[写真]熊本県知事で東大名誉教授の蒲島郁夫さん=熊本県庁「ようこそ知事室」から
大連立。これ、民主党も自民党も党議決定ができなかったら、その場合は菅直人さん=衆議院で信任、民主党代表の任期は来年9月まで=が首相を続けていいんですよね?まあ、いろいろ考え出すとキリがありません。
こういうときこそ、統治法の原理原則や、歴史に学ぶことが大事です。
まさに今日本は、「訓政期」(くんせいき、政治を鍛える時代)にあります。政治家も有権者も。
そういうなか時機を得て、日本を代表する政治学者で、ご苦労なさった人生経験から尊敬されている蒲島郁夫(かばしま・いくお)さんが、大連立のを成功させる「5つの条件」を示してくれました。蒲島さんは東大教授を辞めて、郷里の熊本県で知事をしています。
朝日新聞の報道によると、蒲島さんは、「国難と戦争の時に救国大連立が怒る。成功させるのはタイヘン難しい」と述べて、次の5条件を説きました。
大連立を成功させる5条件(蒲島郁夫さん指摘)
・選挙までの遠さ
・国難の大きさ
・イデオロギーの近さ
・扇の要となる政党
・リーダーの禁欲、無欲
だそうです。
このうち「国難の大きさ」は「十分大きい」ということで、喜んでいいのか悲しんでいいのか、少なくとも私たちが生きる今においては合格。
「次の国政選挙までの時間的余裕」という意味では、参院の任期が2013年7月、衆院の任期が2013年8月となっています。あるいは2013年7月には東京都議会議員選挙があります。“訓政期”で有権者も鍛えて、衆・参・都議選トリプル選挙ならば、1ヶ月で全部済みます。
「イデオロギーの近さ」ですが、もはや自由主義VS社会主義の不毛な55年体制ではありません。むしろ(行きすぎた)市場原理主義者と生活者優先の違いという対立点があるかもしれません。
そして、「扇の要となる政党の存在が必要だ」。民主党と自民党の2党連立はないだろうと、私は思います。
最後に、「リーダーの禁欲、無欲」ということですが、さて、だれが適任だとみなさんは思われますか?
asahi.com(朝日新聞社):大連立の5条件とは 谷垣氏に政治学者の熊本知事が講義 - 政治
自民党の谷垣禎一総裁が6日、大連立を成功させる「五つの条件」について、政治学者から転身した蒲島郁夫・熊本県知事から「講義」を受けた。
両氏は熊本市で開かれた同党県連主催の政治セミナーにそれぞれ登壇。東大名誉教授でもある蒲島知事は「大政党の連立はあまりない。歴史的には国難と戦争の時に救国大連立が起こる。成功させるのは大変難しい」と前置きし、5条件を列挙した。
最も重要なのは「次の国政選挙までの時間的余裕」で、「1年間の余裕の下、6カ月で仕事を成し遂げることが大事」と強調した。