渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

鳩山総理「正直言ってくやしい」献金問題、終局の見通し

2009年12月24日 20時01分29秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導


 のど元に刺さった魚の小骨のように鳩山内閣100日間の前進力を削いでいた鳩山由紀夫衆院議員(総理、民主党代表)の総務省届出政治資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐるお金の問題に一区切りつきました。

 東京地検特捜部は24日、

 「友愛」事務担当者(鳩山議員元公設第一秘書)を虚偽記載で起訴(在宅)しました。来年、東京地裁で公判が進みます。勝場啓二さんと言います。

 「友愛」会計責任者(同元政策秘書)を重過失による虚偽記載罪で略式起訴しました。東京簡裁は速やかに「罰金30万円、公民権停止3年」にしました=確定の見通し=にしました。芳賀大輔さんと言います。

 そして、総理の実母、鳩山安子さんは上申書提出のうえ不起訴。

 そして、「友愛政経懇話会」の代表者である鳩山由紀夫さんは上申書提出のうえ、嫌疑不十分で不起訴としました。

 世論は、この処分で軟着陸する見通しで、友愛政経懇話会の問題に関しては、ヤマ場を越えました。来年の国会で自民党からの質問にていねいに答えれば、乗り切れそうです。

 総理は午後6時から1時間強、記者会見し、国民におわびしました。そのうえで、若き日、当選1回生のころ、自民党経世会に所属しながら、ボス・金丸信に対する反発心も含めて「ユートピア政治研究会」(武村正義代表)に所属し、政治資金を自主的に国民に公開した日の志はいずこ?と質問され、

 「正直に申し上げると、悔しいです」と語りました。

 ユートピア研究会は、新党さきがけの母体となり、細川内閣樹立の一翼を担いました。そして、総務省に届け出た政治資金管理団体1つが、総務省のインターネットや収支公開室、各県の選管などで毎年分公開される、改正政治資金規正法へとつながりました。

 結果として、鳩山さんが「第二の金丸信」になってしまった皮肉、ずさんさ。総理は大いに反省すべきです。あの日と同じ志で、総理は残す人生のすべてを、政治の透明性・ディスクロージャーに捧げていただきたい。総理はきょう、上申書の写しを公開しました。その心意気は評価に値します。

 李下に冠を正さずといいますが、政権政党の議員は身内に厳しくなければなりません。鳩山献金問題では、予算委員会で自民党議員をヤジり倒す見苦しい民主党議員の姿がありました。このようなことではいけません。

 いずれ内閣改造があって、政務三役から政府外議員に転じた民主党議員は、似たような事件が起きたら、「説明が不十分だ」「大いに反省を」とどんどん厳しい発言をしてほしい。実はそれが政権を助けることになるのです。身内(権力者)に甘い政権与党議員など、国会議員以前に人間として最低の姿です。

 1月18日~22日召集見込みの通常国会にかけて、今後は、小沢一郎幹事長の「陸山会」による不動産不明朗取得事件に関心が移っていくことになります。

 暴風雨の中、民主党はきょうも一歩だけ、ちょっとかっこわるいけど、一歩前進しました。

asahi.com(朝日新聞社):鳩山首相の元公設秘書を在宅起訴、元政策秘書も略式起訴 - 社会

 鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書をめぐる偽装献金問題で東京地検特捜部は24日、実務担当の勝場啓二・元公設第1秘書(59)を総額約4億100万円の政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で在宅起訴した。会計責任者の芳賀大輔・元政策秘書(55)=現在は私設秘書=を同法違反(重過失による虚偽記載)罪で略式起訴し、代表の首相は不起訴処分(嫌疑不十分)とした。

 特捜部の調べなどでは、勝場元秘書は04~08年分の同懇話会の収支報告書に記載した収入のうち、故人らの名義を「寄付者」に使ったり、政治資金集めのパーティー券収入を水増ししたりして、計約3億5900万円分を虚偽記載したとされる。芳賀秘書は虚偽記載には直接関与していないが、会計責任者としての職務を怠った重大な過失により虚偽記載を見過ごしたとされる。これを受けて東京簡裁は同日、芳賀秘書を罰金30万円、公民権停止3年とする略式命令を出した。

 虚偽分の実際の原資は、鳩山家の資産管理会社「六幸商会」などから同期間に拠出された、首相と首相の実母の資金計約11億5千万円の一部とみられる。

 特捜部は、資金の管理や収支報告書の作成は勝場元秘書に一任されていたと判断。首相本人については、虚偽記載への関与は見当たらず、会計責任者の選任・監督責任についても不適格者を選んだとまでは言えないため、不起訴処分としたとみられる。

 また、勝場元秘書は、首相関連の政治団体「北海道友愛政経懇話会」(代表・芳賀秘書)の収支報告書の作成実務も担い、05~08年分で、首相の実母と姉からの年間各150万円の献金計1200万円を記載しなかったほか、パーティー券収入を計3千万円水増しした分も起訴内容に盛り込まれた。

 勝場元秘書は任意の事情聴取に対して容疑を認め、「親族からではなく、きちんと政治活動をして資金集めをいるように見せたかった。見栄えを良くしようと思った」などと動機を供述しているという。

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