ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「第179臨時国会の冒頭で、復興庁設置法案と復興特区法案を提出へ」 閉会中審査

2011年10月05日 23時59分59秒 | 第179臨時国会(2011年10月)議員立法

【衆・東日本大震災復興特別委員会 閉会中審査 2011年(平成23年)10月5日(水)】

 閉会中審査では、議案審査と調査という委員会の2つの柱のうち、「調査」しかできません。ですから、きょうの委員会の議題は「東日本大震災復興の総合的対策に関する件(東日本大震災復旧・復興等)」でした。

 公明党の石田祝稔(いしだ・のりとし、比例四国)さんの質問に対して、復興担当大臣の平野達男さんは「復興庁(設置)法案と復興特区法案については、次の国会(第179臨時国会)が召集され次第、できるだけ速やかに提出すべく、今準備を進めております」と答弁しました。

 この平野答弁からすると、10月中旬に第179臨時国会を召集して、復興庁設置法案と復興特区法案を審議してから、平成23年度第3次補正予算(案)を審議するように言っているようにもとれますが、そうではないと考えます。あくまでも、3次補正の予算書ができがってから、法案をととのえて、召集すべきだと、私は考えます。基本的には10月下旬(21日金曜日から24日月曜日など)に召集すべきだと考えます。

 第179回臨時国会には、3次補正を冒頭に提出し、衆参本会議で財政演説、衆・予算委→衆本→参・予算委→参本と送って、成立。それから各委員会を動かすのが自然の流れだと考えます。たとえば、福田康夫内閣では、「消費者庁」に関する予算が成立しながら、「消費者設置法案」の審議が遅れたことがありました。福田康夫首相肝いりの事業なので、そうとうイライラしたようです。ちなみに、予算とは、「年度内(3月31日までに)、その金額まで歳出していいですよ、という権限を、国会が行政府(ないし最高裁・衆議院・参議院の各事務局)に与えることの目録」です。その時点で存在していない省庁へ予め(あらかじめ)予算が付いていても、なんら問題はありません。

  これに先立ち、自民党のシャドウキャビネット外相(兼)沖縄・北方相だった小野寺五典さんへの答弁で、平野復興相は「この復興(事業)によって(各自治体の)地方財政が破たんするような事態には絶対にさせない。そういう(国の)制度設計をするから、その前提で、(各自治体の)さまざまな計画をつくってほしいと言ってきたことは繰り返し申し述べておきたいと思います」と述べました。

 これは、すべての復興事業を国庫全額負担でやる、という要望をしたり、認識をもたないよう、国会議員や首長に釘をさしたものです

 ところで、3日(月)の民主党幹事長記者会見で、輿石東さんが、復興債の償還財源の明確化(いわゆる復興増税)について、8月9日の3党合意で盛り込まれているから、自民党や公明党も、いわゆる復興増税に関する3党協議に応じるだろう、という趣旨の発言をしたようです。ところが、復興債については、「あらかじめ、その償還の道筋を明らかにするものとする」という条文は東日本大震災復興基本法の第8条に明文化されています。天皇陛下は2011年6月24日に公布されています。陛下が6月24日に公布した法律に書いてあることを、8月9日の3党幹事長の文書に入っていることを根拠にその重要性を主張するとは、輿石さんは勉強不足ではないでしょうか。まさか日教組出身だから、陛下の公布を無視しようとしているのではなく、単に分かっていないのだと思います。また、「復興基本法」は衆・復興特別委員長提出という格好になっていますが、閣法、自民党案の修正協議したものです。ただ、原作は、閣法でも自民党案でもなく、公明党の骨子案(予算関連法案は衆院では50人以上の賛成が必要なため、骨子案の発表という形式をとった)に「復興債・復興庁・復興特区」の3点セットが入っています。だから、民主党内での議論でも、いわゆる復興増税(復興基本法にもとづく、復興債の償還財源のあらかじめの明確化)について、「公明党があれだけこだわっているんだから、しっかりまとめよう」ということを言う人がいれば、民主党支持率に弾力的に貢献できると思うのですが、そういうことが分からないでわめいている人が多いように感じます。まあ民主党幹事長記者会見と幹事長代行記者会見は、私は出席する権利を持っているので、そのうちまた顔を出してみたいと考えます。

 10月6日(木)は参院の復興特でも閉会中審査が開かれます。

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