ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

◎鳩山内閣「命を守る予算」決定 平成22年度本予算の年内編成に成功!

2009年12月25日 19時05分45秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
 鳩山由紀夫内閣は25日の閣議で平成22年度(2010年度)の本予算案(当初予算案)を決定しました。民主党が本予算を編成するのは、結党以来初めて。

 総理は午後6時過ぎから記者会見しました。

 総理は平成22年度予算案を

 「命を守る予算

 と名付けました。

 そして、予算編成の3原則として、

①「コンクリートから人へ」の既存予算の見直し
②政治家が考え、政治家が責任を持つ「政治主導」
③予算編成プロセスの透明化

 の3つを考慮したとしました。

 抽象的な数字が並ぶ予算編成では政治家が態度で示すことが重要ですが、

 ・行政刷新会議の事業仕分け(歳出面)
 ・政治家だけの税制調査会(歳入面)

 そして、きょうの総理の記者会見が「予算編成プロセスの透明化」の証拠です。

 ナント、平成22年度予算案は財務省のホームページに載っています。昔は与党議員が箇所付け先に電話したり、ファクスしていて夜が忙しかったのですが、こんなところにも時代の変化を感じます。国民全員のための予算なのですから、こうやってインターネットで瞬時に発表するのが当然です。

http://www.mof.go.jp/seifuan22/yosan.htm

 本予算の年内編成により、昨年来繰り広げられた自民党による「民主党には政担権当能力がない」とのネガティブ・キャンペーンはまったく根拠のないデマカセだったことが確定しました。

 総理は一般会計の歳入・歳出規模を「92・3兆円(きゅうじゅうにいてんさんちょうえん)」と表現しました。そして、特別会計や公益法人の埋蔵金(税外収入)について「過去最大の役11兆円の税外収入」を確保した、と胸を張りました。新聞では毎日のようにみる「過去最大の」という言葉ですが、総理が会見で自らの口から発することはマレで、総理の並々ならぬ自信を感じました。

 総理は、社会保障関係費が10%増、公共事業関係費が11%減として、「コンクリートから人へ」のメリハリある予算を強調。

 その後、

 2兆円の景気対策の予算枠、これはおそらく予備費1兆円と国庫債務負担行為が1兆円です。この予算の執行プロセスも透明化してほしいですね。

 そして、

 ・子ども手当をまずは年間15万6000円支給し、所得制限は設けない。
 ・肝炎対策
 ・科学技術
 ・農業者戸別所得補償を「お約束通り」実施する
 ・ガソリン税の暫定税率を廃止し代替税源をお願いするがガソリン高騰時には安くできる仕組みをこれから作る
 ・財政規律のため複数年度によるフレームワークをつくる

 総理は少し早口で高揚感を隠せない様子でした。菅副総理、藤井財務相、平野官房長官らが同席しました。

 とりあえず年内の政治日程はこれで終わりです。

 国会への提出が宿題のように憲法で義務づけられた議案というのはほとんどなく、本予算ぐらいです。通常国会はまず今年度二次補正予算案の審議から始まり、その後、きょう決定した平成22年度予算案の審議になります。審議入りはおそらく2月上旬で、衆院では2月26日(金)には通過させたいところです。与野党伯仲の参院に送付され、3月31日(水)までには、絶対に成立させないといけません。

 ところで民主党は結党以来11年連続で、当初予算を年度内成立させています。この健全野党ぶりを有権者は高く評価しました。このことを自民党はよく頭に入れておくべきでしょう。

 きょうの総理は堂々としてました。

 さあ、鳩山総理の巻き返しが始まりました!
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AERA2010年1月4日・11日号にコメントを載せてもらいました。

2009年12月25日 11時04分30秒 | その他

 朝日新聞出版の雑誌「AERA 2010年1月4日・11日号」に私のコメントを載せて頂きました。「夏の参院選第予測」という記事(33ページから36ページ)の36ページの1段目2段目にかけて、ナント17行、載せてもらいました。

 
[画像]AERA2010円1月4日-11日号の36ページの一部分

 私はいろいろな雑誌にコメントしているんですが、「民主党支持を明言する政治ジャーナリスト」ということで、どこの雑誌でも、「(民主党関係者)」として重宝されているようです。先日、とある雑誌で珍しく「(政治ジャーナリスト)」となっていたのですが、コメントの前半はたしかに私がケータイで話した内容なのですが、後半は他人のものになっていました。面白いですね。

 しかし、こうやって実名を出してもらえると、両親も喜ぶし、親戚2人もさっそくAERAを買いに行ってくれているそうです。今年最後発売の2010年最初の号に名前を載せてもらう。励みになります。来年も”友を助け敵を挫くコメント”ができるよう日々研鑽していきたいと思います。駅売店、コンビニ、書店のほか、朝日新聞専売店でもお求めになれると思います。定価400円(税込み)。

 今回は実名入りということでしょうが、いくばくかは存じませんが、取材協力費をちょうだいできるということで昨夜、口座番号をメールでお伝えしました。こういうのがあると、銀行通帳も確定申告書も見栄えがする、やはり良い一年だったな、という証拠になります。

 朝の散歩がてら遠出をした先の駅コンビニでAERAを購入して、数歩歩くとびっくり。そこにはこの駅を選挙区とする、民主党の木村剛司(きむら・たけつか=キムタケ)さんが駅頭配布活動をしていました。

 キムタケさんの選挙区はJR・地下鉄・私鉄・路面電車と駅がたくさんあります。でも、おそらく毎朝通学時に、この交差点に立っているであろう緑のおばさんと仲良しな姿をみると、日常からしっかり活動していることがうかがい知れます。

 
[写真]緑のおばさんと話す木村剛司・民主党衆院議員=2009年12月25日、都内

 こうやって早朝の寒さの中、新人が街に出ているから、鳩山政権の前進力が出てきているわけですから、総理はもっとしっかりなさらないといけないですね。

 キムタケさんから直接、ビラをもらいました。ビラの裏には次のように書いてありました。



 国会見学の関心は高まっているようです。けさの日経第2社会面に、「政治への関心が高まってきたのだから、政治資金収支報告書の記載の違反は、もはや形式犯ではなく実質犯だ」という趣旨の論文が載っていて興味深く読みました。総理がツイッターを始める意向だったり、原口一博総務大臣が政務三役会議のインターネット中継に乗り気だと聞きます。峰崎直樹・財務副大臣は昨日の朝日ニュースター「ニュースの深層」で今次税制改正では手つかずだった租税特別措置に関して、「来年は粗特の仕分けをやりたい」というアイディアを披露しました。私も大賛成です。

 日本も少しずつ、変わりだしたようですね。

 

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