【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田外相、先週末は豪州、今週末は参院選弾丸ツアー

2010年02月26日 12時31分43秒 | 岡田克也、旅の途中
[写真]岡田克也外相(三重3区)と改選を迎える芝博一参院議員(三重選挙区)

 今週末は、政権交代が実現した第45回衆院選(8月30日)から、ちょうど半年を迎えます。

 先週末の長崎県知事選・町田市長選の大惨敗は民主党に動揺をもたらしています。

 さて、岡田外相は2月11日の祝日には、韓国、先週末はオーストラリアと弾丸外交を展開していますが、今週末の2月27日(土)は、選挙区の三重3区を弾丸ツアーします。10時間で6会場を巡るというハードスケジュールです。

岡田かつや公式ウェブサイトから引用はじめ)

【日 時】
2010年2月27日(土)

10:30~ 久米・桑部・在良・七和  久米地区市民センター

13:00~ 橋北地区 ばんこの里会館3階

14:00~ 神前地区 神前地区市民センター

15:00~ 県地区  下海老公民館

18:30~ 城南地区 城南公民館

19:30~ 長島町 Aコープ長島店2階

(引用おわり)

 これは今夏改選を迎える芝博一・参院議員を引き回すのが最大の目的です。

 芝さんは第20回参院選の三重選挙区(1人区)で、得票率52・1%を獲得し、次点の自民党候補に10万票余りの差をつけて初当選しました。

 親しみやすい人柄ですから、参院民主党の国対委員長代理を務めるなど実績を積んできました。

 ところで、岡田さんの地元事務所では、政権交代後に大きな変化がありました。岡田さんはナント、与党になるやいなや、地元事務所の秘書の担当地区を全部入れ替えるという大人事異動をしました。

 銀行などでは情実融資を避けるために、2~3年で担当地区を入れ替える人事異動は当たり前ですが、政界でそれをやった岡田さんには、いつもながら驚かされます。15年ぶりに「岡田事務所」が与党になったことで、支持者の方との間で、情実に動かされないで、国政とのパイプ役を務め、新しい支持者も発掘したいという考えが、岡田さんにあるのだと思います。

 地元支持者の間では、「岡田さんらしい」とおおむね好意的に受け止められているようですが、支持者によっては、前任者に話したことを「岡田事務所に話したから事務所全員が知っている」と思っている人がいて、「引き継ぎはされていないのか?」と不満をおっしゃる方もおられるようです。

 さて、岡田さんは外相就任後も地元で、「オープンセミナー」を何度か開き、外交の話なのに、百数十人の聴衆を集めたりしています。

 「オープンセミナー」と違い、「国政報告会」は地区ごとに秘書に動員ノルマが課せられます。人事異動後では初めての「国政報告会」ということで、三重事務所の秘書は、参加のお願いや会合の運営などドキドキしているでしょう。

 10時間に6会場で芝博一・候補内定者を引き回して、お披露目する。ちなみに芝さんの初当選したときの民主党代表は岡田克也さんで、全国的に岡田ブームが小泉旋風を抑えた選挙でした。

 6年経って、岡田さんは外相として、6月~7月の参院選挙でも三重に張り付くことは出来ません。政権交代から半年、参院選まで4ヶ月のタイミングで国政報告会を開くことは、芝博一陣営にとっても、岡田かつや三重事務所にとっても、岡田かつや後援会にとっても、しっかりと目標を共有できます。

 投票日から逆算してスケジュールを組んでやるのが選挙というものです。

 岡田克也という一人の人間の中に共存する「やさしさ」と「きびしさ」。岡田さんから「食事に行こうよ」と声をかけられた民主党議員はマレでしょうが、日本のトップリーダーにふさわしい資質は何か? 長崎・町田ショックにうちひしがれている民主党議員にはよく考えて欲しいと思います。

 三重県連では、参院選の準備が着々と進んでいるようです。他の都道府県連はどうでしょうか?