政権交代後の最初の論戦の舞台となった第173臨時国会が4日、終わりました。午前10時からの参院本会議は郵政株式売却凍結法を可決・成立させた後、いったん休憩。午後1時から衆院本会議の国会同意人事をこなした後、散会。参院本会議も自動的に散会となり、これで今年の国会は終わりました。
8月30日に政権交代が起こるなど、2009年の国会は憲政史上最も“暑い”国会になりました。
1月5日に通常国会が召集され、補正予算(定額給付金補正)を可決。この際、参院で、野党・民主党提出の修正予算案(定額給付金を歳出から除外)が可決されました。修正予算案が可決されたのは、現行憲法下、初めてのことでした。衆院では、政府案通りに再議決されました。
その後の当初予算案審議は、政権交代をめざして民主党予算委員12人が大活躍。菅直人筆頭理事、仙谷由人委員らが政府入り。2月24日の一般質疑では大島敦委員(現・内閣府副大臣)が「派遣とは辛さの外部委託だ」とする“派遣問答”をし、グッとくるものがありました。翌日の一般質疑では、筒井信隆委員が「きょうは、地球温暖化対策の問題を中心にお聞きする予定でございますが」と切り出したにも関わらず、石破農相と農業者戸別所得補償について論争になり、なんと42分後に本題に入るという出来事がありました。マニフェスト実現に向けたすさまじい執念を感じました。筒井さんは後日のTV入り集中審議で麻生首相から「私は総務相時代に郵政4分社化に反対だった」という答弁を引き出すヒットにつながりました。
当初予算案の討論(反対)には、民主党で初めて1回生から逢坂誠二委員が本会議に登壇する談論風発デモクラシーの到来を示しました。参院予算委で筆頭理事を務めた峰崎直樹さんも政府入りするなど、新しい人材が登場しました。補正・当初予算審議の中で、財務副大臣、財務大臣のクビを、大塚耕平・参院財政金融委員会筆頭理事らが取るという、政策オタクからの脱却もみられました。
民主党は結党以来、政府予算案をすべて年度内に成立する「健全野党」ぶりを発揮し、「第1期野党生活」を卒業しました。
7月21日、衆議院解散。8月18日第45回衆院選公示。同月30日、政権交代。
第172特別国会が9月16日、召集され、鳩山由紀夫さんが内閣総理大臣に。残念ながらこの国会は4日間で占めてしまいました。
第173臨時国会は10月26日に召集。鳩山総理は所信表明を「あの暑い夏の総選挙から2ヶ月が経ちました」と切り出しました。年金制度への言及の中で、「ミスが起こっても、それを隠さずに」。そして日本社会は「誰もが誰もを知っている共同体」から、誰かが誰かを知っている共同体」へと、東京生まれらしい村社会からの脱却を宣言しました。さて、現在の与党・民主党にそれができているでしょうか。まずは政治家自らが襟を正さねば国民はついて行きません。
代表質問では自民党の西村康稔議員が長妻昭厚労相の担当事務が多いことをやり玉にあげて、「大変でしょう、代わって上げますよ」と挑発。その上で、「あの過酷な夏の悔しさをバネに自民党の再生を図っていきます」と演説を締めくくり、二大政党デモクラシーの到来を感じさせました。
その後は、民主党の山岡賢次・三井辨雄正副国対委員長らの不手際が連発し、自民党の川崎二郎国対委員長らが徹底抗戦に出る隙を与えました。同党の政権復帰にかけるすさまじい執念を感じさせ、自民党が民主党を土俵際付近まで追い込んだところで、2009年国会は閉幕しました。
来年の通常国会は1月中旬に召集されると思います。第二次補正予算案、来年度予算案がありますが、まずは国家行政組織法改正案を先に審議してほしいと思います。
私自身、さまざまな変化に立ち会え、国会傍聴を通して自分自身が大きく成長することができました。憲政史上最大の激変だった2009年、平成20年。二大政党による政権交代が当たり前のデモクラシーが確立し、2度とこのような激変がなくていいように願っています。
ことし1年間、ご協力いただいた各位に心から感謝します。
では、1ヶ月半、しばらく鋭気を養いますので、ブログの更新ペースは落ちます。でも、どうしても書きたいことが起きそうですが(^^;)
とにもかくにも、政権交代が実現した。とりあえずは、それで十分です。
[画像]郵政民営化凍結をなしとげた国民新党のみなさん
ついについに成立しました。
私たち日本人の300兆円の財布が守られました。
日本郵政株式売却凍結法が可決・成立です。
参院本会議は4日、第173国会会期末の本会議で同法案を議題としました。「委員長よくやった!」との声が自見庄三郎さんから参院総務委員長にかかりました。
採決し、
[画像]参院インターネット審議中継からキャプチャー
投票総数 153
賛成 132
反対 21
の賛成多数で、間近(来年10月)に迫っていた「日本郵政(政府100%出資)」株式の売却をやめさせる法律が可決・成立しました。
振り返れば、長い道のりでした。
2007年7月の第21回参院選(逆転の夏)の後、第168臨時国会で、自見庄三郎君ほか6名発議の議員立法が参院事務総長に提出されたのは、2007年8月10日のことでした。
参院は2007年12月12日には「賛成票132 反対票103」で法案を可決し、衆院に送付しました。
しかし、このころは「ねじれ国会」でした。
ところがここからが長かった。衆院総務委員会で法案が審議入りしたのは、2008年12月9日のことで、なんと衆院自民党は1年間もの間、法案を吊して、審議すらさせなかったのです。
この長く不安な「空白の1年間」に、当ブログは、2008年3月27日付エントリーで、「かんぽの宿」問題にいち早く気付き、指摘しました。
この「かんぽの宿」が郵政民営化問題を抽象論から具体論に変えました。
第171通常国会では、冒頭から国民新党の自見庄三郎さんが参院本会議での代表質問で取り上げ、2009年2月5日のTV入りの衆院予算委での下地幹郎さんの質問で一気に世論の関心が高まりました。さらに社民党の保坂展人さん、民主党の原口一博さん、川内博史さん、松野頼久さんらが助太刀に馳せ参じ、予算委・総務委・財金委で徹底追及し、野党でありながら、終始優位に論戦をすすめました。
私自身2008年3月27日の指摘が、2009年2月以降の国会論戦につながったと自負しており、一人の日本人として、子孫にリンゴの木を残せたのかな、と考えております(^_^)v
郵政民営化凍結にめげずに頑張れたのは、ブログ界でも、植草一秀さん、喜八ログさんとのスクラムが組めたことも大きかったです。感謝します。
とかく「郵政」というのは、目に見えない難しい世界です。すべての国民が理解すべき問題ではありません。でも、「何かおかしいぞ」と感じた人間は、すぐに声を上げなければ行けない。もちろんそれは郵政に限ったことではありませんが、仲間と志とほんの少しの勇気があれば、どんなことでも実現できるという自信を持つできた貴重な2年間でした。
当ブログ内の「郵政民営化」カテゴリーの一連のエントリーはこちらをクリックするとごらんになれます。
「日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律」(第173回国会・閣法第10号)
第二条 政府は(略)その保有する
日本郵政株式会社の株式を処分して
はならない。
ついについに成立しました。
私たち日本人の300兆円の財布が守られました。
日本郵政株式売却凍結法が可決・成立です。
参院本会議は4日、第173国会会期末の本会議で同法案を議題としました。「委員長よくやった!」との声が自見庄三郎さんから参院総務委員長にかかりました。
採決し、
[画像]参院インターネット審議中継からキャプチャー
投票総数 153
賛成 132
反対 21
の賛成多数で、間近(来年10月)に迫っていた「日本郵政(政府100%出資)」株式の売却をやめさせる法律が可決・成立しました。
振り返れば、長い道のりでした。
2007年7月の第21回参院選(逆転の夏)の後、第168臨時国会で、自見庄三郎君ほか6名発議の議員立法が参院事務総長に提出されたのは、2007年8月10日のことでした。
参院は2007年12月12日には「賛成票132 反対票103」で法案を可決し、衆院に送付しました。
しかし、このころは「ねじれ国会」でした。
ところがここからが長かった。衆院総務委員会で法案が審議入りしたのは、2008年12月9日のことで、なんと衆院自民党は1年間もの間、法案を吊して、審議すらさせなかったのです。
この長く不安な「空白の1年間」に、当ブログは、2008年3月27日付エントリーで、「かんぽの宿」問題にいち早く気付き、指摘しました。
この「かんぽの宿」が郵政民営化問題を抽象論から具体論に変えました。
第171通常国会では、冒頭から国民新党の自見庄三郎さんが参院本会議での代表質問で取り上げ、2009年2月5日のTV入りの衆院予算委での下地幹郎さんの質問で一気に世論の関心が高まりました。さらに社民党の保坂展人さん、民主党の原口一博さん、川内博史さん、松野頼久さんらが助太刀に馳せ参じ、予算委・総務委・財金委で徹底追及し、野党でありながら、終始優位に論戦をすすめました。
私自身2008年3月27日の指摘が、2009年2月以降の国会論戦につながったと自負しており、一人の日本人として、子孫にリンゴの木を残せたのかな、と考えております(^_^)v
郵政民営化凍結にめげずに頑張れたのは、ブログ界でも、植草一秀さん、喜八ログさんとのスクラムが組めたことも大きかったです。感謝します。
とかく「郵政」というのは、目に見えない難しい世界です。すべての国民が理解すべき問題ではありません。でも、「何かおかしいぞ」と感じた人間は、すぐに声を上げなければ行けない。もちろんそれは郵政に限ったことではありませんが、仲間と志とほんの少しの勇気があれば、どんなことでも実現できるという自信を持つできた貴重な2年間でした。
当ブログ内の「郵政民営化」カテゴリーの一連のエントリーはこちらをクリックするとごらんになれます。
「日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律」(第173回国会・閣法第10号)
第二条 政府は(略)その保有する
日本郵政株式会社の株式を処分して
はならない。