみてください。

(2016.10.6付記)『電気工学科ミニマム』は現在私のホームページがなくなったので、検索してもそれを閲覧できない。ホームページをつくるつもりであったが、なかなかつくることができない。自分ではなかなかの力作とは思ってきたが、これは自画自賛であるから、本当の客観的な評価はわからない。いまでは愛媛大学の電気電子工学科のホーム・ページでも見ることができないだろう。一般の人がそれを見たいと思ったら、私のところへメールでもして下さるぐらいしか方法がなかろう。


台風が過ぎ去ったが、・・・

2014-10-06 13:48:49 | 日記
四国地方では台風が過ぎ去ったが、東京方面にはまあまだ影響があろうか。

私は子どもが2人とも東京に住んでいるので、昔は東京に台風が言っても他人事だったが、いまではちょっと気にかかる。

とはいっても彼らも忙しくしているらしく、電話もかけては来ない。ときどき妻がメールを子どもに出すくらいである。

本を先日送ってやったが、親父がすることには関心もないらしく、何とも言って来はしない。昔からNo news is a good news. というから電話がないということは無病息災ということだろう。

いずれOCNのブログからこちらのブログに引っ越しを完全にして来ないといけないのだが、切羽詰まるまではなかなか引っ越しにはならない。

それで、こちらのブログのほうにはご無沙汰というわけである。

線形代数

2014-10-06 13:41:34 | 数学

「線形代数」と「微積分学」の2つの科目が大学初年級で学ぶ数学のテーマとなって久しい。

私が大学に入学した60年ほど前はまだそのことが確立していなくて、私は「微積分学」と「代数学と幾何学」という科目を学んだ。

その後、この「代数学と幾何学」が線形代数に置き換わった。もっとも私の高校での同級生だった、K君などはすでに京都大学で佐武一郎の「行列と行列式」(裳華房)をテキストに学んでいたから、地方大学にも「線形代数」と「微積分学」という2大科目が数学の必須科目がなるには数年のタイムラグがあったのだろう。

それであまり線形代数は学ばなかったのだが、ようやくここにきて線形代数として何が大事かと気になりだした。

大学の在職中に「電気電子工学科ミニマム」という小冊子をまとめた。これは応用数学的な意味での数学ミニマムである。その中には線形代数についてはあるテーマを一つ取り上げただけで全く触れなかった。

それは私が上に述べたようないきさつで線形代数に弱かったためである。四元数の著書のほうも一段落がついたので、10年以上前に編纂した「電気電子工学科ミニマム」を修正して再編集をしたらどうかと考え出した。

それで昨晩はソーヤーの「数学のプレリュード」(みすず書房)を何年かぶりにとり出して、その行列や行列式のところを読み始めている。


内子ドイツ・フェスタ

2014-10-05 11:33:17 | 日記・エッセイ・コラム
内子で10月4日にあった、ドイツ・フェスタに妻と出掛けた。

これは昨年からご招待のチケットを頂いているのだが、昨年は所用で行けなくて、愛媛日独協会のほかの理事の方々に行ってもらった。

今年は時間が取れたので二人で出かけた。昨年からのはじめたフェスタなので、まだ運営がぎこちがないが、それでも町の意気込みは窺えた。

会場を後にする少し前にご招待を頂いたということで、町長さんにご挨拶をして、またドイツのバイエルン州駐日代表部から招待で来られていた、Geltinger博士としばらくお話をした後、内子ワイナリーに向かった。

フェスタはけっこう、楽しめたが、食物を買うのに大分行列をしなくてはならなかった。いくつかの料理に分ければ、もっと行列が短くて比較的早くに料理を手に入れることができるのではないだろうかと思った。

たとえば、ソーセージとそれをはさんだパンとたった一つの料理ではなく、ソーセージだけもつくって、それぞれを別の列にするとか。

グーラシュとトルティジャを別の列にするとかすれば、もっと短時間で料理を手に入れることができたはずだ。

全体的な印象としては音楽もあり、踊りありでなかなかよかったし、ミュンヘン出身のGetlingerさんのあいさつもよかった。

昼すぎて内子ワイナリーに向かったが、道がわからなくなり、妻が携帯で電話して、道を聞いたりしたが、結局到達できた。

そこで、白、2杯とロゼ1杯を試飲して、白とロゼの小瓶を1本づつ買って帰った。もっとも係りの女性が、「社長が辛口好みのもので」と言う通り私にはちょっと辛口すぎた。

でも、妻も折角訪ねたのになにも買わなくて帰るのは気が引けたのであろう。内子ワイナリーは内子園という施設のまだ山奥だが、ここら辺の丘の上では一番高いところだったので、そこからの見晴しはよかった。

来年の愛媛日独協会の会報にこの訪問記を書くようにと事務局長のNさんから申しつけられている。


便秘の誤解

2014-10-03 12:20:50 | 健康・病気

NHKの放送『ためしてガッテン』で久しぶりに便秘の話があり、二つの「目から鱗がおちる」ようなことを教えられた。

一つは 「便秘薬を飲み過ぎるな」 

であり、

もう一つは 「便通は3日に1回から、1日に3回くらいまでが平均」

ということであった。大体において私は便秘体質ではないが、それでも3日も便が出ないことがあれば、ちょっと便秘ではないかと心配になることもあった。

しかし、現在の医学の常識では3日目に便通があってもそれが普通ということらしい。そういうことは少し前まで知らなかった。

健康の常識も変わるものである。


今年は災害が続く

2014-10-02 11:30:32 | 科学・技術

8月の広島の土砂災害に続いて、御嶽山の火山噴火の被害である。

どちらもかなり大きな災害であり、ひょっとするとどちらの災害も防ぐことができたかもしれないが、残念ながら両方とも防ぐことができなかった。

広島の災害は確かに現地に住んでいる人にとっては今まであったとこのない土砂災害であったかもしれないが、もし行政が建物の建築許可を出さないでいたら、もめにもめたかもしれないが、災害はもっと小さかったかもしれない。

だが、それはなかなか行政としてはできなかったということだろう。だから、大きな犠牲がないと行政も社会も変わることができない。

今回の御嶽山の火山予知でも何らかの兆候を捉まえていたのだが、それが噴火につながるとは現在までの経験からは予想がつかなかったという。

だが、もし今回なような大災害につながるのなら、前もって警戒警報を出すようにすべきであろう。もうできてしまったことを取り戻すことはできない。精々今後の警報を出すときの参考にすべきであろう。

自然科学や技術はすべて経験科学と技術である。もちろん、その災害の想定を最悪にして被害を最小にとどめるのが正しい態度である。

しかし、そういう風に警報を出すということは今回のような大被害がなければ、社会のコンセンサスになかなかならない。そこが難しいところである。


『四元数の発見』の反応

2014-10-01 12:53:38 | 数学

『四元数の発見』の反応がぼちぼち出始めた。

昨日、元名古屋大学のMさんから、メールが入ったが、今日来てメールを見たら、元京都大学のN先生からコメントが入っていた。特にN先生は『四元数の発見』を終りまで通読されたらしい。

コメントは私の四元数への関心を起こした、Cauchy-Lagrangeの恒等式ではなく、その一般化である、Binet-Lagrangeの恒等式について述べられたものである。

早速、これを「数学・物理通信」の原稿として頂けないかとメールをした。