先ほど、ちょっとインターネット検索をしてみたら、私の書いたエッセイが2つほど上がっていた。これは一般の人の数学的質問の答えとしてこれを見よと出ていたものである。
一つは「0.99999・・・=1である」というエッセイであり、もう一つはファインマンのパラメータで「微分して、積分を求める」というエッセイである。どちらもgoogle booksで見ることができる。もちろん、google booksは掲載箇所が数ヶ月ごとに変わるので、今は見えなくなっているかもしれないが。
これらはインターネットでどなたかが質問したのに答えとして私のエッセイがそのままコピーされていた。どちらも何かの機会にどういうものかなと気になる人のいるテーマである。はじめの方の「0.99999・・・=1である」は難しくなくて、無限等比級数の和の公式を知っていれば、高校生でもわかることである。
もっとも私もこのことを私の大学時代に数学者の故吉田洋一さんのエッセイで読んだときもしばらくは半信半疑であった。一つはファインマンのパラメータで「微分して、積分を求める」という話は『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(岩波書店)という物理学者ファインマンの自伝を読んで知ったことだが、それより前に方法それ自体は知っていたと思う。こちらは数式がかなり出てくるし、少なくとも微分積分学をある程度知っていなくてはエッセイそのものはいまでもgoogle booksで読むことができるかと思うが、誰でもわかるわけではない。
しかし、高校である程度の微積分を学んでいれば、理解できるであろう。私のよかったところはうまくそういった本を箇所をきっかけとしてちょっとしたエッセイを書いたことにあるだろう。『数学散歩』には他に「関数の定義」とか「立体角」とか「Legendre変換」とか「母関数の方法」とかを書いている。
最近ではこれらのあるものは数学のテクストにも出るようになったが、昔はそういうものは掲載されることがほとんどなかった。