【画像】右手で安倍・麻生財政をただす、民主党の岸本周平さん、2013年2月5日(火)、衆議院インターネット審議中継から。
【2013年2月5日(火) 衆議院本会議 麻生太郎財務大臣の財政演説に対する代表質問】
平成24年度第1次補正予算(案)の趣旨説明である、麻生財務相の財政演説に対する各党代表質問がありました。総理の所信表明から4日補正予算案提出が遅れたので、本会議で代表質問になったのでしょうが、民主党がお得意の予算委員会に入れないのが残念なところです。
トップバッターは、民主党2期生の岸本周平さん。そして、5期生で5年前は「ガソリン値下げ隊副隊長」だった日本維新の会国会議員団幹事長の松野頼久さん。みんなの党山内康一さん。 3人とも「政権交代チルドレン(小沢チルドレン)」、「細川チルドレン」、「小泉チルドレン」ながら、初当選以降は連続して当選している人です。もちろん、この人たちの同期で、今本会議場にいない人の顔も浮かびます。しかし、大いに悔しがってほしい。そして、勉強するよりも先に、まず自分自身に謙虚さにかけている面がなかったかどうかを反省して欲しいです。
岸本周平さんは補正について「年度途中で税収見積もりを増やし、財政支出を増やすのは、自民党の常套手段だ」とし、「とにかく今まで(財務省主計局が)認めなかった事業のオンパレードだ」と今次補正を批判し、「日本の財政規律を駄目にしているのは、(本予算ではなく)補正予算だ」としました。このように、自民党的補正予算(緊急経済対策)のあり方を大枠でとらえる論立てで、期待通りの名演説でした。今までの「政策オタク民主党」から踏み出して、大枠の議論が聞かれました。
そして、「合意もなく負担を押しつけられる子どもたちに対する真摯な姿勢が感じられない」と政治家になった情熱を隠そうとせずに雄弁をふるいました。「財務省は費用対効果を計算しているはずで、その資料を出すべきだ」と注文をつけました。ぜひ、財務省は予算委に提出すべきです。
松野頼久さんは、演壇に登ると、愛用のストップウォッチで時間をはかりました。「我が党は改革派保守政党で日本を守っていくために改革したい」とし、「自民党は守旧派保守政党だ」としました。そして、今次補正について「来年度予算を前倒しする粉飾予算だといっても過言ではない。各種団体に展望無くばらまくだけの旧来型だ」。ところで、松野さんは5年前の通常国会では「ガソリン値下げ副隊長」として活躍しましたがその次の通常国会でも「予算むだづかい削減隊員」でした。ところが、きょうの質問演説に「あれっ」と思うところがありました。松野さんは麻生補正(平成21年度第1次補正)の「地域活性化・緊急安心実現対策交付金をつくった実績もある」 と評価しました。そのうえで、今次補正の「地域の元気交付金の地方への裏負担は、本予算との間で混乱する可能性が高い」と批判しました。4年前に、松野さんは麻生補正の48基金すべてを批判していたように思います。きょうの演説では「地域活性化・緊急安心実現対策交付金」を評価しました。言うまでもなく、維新の会首長団の意見が反映されているのでしょう。実に政治家らしい政治家です。
2つ当選を重ね、官房副長官をつとめ、橋下徹・大阪市長という傑出した首長と交わった中での成長を感じます。これとは別に、野田聖子・自民党総務会長は「安倍内閣を全力で支えていくことを誓い私の質問とさせていただきます」と述べました。この「忠誠をお誓いします」は、自民党関係の会合ではたびたび耳にします。本会議ではあまり聞かない印象ですが。松野さん、野田さんといった世襲議員たちの政治家らしさというのは、もっと見習って欲しいです。そして、非世襲議員というのは、与党になったときに、世襲議員よりもおごった態度を取ったら、次の選挙では一発アウトです。野田聖子さんは昨年の通常国会で初めて本会議に登壇したと質問演説し、どよめきを受けました。
昨年の通常国会の衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会では、3党合意直後に、みんなの党の山内康一さんが「後学のために3党協議のやり方を教えて欲しい」と質問し、同党内でも異彩を放ちましたが、質問の中で、子ども・子育て支援法に関して「(女性の)大学院生向けに大学内に企業内保育所をつくるべきだ」と述べて、その斬新さにはっとしました。というのは、働く女性が、出産時に退職して、専業主婦になり、子どもが手がかからなくなってから、また働くことが多いからだそうです。ちなみに、先日の日経新聞夕刊の1面コラムで、日産自動車の経営者が「あす我が社の本社に企業内託児所ができる・・・」と誇らしげに書いていましたが、東京紡績ついでカネボウ(鐘ヶ淵紡績)に企業内託児所ができたのは100年以上前のことです。
さて、山内さんですが、きょうは「15ヶ月予算と言われているが、13ヶ月予算ではないか」とするどいつっこみをしました。山内さんにはいつもハッとします。私と同じ世代で、私もこういう人を煙に巻くのは好きなので、山内さんは好感が持てます。ちなみに、経世会・小渕恵三先生内閣が1999年に「15ヶ月予算」と呼んだのがおそらく初めてで、それを清和会の安倍ちゃんがまねているのが「15ヶ月予算」という言葉です。山内さんの言うとおり「13ヶ月予算」と呼ぶべきです。
岸本周平さんの技術と情熱。松野頼久さんの飄々とした政治家らしさ。山内康一さんの個性と発想力。この3本の矢がそろったときに、自民党内閣にかわって、天皇陛下をお守りし、選挙権のない子どもたちによい日本を残していけるでしょう。社共は論外として、民主党内の「リベラル」教信者は切り捨てて、3本の矢で日本再建。政権交代ある政治が完成しつつある今、私ももっと地を出して、もっと本音で補正予算審議を見ていきたいと考えます。
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