【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

あれから20年・・・石井一先生が名裁き 野党の参・予算委員長として 補正予算

2013年02月22日 07時00分00秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

 10・2兆円を増額する平成24年度第1次補正予算案は今週2月18日(月)から参議院予算委員会で、基本的質疑、集中審議、一般的質疑が行われました。採決は来週の見通し。

 昨年末の第46回衆院選にともなう政権交代がありながらも、今国会では引き続き、民主党・新緑風会が予算委員長ポストを占めています。私の理解では、民主党・新緑風会と参議院自民党の間には、「議運委員長は野党、予算委員長は与党」という不文律があったように思っていたのですが、石井一委員長ということになりました。野党の予算委員長は過去にも例があったようですが、記憶にありません。しかし、ピンさんはさすがの名裁きを見せています。

 私は今回の補正審議には大変に不満を持っています。衆議院では、長妻昭さん、玉木雄一郎さん、参議院では、梅村聡さん、松浦大悟さんをのぞく委員は、本予算ではさしかえるべきだと考えています。大変に内容が悪い。とくに衆議院段階での、前原誠司ネクスト財務相の「人口が減少すればデフレになるのは当たり前」という珍説の披露と、それを後藤祐一さんがフォローする質問を後日にしたことは絶対に許せない思い。調べたら、人気の経済評論家が「人口デフレ論」というのを提唱しているようですが、お札をいっぱいすればインフレになるわけで、安倍晋三首相の「デフレというのは貨幣現象・・・」の一言で撃沈している理論です。永田メールから何一つ進歩のない男です。さしかえろ!


 参議院でも、民主党・新緑風会では、昨年の同時期の松浦大悟さんの質問を受けて、森まさこ内閣府特命担当大臣が「昨年のGKB47を松浦委員が止めてくださって、岡田克也国務大臣があなたもゲートキーパーに変えてくださった」とよいしょする場面がありました。大悟さんは、2009年5月の民主党代表選で、岡田克也候補の推薦人になりましたが、3年3ヶ月の間に政務三役になれませんでした。秋田選挙区は、衆院選では落選した者の、実力ある総支部長がいるので、ぜひ参院選では1人区勝ってください。

 その一方で、2009年5月の民主党代表選では鳩山由紀夫候補の推薦人になった香川選挙区の植松恵美子氏と佐賀選挙区の川崎稔・財政金融委員長が離党するかまえを示しています。この2人は、岡田民主党が2004年に、安倍晋三幹事長率いる自民党を下して第1党になった際に、1人区で落選しています。その3年後に、小沢民主党で初当選したことから、長年、小沢・鳩山グループと関係が深いのですが、許し難い裏切りです。岡田民主党も1人区で13勝14敗と当時の民主党の力では最大限1人区は勝ったと思いますが、四国や九州まで力が及ばなかったのでしょう。しかし、自分のことしか考えない馬鹿者が多いので、離党するのでしょう。私がこうやって2009年5月の代表戦での投票行動をなじるのは、歴史の作り手という責任感があれば、鳩山候補を「次の首相」に選ぶことはありえないと思うからです。歴史に対して責任を負うべきです。

 ただ、参議院での補正予算の審議を聞いていると、民主党以外の政党で良い質問を聞きます。みどりの風の谷岡郁子さんは財政法29条による補正予算、日本国憲法87条をていねいにただしたうえで、復興特会に積み増される予備費6000億円の有効活用をただしました。日本維新の会の片山虎之助さんは「どこが15ヶ月予算なのか」と衆院みんなの党の柿沢未途さんに続き、コロンブスの卵質問をしてくれた上、「この時期に基金を増額されても、繰越明許するだけだ」と初代総務大臣らしい質問をしました。新党改革の舛添要一さんは「私が(自民党の)参議院政審会長の時に、国会同意人事委員長という衆院(自民党・無所属の会)にはない役職をやっていて、すべて人事はリークされて既成事実化されてから(国会同意人事が)提示されていた」と西岡ルール(国会同意人事が事前に報道されたらさしかえる)の由来を明かしました。

 このように、民主党以外の政党の方がよい質問をしており、本予算審議に向けて、私自身のidentityがゆらいでいます。先の衆院選による民主党大敗で、衆議院側の取材ルートが壊滅的に喪失してしまい、国会運びの実感がわきづらくなっています。宮川隆義さんがつくっている「国会議員要覧」の最新版を見ても、元民主党秘書の再就職状況は思わしくなく、ショックを受けました。ただ、その中での光明は、明白に「新生党系」である秘書が自民党へと再就職に成功していることです。うち、一人は、以前から、その議員が国政復帰した場合は秘書に復帰するという約束があるやに聞いていました。もう一人は、自民党政策秘書になったため、この状況で職がつながったばかりか、昇給に成功したと思います。なかには、岡田さんと同期の新生党議員時代の秘書同士が一人が大臣を経験した上で落選し、一人は自民党議員秘書になっていて政界は一寸先は闇だと感じます。そういった中で、新進党に参加した中で、公明党(Clean Government Party)は公明党(New Komeito)、民社党は民社協会があるなかで、新生党にはそのような組織はありません。実際には、「改革フォーラム21」(自民党羽田派)は存在しますが、現在総務省に届けられている「改革フォーラム21(川島智太郎代表者)」は、小沢一郎氏に乗っ取られた政治資金プール団体です。その中で、仲介役がいないなかでも、履歴書に「新生党」がある人は、今でも通用するんだなあと感じます。

 そういう中で、政権交代ある政治を1セットやり終えた上で、保守・右翼であるということに誇りを持つ私としては、今の民主党よりも、日本維新の会、みんなの党に思いが動きつつあるところでっす。民主党内にも保守派の同志がいます。しかし、私は連合という礎も大事にしており、ほんとうに悩ましいところです。そこで、まだ4ヶ月会期があるので次のようなワッペンをつくってみました。



 宮澤解散20年。

 あの日から始まった政権交代ある二大政党政治を私はなんとか完成させることができました。男は一生に一事を為せば良いと考えていますが、30歳代で一事を為すことができました。あの20年前、宮澤解散の志。鏡の中に写る自分を見て、恥ずかしくないか。石破茂さん、小沢一郎さん・・・たくさんの人々が志を裏切っていきました。志を貫くためには、環境の安定が必要であり、お金が必要であることを知りました。それでも、石破、小沢の裏切りは許せません。20年経ち、いかだに乗って船を出たシンドバッドは、年を取り、知らず知らずの上に航海を恐れていないか。その思いとともに、自分の立ち居地を探して生きたい。

 あれから、20年。

 これから、20年。

 改革未だならず。

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