【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

長妻昭筆頭理事は、自民党の「補正予算の早期成立こそが景気対策」とのプレッシャーをはねのけろ!

2013年02月04日 22時06分52秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]民主党の長妻昭・衆議院予算委員会筆頭理事、本人公式ページから。

 麻生太郎財務相は2012年2月4日(月)、衆参両院本会議で財政演説し、平成24年度補正予算(案)について「一般会計の歳出を10・2兆円増額し、歳入では5・2兆円の公債発行などの増額をしたい」と提案しました。

 一般会計の歳出(その限度額までその省が予算を使ってもいいですよという権限を国会が与えること)を10兆円以上増額するのは、野田内閣発足直後の第179臨時国会の復興予算(平成23年度第3次補正予算)の11・5兆円以来。このときは、召集日(2011年10月28日金)に野田佳彦首相の所信表明と安住淳財務大臣の財政演説が行われ、週明け10月31日(月)の衆院本会議で谷垣禎一ネクスト首相が「全国防災費とはなんぞや」などと代表質問でただしました。その後、11月21日(月)の参院予算委・本会議で可決、成立し、「復興債」、「復興庁」、「復興特区」などの予算関連法が11月30日(水)に成立しました。

 これに近い金額を増額補正するにもかかわらず、麻生財務相は「早期成立をお願いしたい」とし、衆院予算委員会の与党理事は、民主党の長妻昭・筆頭理事に対して「3日間の審議で衆院を通したい」と提案し、長妻さんは拒否しました。わたしもなるべく駆け引きはしたくありませんが、交付金も入れて10兆円以上ものボリュームの増額補正をしておきながら、「年度末だから早期成立させて早く執行さそろ」との自民党の典型的な「火事場泥棒」の連鎖を止めるときです。

 だいいち、補正予算で、本予算の歳出歳入の政策的経費のほとんどを補正してしまうことも可能です。だから、補正だって、1ヶ月審議してもいい。しかも、報道に載っていないのでよく分かりませんが、自民党は補正予算案の提出も遅れたし、特例法案が必要となる決算剰余金見込額全額の繰り入れもしていません。そして、どのような国債でも、5兆円の国債は払わなければいけません。

 経済対策だったら、補正予算(案)に盛り込まれているから本予算を前倒し執行するということも、各府省の胸先三寸でできるでしょう。建設会社、防衛装備品会社は「補正予算や新年度予算に入っているから」と見切り発車で、雇用を拡大したらどうでしょうか。そういう経営判断ができないような会社には、予算増額に伴う、景気拡大効果はあまり期待できませんから、官公需から手を引いていただききたいですな。 

 例えば、防衛装備品の水増し請求(私は請求書偽造事件と呼ぶべきだと考えていますが)をしている会社が一社応札するであろう契約が国庫債務負担行為で増額補正されていますよ。繰越明許費を活用しすぎたら、各府省の出し惜しみで、民間経済ではロケットスタートができませんよ。そしてなにより県庁への交付金による基金の造成です。これは県会議員が少ない民主党が「ピンチはチャンス」でしっかりと減額補正を提案してもいいくらいでしょう。

 とにかく初めが肝心です。東京っ子であり、岡田流機先を制すけんか作法を知りつつある、長妻筆頭理事に期待します。今国会質問主意書第1号提出者です。政治家は既得権益者に嫌われてこそ本物です。斎藤隆夫先生もそうだったし、斎藤隆夫除名決議に反対票を投じた7名の議員の中の一人が芦田均なのです。

 自民党は「早期成立が大事だ」というならば、もっと身軽な予算を組んで、召集日に提出し、速やかに財政演説をすべきだったのです。

 もしほんとうに3日間で衆院を通過させるつもりならば、「予算の執行に関する集中審議」を本予算成立後に5回ぐらい設定してもらわないと割にあいません。

 少し、海江田万里代表、細野豪志幹事長はけんかが下手すぎます。何事もはじめが肝心です。例えば、補正予算(案)の内容について、自民党財務省政務三役は国会提出前に民主党本部にきて、全議員説明会をやらないと、参院で反対する、というくらいのけんかをしかけてほしかったです。

 今のうちに徹底的に、野党第1党としての要求を自民党にふっかけなければなりません。

 参院選まで半年もあるんだから、もっと毅然として襟を正したうえで、一発びんたを浴びせないといけません。よっぽどAKBの女の子の方が、けんかのしかたを知っていると感じます。

 そして、まずは予算書に親しんでいただきたい。次のリンク先の情報にふれてみてください。こつは「ざっくりといいかげんにみる」ことです。

http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/index.htm

http://www.bb.mof.go.jp/hdocs/bxsselect.html 

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