【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

石破茂幹事長は岡田克也幹事長を超えられるのか? ねじれの23年度1次補正、岡田さんは「全会一致」

2013年02月27日 07時45分26秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]自民党の石破茂幹事長、自民党ホームページ(左)と、民主党の岡田克也幹事長、2011年5月、筆者撮影。

 昨日は予想外に早い時間に補正が成立しました。

 自民党ホームページによると、石破茂幹事長は、「これは本当に画期的なことだと思います。6年ぶりだと思いますが、こういう形でねじれのない形で補正予算が可決されたということは、たった1票差だけれども、ものすごく大きな意味があると思っています。今日を境に本当に歴史が変わっていく」と述べたようですが、これは間違いです。

 衆参ねじれ状態での、補正予算の参議院一発可決・成立は、2011年(平成23年)第1次補正予算も同様です。

 しかも、これは全会一致の快挙です。


 次の議事録をご覧ください。

国会会議録データベースから引用はじめ]
第177回国会 本会議 第14号
平成二十三年五月二日(月曜日)

   午後三時十一分開議

(略)
○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。

 日程第一 平成二十三年度一般会計補正予算(第1号)
 日程第二 平成二十三年度特別会計補正予算(特第1号)
 日程第三 平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長前田武志君。
(略)
   〔前田武志君登壇、拍手〕
○前田武志君 ただいま議題となりました平成二十三年度補正予算三案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 補正予算三案は、去る四月二十八日、国会に提出され、衆議院からの送付の後、五月一日、財務大臣から趣旨説明を聴取し、同日及び本日の二日間、菅内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行いました。
(略)
    ─────────────
○議長(西岡武夫君) 三案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。衛藤晟一君。
   〔衛藤晟一君登壇、拍手〕
○衛藤晟一君 自由民主党の衛藤晟一です。
 私は、ただいま議題となりました政府提出の補正予算案に関し、苦渋の決断として、やむを得ざるものこれあり、賛成の討論をいたします。
(略)
 さらに、菅政権は、身内からも見放されつつあります。つい先日は、総理が任命した内閣官房参与が、政府の事故対応を、法律を軽視してその場限りの対応を行い、事故収束を遅らせていると厳しく批判して、辞任されました。民主党議員からも総理の退陣論が噴出しています。
 もはや、菅政権は、この国難を乗り切る能力も信頼も欠いています。我が国の復興にとってこれ以上の障害とならぬよう、速やかに退陣すべきであります。
(略)
○議長(西岡武夫君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(西岡武夫君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成           二百三十三  
  反対               〇  
 よって、三案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
(後略)

[引用おわり]

 このように、平成23年度第1次補正予算案は賛成230、反対ゼロの全会一致で可決・成立しています。これを受けて、各党の予算要望集約や国会運営を担当した、民主党の岡田克也幹事長は「予算は組んだら終わりではなく、いかに被災者のために使っていくかが大事だ」と発言しました。

 このように、岡田幹事長・安住淳国会対策委員長・玄葉光一郎政調会長でのぞんだ第177回通常国会は、大震災による閣法増加、議員立法、さらには国対委員長の実家全壊などがありながら、補正予算の全会一致成立、閣法成立率80%、成立法律100本という、民主党史上もっとも好成績の国会となりました。


[画像]民主党史上最高の成績をあげた、岡田克也幹事長、(右)、安住淳国会対策委員長(左)、玄葉光一郎政調会長(兼)国務大臣(中央)の岡田3兄弟、両院議員総会、2011年8月、同党ホームページ内動画からキャプチャ。

 当選回数と初入閣は先輩の石破茂幹事長は、岡田克也幹事長を抜くことができるのでしょうか。

 改革派か、それとも守旧派か。国会が2分された第126回通常国会から20年。これからは改革派のなかにも、エセ改革派がまぎれてやいないか。民主主義が試される、20年目の国会です。




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